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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

アートコレクション

ホテルオークラで毎夏恒例のアートコレクションが開催されている。
誘いのDMが届いたので、機嫌よく向かう。
ちなみに私の東京アルキには、一つのパターンがある。
弥生美術館―野間記念館―紀の善―泉屋分館―大倉集古館こんな感じ。
(永青文庫と早大が入ると、歩き方はまた異なるが)

第一回目から見学に来ている。
当初は確か、企業や私人が秘蔵している芸術品を展覧するものだったが、段々と一般公開されている作品が増えてきて、毎年のコンセプトにあわせた展覧会に変容してきた。
しかし、それはそれで良いことだと思う。
ただ、第一回目のときに小出楢重の『枯れ木のある風景』を見たときのような衝撃は、今では求めることが出来ないのだが。
今回は美人画である。一番好ましい、展覧会。洋画から始まり、日本画へ至る。
ここ数年、ブーグロー、ブーシェ、ヴーエ、ディアズの美麗な女性たちの絵を見る機会に恵まれている。何故か、この四人を固めての展覧が多い。ファーブル美術館、山形後藤美術館、MOT・・・・・・見ていてとても気持ちいいのだ。
考えれば印象派は美人画を書くのが主目的ではなかったし、ルネサンスでは衣装の豪華さのほうに目を奪われてしまう。
それに波があるのだろう。印象派は日本人の最愛だから別として、少し前はラファエロ前派が流行り、今はこちらかもしれない。微妙にずれがあるにしても。

我が地元の西宮大谷からもなじみの裸婦が二点出品されていた。クールベと児島と。『やあ、出てきたね』と声を掛けたくなるような絵もあれば、『初めまして』と言う絵もある。
ルノワールの片方の胸だけはだけた少女や、牛と羊を連れた女は二度目の出会いだ。こんにちは、という感じ。

日本画からも美人続々。大倉集古館からは伊東深水の吉野太夫など、清方もあるし、福富コレクションからは池田輝方と蕉園のなじみの絵が出ている。私は輝方の娘が好きだ。
前田青邨の浴女図を見ていて、少女と女性の違いをまざまざと感じたり、松園のおっとりした美人ににっこりしたり。

日本洋画からは武二と岡田三郎助が出ていた。
武二の女はとても魅力的だ。特にお葉さんをモデルにした横顔の女のシリーズなどには不思議な魔力があるようにも思われる。
ここにも彼女がモデルらしき女の絵があった。夢二より、武二や晴雨の絵のときの方が彼女はいい女だ。
三郎助の女はこれもいい女だ。重い色彩感覚がすてきだ。しかしそれは私がファンだからかもしれない。デッサンが変だ、パースが狂っているという声を聞いた。明治ー大正の和装の女の体つきがそうさせたのだと説明しようとしたが、多分、理解されまいだろうとやめた。
劉生の妹照子はチャイナドレスを着ていて、北方ルネサンスの影響の濃い、美人画に仕上がっていると思う。ちょっとデロリなところがいい。
麗子。清春にある八歳の麗子の赤いチェックワンピースの水彩画と、同じ時に描かれたような油彩と。面白い対比だと思う。そしてご近所さんの泉屋分館から来た二人の童女ののみ取りの様な絵。
子供の頃は、麗子のグロテスクさが怖かった。ところが大人になり、麗子のよさに目覚めた。不思議な感じがする。小出もそうだ。昔は嫌だったのが今は大好きなのだ。しかし、未だに萬鉄五郎はダメだ・・・拒絶してしまう。
宮本三郎の華やかさにも喜んだ。

十二分に楽しませていただいた。この展覧会はチャリティイベントなのだから、どんどんお客さんがきてくれれば、それだけ善意の輪が広まるのだ。
見た後は、大倉集古館と泉屋分館が待っている。併催してくれているのだ。これも、とても嬉しいことだ。
さあ、行こう。
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