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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

幕末大坂の絵師 森一鳳

大阪歴史博物館の特集展示「幕末大坂の絵師森一鳳」を見た。
「猿の狙仙」、応挙の高弟・徹山、そして一鳳と続く森派の系譜。
その一鳳の作品が集められていた。
京都画壇は今も活きるが、大坂画壇は戦前までの繁栄を、今に伝えることが出来なかった。

かれは藻刈船の絵で有名だった。
「藻を刈る一鳳」もぉかるいっぽう?儲かる一方、という言葉遊びから来ている。
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商都大阪では商売の縁起物が愛された。
言葉遊びにも秀でているから、この一鳳の藻刈船の絵は大いに愛された。
町人階級だけでなく、細川家のお抱え絵師にもなり、幕末の京都御所再建の折には襖絵を描いてもいる。
明治の初め頃に亡くなっているが、晩年まで多くの作品を生んでいる。

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チラシ右の孔雀は自分が止まる白梅の花をみつめ、左の白鸚鵡は絵を見る人に向かって笑いかけているように、見える。
どちらも愛嬌のある鳥たちだった。

幕末に生きた絵師だけに面白い風俗画があった。
御符図  慶応三年の作。この頃やたらと御符が天空から舞い舞いする、という事件があった。大抵はお伊勢さんのお札などである。
「ええぢゃないか」が流行るような混乱の世相の中、このお伊勢さんの御符図は実際に一鳳が見たものかもしれないし、単に流行ものを描いたものかもしれないが、面白い。

美人図  花魁の立ち姿。笹紅を下唇に塗りつけたおとなしそうな美人。どこの花魁かはわたしにはわからない。

瀧見観音図  立膝をした白衣観音さんが香を薫じながら瀧を見上げる。座布団代わりの藁はほわほわしている。横姿というよりちょっと背後も見えるような構図は、瀧見李白に多いのではなかろうか。
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猿図  猿のソセン(祖先ではなく狙仙)をセンゾに持つ(ただし養祖父)一鳳だけに、可愛い猿を描いていた。目、耳、口を塞ぎ、正面向きの体を丸める猿。三猿をいっぺんに演じている。一人三役でエンずる猿。なかなかこんなのは見ない。

他にもどうぶつ画がある。
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鹿に若松図と白狐図。どちらも体つきのしっかりしたやつらである。
この画像の配置だと鹿がキツネをみつめるような感じがするが、無関係な二者である。
とはいえ鹿は何を見るのか。
そして仄かな暗さの中に佇む白キツネは何を思うのか。

月次ものがある。連作なのか偶然なのかはわからない。説明はなかった。しかし並べ方を見ると、連作物のようにも思われる。
若松山図、立雛図、香魚図、水郷一軒家図、満月図、雪中泊船図・・・
他にも風景画を集めた帖が出ていた。
浪華勝概帖と題されたもので、これは一鳳だけでなく他の絵師も描いたものを集めた帖。
天保山、住吉さん、夏祭、野田藤などなど・・・
幕末の浪花を楽しめる帖だった。

こうした機会をどんどん作って、忘れられた大坂の絵師たちを顕彰し、展覧会を続けていってほしい。
4/4まで。
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