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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

今月の東京ハイカイ

大概この旧正月頃は雪で交通機関が乱れます。
しかしそれでも出掛けずにいられない者もおるわけです。

だいぶ前、私の乗った飛行機が羽田空港に着くのを最後に、空港が雪のために閉鎖されたことがあった。今回はそうはならなかったが東北や信州は大変らしい。


個別の感想は後日にして大まかな感想を挙げます。

上野に行く。
間近な西洋美術館に入る。秋から長らくデューラーの版画を展示しているが、フィナーレになってから見に行くのも悪くはない。
細密でパラノイアぽい作品群に唸る。sun064.jpg

特にキリスト受難のシリーズは面白かったわ。こんな構図を選ぶか?と言うようなのがいくつかあり、また無関係なウサギが妙に可愛かったりする。
常設版画室のアウトサイダーなのはちょっといやな感じ。戯画でもあんまりなんは感じ悪いな。

子ども図書館の絵本の黄金時代では主に20?30年代のアメリカ、ソ連絵本を見た。
レトロビューティな色彩感覚のアメリカと、社会主義から子供らへ、夢と希望を託すために選ばれた明快な色彩と線のソ連、更にその前代の帝政ロシアの世紀末美術。
私は様式美に満ちたビリービンと、その弟子たちの作品が特に好きだ。
今回もビリービンの髑髏ライトを持つ「うるわしのワシリーサ」などを見て、機嫌良かった。

東博の新年のお年玉みたいな恒例の展示を楽しむ。
sun066.jpg
ウサギまみれで面白いし、北斎の「神奈川沖の富士」を四度摺るのも楽しかった。
バレンはクルクルと回すのが正しいやり方なんで、小学生たちの前でちょっと模範を。
たまにはこういうお役立ちもします。
sun065.jpg

上野から有楽町に出た。風邪薬が効き始めて気持ちいい。
フラフラ歩くと明治生命ビルの見学に誘われた。
ああ?やはり素晴らしい!ハイカイにはこういう味わいもあるね。

出光美術館の琳派を大いに楽しむ。
ところが昼に飲んだ風邪薬がこんな時間にいきなり効いて、立ちながら寝落ちしてしまう。
仕方なく皇居のお堀を見ながらお茶を二杯頂いて眠気を覚ます。飲んでからの時間計算をミスったのが原因。

まあ意識もはっきりしたんでもう一度見て回る。
それでちょいとばかり予定狂いましたが、微調整して東近美に走る。
日本画の前衛。sun063.jpg

何と言うかシュールでオシャレな作品が多かった。悪い意味でなく、パッケージデザインに使いたいものがかなりあった。作者の意図は読めないけど、そういう興味がわくのがこの展覧会だった。
常設には深水の雪中美人などわかりやすい日本画が出ていて、楽しかった。

再び丸の内に戻る。三菱一号館でカンディンスキーと青騎士展の再訪。内覧会以来。
この展覧会でカンディン好きになったのよ♪ いや?いいなあ。
青騎士さんたちがまたエエのよな。
七宝焼の不透明釉薬を塗り付けたような色彩感覚がよござんした。

併設展のコンドルの三菱のための図面や模型や在りし日の邸宅写真などを眺める。
こういう建物が今もまだあれば・・・ね。

さすがにここでアウトでした。
ホテルに向かう。近所のファミレスで食べたオニオングラタンスープがおいしかった。

二日目。
鎌倉に直行。まだ早いから観光客も少ない。だから小町通を闊歩した。
気分は立原正秋のヒロイン。
鶴岡八幡宮に向かうと、まっすぐ本殿向かうわけにいかず迂回路を行け、と示されているが、時間がないんで遠くから遥拝。
国宝館で氏家コレクションの肉筆浮世絵を見る。久しぶり。最初に見たのはまだハタチすぎの頃で、ネットなんか流行ってなかった。自分の楽しみだけで感想書いてた時代。
メモってたら見知らぬオジサンに何のため?と訊かれたことが懐かしい。

横浜に戻り日本大通の横浜開港資料館に向かう。ときめきのイセザキ。イセブラの昔。
すごく楽しそう。今はサビレているらしいが、いつか歩きたいわ。

湘南新宿線で恵比寿に。山種よ?
歴史画です。大好きな分野なんで大いに喜ぶ。
東博でも物語絵や鎌倉でも故事来歴絵を見たし、なかなか楽しいわ。

今回はホリデーパスを使うているので移動はJR。
汐留の白井晟一展を見た。
静謐さに満ち満ちた世界。建造物ではあるが、人間の存在感がない、いや、拒絶した空間
だと思った。書もよくする人で「無窓」というのがあった。
無窓は無想でもあろうか。無念無想。
内省的な思想の現われ、哲学的な建造物・・・考えねばならない様々なことども。

新橋から神田の南口に出ると、某名建築が見えるけど、ここは堅く見学お断りなんで軽くスルー。
三井記念美術館に入る。
松の茶屋か。戦後の荒波をこうして凌いだのですね。
我が偏愛のノンコウや乾山らのやきものや、綺麗な螺鈿の茶箱などを見る。
もっと松の茶屋の写真などあればいいのだが、ちょいとばかり惜しいな。

新日本橋から千葉へ向かう。
何やら事故の影響とか。新幹線もそやけど在来線も色々大変。

明るいうちに千葉に着く。例によって道に迷って、千葉中央駅まで出る。何のためのJRなんかな。
ギッターコレクション展です。名古屋以来の再会。楽しく眺める。
記事を書いた展覧会を再訪するのは気楽に作品と向き合えて楽しい。

さーてホリデーパスのお力を示しましょう。(おおげさな・・・)
千葉から横浜まで72分らしい。乗った・寝た・着いた。朝以来の横浜。
そごうで九谷焼の三世徳田八十吉展。
グラデーションの綺麗さに「ヲヲ」となる。
sun062.jpg
一点一点で見るより数点を連続して見てみると、万華鏡をのぞいてる気分になった。
勝手ながら、こういう楽しみ方をさせてもらった。
また古九谷の倣いがさすがに素晴らしくて、目の保養という展覧会だった。

ここでタイムアップ。ポルテでサンマーメンとシウマイを食べて帰る。
わたしは餃子よりシウマイ派なの。

昨日、つまり三日目の朝、月曜日。
月曜に都内にいるなんて、まずこれまでありえなかったので、感覚が狂う。
狂うことも予測してたので、事前に立てた計画では「電車混むぞ」と書いてある。
しかしやね、普段から自転車通勤のわたしが首都圏のラッシュアワーに耐えれるはずもなく、これはもぉ実は実行不可能な状況でしてな。
というわけで、昨日千葉へ出かけたことで、予定を変えれました。

東京駅に荷物を置く。送ればいいけど、一月中は運送会社はあまり使いたくないのだよ。
(そういうわけで「送りますね」と約束している方々に遅刻遅刻なのだ、すみません)
まぁでももぉ月半ばやしなぁ。

新日本橋で降りて三越本店で「善光寺大本願上人」展を見る。
開基が蘇我馬子の娘で聖徳太子の妃とあってビックリした。
「えっ刀自古!」そう、わたしは山岸涼子「日出処の天子」をリアルタイムに読みふけっていた世代。アタマの中には綺麗だった刀自古娘が浮かんでいたのでした。
何度か善光寺にも行き、早朝の「お数珠頂戴」にも参加したり色々したけど、肝心のことを知らんかったなぁ。
なむ?。

昨日に続きまたもや神田へ向かう。乗り継いで両国へ行くのだけど、さすがに場所中なのでお相撲さんを二人ばかりみかけた。
お相撲さんと言えば、わたしは千代の富士がいちばん好きだった。あの頃は阪神タイガースと大相撲観戦に打ち込んでたなぁ。「キャプテン翼」にも熱中してたなぁ。’85年頃。

江戸博で「江 姫たちの戦国」を見る。副題が「生きた 愛した 戦った」だったが、このフレーズは懐かしき「六神合体ゴッドマーズ」の挿入歌「十七歳の伝説」にもあった。
ああ、泣けてくるぜ・・・。
歴史上の人々のイメージってね?どうしても読んだものからのイメージが強いんだよな。
秀忠なんぞは隆慶一郎の一連の作品群のわる??いわるいイメージがついてもたし、彼女が溺愛した忠長は「シグルイ」の狂気のヒトの顔が浮かんできますな?。
sun061.jpg
宮殿(ぐうでん)は暗い空間に展示されていて、迫力があった。あれを見ただけでも来た甲斐があると思うような実物。ちょっと怖かった。

時間調節してからいよいよ東博へ。
「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」展の内覧会。
谷村新司さんのトークがあった。チンペイさん、ナマで見聞きするの久しぶり♪
薬師寺から出開帳の絵画は、ほんの数ヶ月前にその薬師寺で見たばかりなので、「おお、元気ですかな」な気分で眺めたのだが、「文化財難民」になった文化財たちを目の当たりにすると、つらいものがあった。
しかし平山郁夫の実行力・発言力などでこうして一時的な憩い場が出来て、本当に良かったと思う。
立派な行為だ。こうして救われた文化財も少なくないのだ。

なんとなく胸を張りながら東博を去った。
予定より早く新幹線に乗ることにした。そうしないと雪で遅れるらしいし。
一時間半早いのにチケット変更。
また来月までさらば。
今回もいいハイカイをさせてもらいました。
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コメント
ノスタルジック・イセザキ
私もデューラーの、聖母の足元にいる
ウサギにはウケました。かの有名な水彩画
のウサギは、あんなに写実的なのに、
ここのウサギはマンガみたいで、笑えます。
本当にデューラーは動物好きですねぇ。
アダムとイブの足元にもいっぱいいるし・・・。

あ、横浜のイセザキは、私のような神奈川県民に
とっては、昔(昭和)からサビレてた・・・というか、
ちょっと、アヤシくって、危険な地域でもありました。
今はむしろ、綺麗になって、アヤシイ所が
少なくなったかなぁ、という感じです。
地元の友人に言わせると、綺麗になって、
ほっとしている反面、切なくなることもあるみたいです。
昭和のサビレたイセザキの風景なら
映画『ヨコハマメリー』はオススメです!
2011/01/20(木) 16:37 | URL | えび #-[ 編集]
Re: ノスタルジック・イセザキ
☆えびさん こんばんは

> ここのウサギはマンガみたいで、笑えます。

私は他にADというデューラーのサインというか印が、どーーーしても「鳥居の下の石」に見えてしまうのでした。一人で勝手に笑ってました。

>昔(昭和)からサビレてた・・・というか、ちょっと、アヤシくって、危険な地域でもありました。
> ほっとしている反面、切なくなることもあるみたいです。

あーなんかそれって大阪の新世界みたいです。
わたしが子供の頃の新世界はほんっとうにアヤシくって危ないところでしたが、今やただの観光地ですもん。
一人で歩いても大丈夫ですしね。

> 映画『ヨコハマメリー』はオススメです!

うちの母は実物のメリーさんを見たことがある、というてました。
白塗りのメリーさん。彼女のことを思うと胸がいっぱいになります。
彼女はずっとハマにいたけれど、同時代の他の人たちは一体どうなったんだろう、と考えることがあります。
2011/01/21(金) 22:19 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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