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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

最近みた工芸品の美?三つの展覧会から?

今年はどうも二日に一度ずつくらいしか記事を挙げれない。
季節が移れば状況も変わるだろうが、今はこんなものだ。
感想を長々と書けるほどきっちり見れてない(=理解できてない)のがその原因かもしれない。なんにせよ、門の外に佇むものが覗いた程度では楽しめない、そんなこともあるのだろう。
書けなかった展覧会の幾つかを挙げてみる。

☆ルーシー・リー展(大阪市立東洋陶磁美術館)?2/13まで。
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梅田から機嫌よく歩いて中之島へ向かったが、行列してるのにはびっくりした。
さっむい日なのに老若男女のみなさん、文句も言わんと並んでいた。
わたしも並んだけど、外の行列の熱気はそのまま展示室に持ち込まれていたみたい。
少しばかり、特別に気に入ったものを挙げる。

緑釉鉢  くちべりの、鉄を思わせる重厚なメタリック感と、その下に広がる、深く鮮やかな緑の融合が見事だった。貫入の細やかな濃密さにもときめいた。
形自体はシンプルで、どことなく雲水の托鉢の碗に似ているようにも思えた。

後はやはりボタンが素晴らしいと思った。
極端な話、ここにあるどれかをいただけるとする、そうするとわたしはそのボタンに合う服を拵えるか探すかする、と思う。
こういうのを本末転倒と言うのだが。(ケストナー「エーミールと三人のふたご」人物紹介・「警笛のグスタフ」より)

☆夢みる家具 森谷延雄の世界展(INAX大阪)?2/17まで
東京で見そこねたので地元で見た。しかも会期ギリギリ。勿体ないことをする、と反省。
もっと前に見ていれば再訪できたのに。

家具デザイナー森谷の仕事のうち、彼が関わっていたものがあった。
京大の楽友会館と、画家の松岡壽邸である。

京大の楽友会館は、武田五一が基本設計だが、仕上げを託された森田慶一が大いに変更したそうだ。 そしてそこの家具が森谷らしい。
机は分離派的な見栄え。 談話室を写した絵葉書が三枚ある。全て手彩色。

‘25年には松岡壽邸の家具をたくさん拵えている。玄関ベンチ、書棚などなど。
松岡は「天地開闢」などの天井画で有名。

森谷は古代の家具史も調べている。膨大なるスケッチはどれもみな、大変細かい。
クィーン・アン様式、ヴィクトリアン様式などに分けて、丁寧な図説を拵えている。
雷文のイギリスの椅子などが特に面白かった。
これらは佐倉市美術館と松戸博物館所蔵など。

夢みる家具、とタイトルがついているのも肯わされるのが、三つのお部屋。
朱の食堂。三々九度の色をモティーフにしている。茶卓子は天板に市松模様がある。
眠り姫の寝室。ハート型をモティーフにしたベッド。どことなくグリコのオマケ女の子用のものを思い出す。
鳥の書斎。ああ、そうかと思わせるのが、森谷本人の自註。ワイルドの「ドリアン・グレーの肖像」冒頭シーンこそが、森谷のその心持ちを示している。
大正ロマンに満ち満ちた世界。木のめ舎というカンパニーから生まれ出た可愛い家具たち。
絵葉書は眠り姫の寝室の一部から。
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ところどころ表現主義的な様子も見えるが、当時の批判として耽美すぎるというのがあったらしいが、それのどこがわるいのかが、わたしにはわからない。
今の世に生きていたら、と少しばかり妄想に耽る。

綺麗なものをみると、綺麗な夢のなかにいる気になる・・・

☆華麗なガラス工芸「ガレ、ドーム、ミューラー、そしてティファニー展」(アートホール神戸)?2/28まで。
山寺後藤美術館の所蔵品が神戸に来ている。
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ガレの紫陽花花瓶は、速水御舟の描く紫陽花を三次元化したように見えた。
共に静謐で、それ自体で完結しているところが似ている。

正面に黄色地に赤い大花が咲き乱れる壺があった。牡丹か何かの大きな花。
ガレは実際に牡丹を見たのだろうか、シナでは「百花の王」と謳われた、あの豪華な花を。

レモン・イチゴ文コンポート。光が上からあたることで地にその絵柄が落ち、その影が広がる。檸檬と苺の本影。それを計算してガレはこのコンポートを生み出したのだ。

ユリと蝶ランプ。惜しいことにチラシでは、赤みの濃い黄色に見えるが、これは光を当てずとも美麗な姿を見せていた。
青ユリと蝶とが黄色い空間で、互いの存在をいとしむように配置されている。
その距離感がひどく魅力的だった。
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ドームの夕暮れあるいは残照の美しさを感じたのは、風景文花瓶だった。
ドームの作品にはいつも物語を感じる。

ガレ工房で学んだミューラー兄弟の自然風景、いずれもその前に自分が在ることの歓びを思う。ミューラー兄弟の作品は初めて「そうと思いながら」見た。

ティファニーの良さはわかっているが、ここにある作品は性質が少し他と合わず、ちょっと外れたようなこころもちになった。
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工芸品の良さを堪能できる美術展を三つばかりあげてみた。
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