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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

野間コレクションの真骨頂「四季の彩りと十二ヶ月図」

「四季の彩りと十二ヶ月図」野間コレクションの真骨頂。 
そう題された展覧会が野間記念館で3/6まで開催している。
野間清治が当時第一線の日本画家たちに「十二ヶ月図」を描かせた色紙群がある。
記念館の数あるコレクションのうち、その色紙だけで六千枚を越えている。
これまで折々それらが展示されてきたが、今回は特に中心として展示されている。
花鳥画、美人画、風俗画そして月次絵としての「十二ヶ月図」が並んでいる。

sun290.jpg
チラシ表は松園さんの十二ヶ月図。向かって右上から下へ一月二月、隣へ移り四月五月・・・
美人画家・松園さんの「美人画でない絵」は一月、四月、六月。三月の雛人形はどちらともとれる。
このように正方形の色紙の中に美しい世界が広がっている。
そしてそれは松園さん一人ではない。
これまで見てきた作品のどれ一つとして手を抜いたものはなく、大方はこの制約を楽しんでいたのでは、と感じる作品群、それが野間コレクションの真骨頂たる「十二ヶ月色紙」なのだった。

松園さんのこの色紙は、松園さんのほかの仕事と比べても全く遜色なく、それどころか「いつもとは違う」魅力を感じもする。
sun290-1.jpg
たとえば十月の女は江戸初期以前の風俗に見えるだけでなく、どこか「松園さんらしくない」愉しみを知る風にも見える。そしてわたしなぞは、そのあたりに魅力を感じもするのだった。

中村大三郎の十二ヶ月色紙は、月次風俗を大首絵の美人画で表現していた。戦前のモダンな時代に生きた美人、そんな彼女たちを飾る月次の喜び。
こういう楽しみもあるのを教わった。

チラシ裏には川井玉堂の十二ヶ月図がある。
sun291.jpg
漁村、農村、山村。かつての日本に点在した里山や河川に活きる人々が描かれている。
特に12月がたいへん好ましく思う。ブリューゲルの猟人は集団だが、玉堂の猟人は単独で動く。どことなく「なめとこ山のクマ」の小十郎を思いもする。
この絵は本絵でも似たものを見ている。玉堂は同じ構図の作品をいくつも描くから、そんな巡り合わせもある。
sun291-1.jpg

色紙は昭和初期から十年ばかりの間に集められたが、その頃の福田平八郎は後のパブリックイメージからちょっと離れた絵を描いていた。
しかし月によってはいかにも「福田平八郎」そのもののような小禽がいる絵もあり、丁度この時代が彼の過渡期だったのを思いもする。

たいへん心豊かに日本の十二ヶ月を楽しめる内容だった。
特に凄い作品というものはないが、一定以上の良さがある作品群の中にいられて、とても楽しかった。
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コメント
No title
飛行鬼と申します。

野間記念館というと、もう、丹下健三の傑作「東京カテドラル聖マリア大聖堂」ですね。
必ず、立ち寄ります。
2011/03/04(金) 23:31 | URL | 飛行鬼 #91CvM.Pg[ 編集]
Re: No title
☆飛行鬼さん こんにちは

野間の周辺には色々と見どころがありますね。
椿山荘の庭園、関口芭蕉庵などなど。
桜の頃には新江戸川橋のあたりも楽しいですしね。
2011/03/06(日) 17:42 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
ひょんなことで、関口芭蕉庵での小さな句会に参加したことがありました。
仕事が忙しくなり、半年ほどでギブアップしました。
2011/03/07(月) 14:02 | URL | 飛行鬼 #-[ 編集]
Re: No title
☆飛行鬼さん こんばんは

> ひょんなことで、関口芭蕉庵での小さな句会に参加したことがありました。

早稲田から野間や永青へ行くときあの前を通りますが、時々句会をされてる札を見かけては「・・・かっこいいな」と思ってました。
2011/03/08(火) 00:12 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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