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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

竹久夢二 図案と装飾展

弥生美術館に併設する夢二美術館では「図案と装飾」展が開かれていた。
夢二は美人画もいいが、童画や図案にひどく名作が多い。
ヒトによっては美人画よりもこちらの方がいいと言う向きもある。
わたしなぞも夢二美人より却って図案に惹かれることがある。

夢二は千代紙の図案を拵えているが、それは自らの店「港や」で販売もしたが、当時栄えた大阪・平野町の柳屋、京都のさくら屋、そして今も繁栄するいせ辰にも版木があるらしい。今度、いせ辰で夢二の図案の千代紙を探してみようと思った。

雑誌の付録にも夢二はいい作品を生んでいる。
わたしの大好きな「パラダイス双六」が今回も出ていた。
img610.jpg
本当に大好きで仕方ない。いつかここに行きたいと絵を見る度に思っている。

今回は他に家族双六、お伽双六があったが、家族双六はなかなか笑えた。
なにしろ15がクリスマスで上がりなのだが、その直前の14では「すす払い。お父さんは一回休み、お母さんは疲れていたら上がりへ」・・・笑ったなぁ。
こちらはお伽双六。sun327.jpg
今回初めて絵はがきに気づいた。
おとぎの国巡り、という割にはなかなか寒いコマがある。
「山のおばあさん どこへ行ったかおばあさん、あとに狼 おおこわい」
赤ずきんではなく、日本の少女が言うと「山の人生」や「姥捨て」や「やまんば」などを想像する。
sun327-1.jpg

明治にはウサギ、万年青、絵はがきの三大ブームがあった。
それで夢二も「月刊夢二カード」「月刊夢二絵はがき」を刊行しているが、なんとなくかっこいいネーミングだと思う。

カードなのか「日本の浅春」というステキな作品があった。
右側には梅花の下の女、左には大きな蝶がたくさん浮かぶ中に佇む少女の横顔。ピンクのセーターの少女はうっとりと蝶をみつめている。
とても綺麗な構図だった。

夢二は本の装丁も数多くしているが、全集ものもデザインしていた。
婦人の友社から出たフレンドライブラリーという少女向け全集で、箱のレタリングがよかった。手書きの味わいがあるタイポグラフィ。
単行本の装丁では今回初見の長田幹彦「地獄」が目を惹いた。
紅地に白梅と青い枝が所狭しと描き込まれた表紙。こうしたときに夢二の意匠力を感じる。

続いて夢二が表紙絵を飾った雑誌たちが一堂に会していた。
先ほどまで見ていたカストリ雑誌とは全く異なる、愛らしい絵ばかりが集まっている。
「若草」は亡くなる前まで描き続けていた雑誌で、美人画もあるがそれ以上に可愛らしい図案そのもので飾っているのが目に付いた。
「女学生」「小説倶楽部」「蝋人形」「民謡詩人」(昭和初期、新民謡運動というのがあった)「女学世界」「中央文学」「婦人グラフ」・・・。
中でも「婦人グラフ」は今日でも人気の作品で、わたしも好きな絵が多いが、夢二はこれらを描くにあたり、アールデコの雑誌から構図を得ていた。
「淑女画報」表紙絵は可愛いものが多かった。
大正14年には夏と冬にいい絵が出ている。
睡蓮が大きく咲く池、満月を背景に木に止まるミミズク・・・こうした絵にわたしは惹かれる。
あとは「セノオ楽譜」シリーズがずらずらと並んでいた。
「カリガリ博士」の影響を受けて描いたものや、バレエ・リュッス風なものなど、様々な面白味にあふれている。

大いに楽しんで美術館を出て行った。
次は4/1?6/26「夢二 花をえがく、花をうたう」と「藤田ミラノ」展。
ちなみにチラシがいつものB5ではなくA4サイズなのも新鮮だった。
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