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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

藤田美術館「季節を愉しむ2 春から初秋の美術」

藤田美術館の春季展「季節を愉しむ2 春から初秋の美術」を見てきた。
二階へ上がると、静かな空間の中に古寂びたガラスケースや展示空間が広がり、いつものように黙って出迎えてくれた。
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応挙 中大原女左右菜の花綿花図  ほわほわした綿花に薄黄色い蝶。わたしが最初に見た「綿花」は「カムイ伝」での農民たちの収穫シーンだった。あれが随分心に残り、それから今になっても綿花を見ればその情景が浮かぶのだった。
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古染付桜川平水指  江戸時代、これらは「南京染付」と呼ばれたそうだ。染つぶしと白抜きで花の濃淡を示し、本当に日本人好みらしさがある。実際、とてもいとしい。チラシの上の。

玄奘三蔵絵 第1巻 第1段  小さい頃からカシコい玄奘くん。親から講義を受けてる間、座しているのは失礼に当たる、と・・・。更に他のちびがチビらしく機嫌よく遊んでるのを目もくれず、ひたすら思索にふけっている・・・。正直、こんな子どもはいやです。
立派な邸宅。チラシにもなったシーンは第二巻。この奇岩は噴水でもある。なんだかこんなのがある庭園へ行きたくなってきた。
わたしが見た一巻では、この邸宅の外でアヒルが泳いでいた。ミヅラに結うた玄奘くんはカシコそうでも、おそばの者たちはそれぞれ。転寝するものもいるし花を見るものもいる。
色んな人々の描写が楽しい。

砧青磁浮牡丹龍環耳花  いかにも元代の砧青磁。この深く厚い濃さがいい。浮き彫りが釉薬で固まっているくらいなのが、却って綺麗に見える。

十二ヶ月図 狩野探幽  姫路の殿様の弟君だけが定家の歌を絵にしたわけではないぞ、というのをとちょっと感じたり。春の絵が出ている。
藤に雀は三月、卯の花に杜鵑(ああ、夏は来ぬ)、橘にクイナ。それぞれが品よく納まっている。
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藤花狗小禽図 長澤蘆洲  芦雪の養子。ちゃんと絵の命脈は受け継がれている。わんころたちの可愛いこと。いい位置に文鳥?がいるのもいい。くつろぐわんころたち。これが猫なら「文鳥、危機一髪図」になる。

藤熨斗桜草文長絹  絽にキラキラ・・・・・お能のどの演目に使われたのだろう。

祥瑞砂金袋共蓋水指  祥瑞大好き。わたしはとにかく染付は「濃み」でないと。叭叭鳥たちがワイワイ集まっている図も達者。色の濃淡の綺麗さにときめく。いい染付だ。  
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黒楽茶碗 「まこも」長次郎/黒楽茶碗「ホトトギス」常慶  このシブい空間で見ると、心にピシッと来るものがあるな。普段は華麗なノンコウばかり愛しているが。

花蝶蒔絵挾軾(カチョウマキエ・きょうしょく)と読む。正面に置いて使う脇息らしいが、これを正面に置いて使うとは、まぁあんまり行儀の良さそうな状態とは思えませんね。
チラシ真ん中。平安貴族の日常品なのか。蝶柄が可愛い。

一階へ。

祭礼図屏風  かつての祇園祭は前祭が6/7だったそうだ。右隻はその前祭、左が6/14の後祭。明治十年から現行の七月になった。
型押しの金雲の下、巡行する山鉾を眺める群集。その右5面に面白い情景発見。
長刀鉾前に坐す二人組がある。左の髭の男が右に坐す、色白の若い男の膝に手を遣っている。若い男は笠で顔を隠しているから表情はわからないが、嫌がるそぶりもない。
ほかにも、僧体の男が畳を持ち出して見物しているが、その左右に少年を侍らせていた。
その肩を抱いているところがはっきり。屏風全体に女性の姿が少ないのがまた意味深で・・・。
                  
梧桐小禽図 伝 玉澗  青桐とイカルという鳥。院体画。イカルの嘴の大きさ。             
朝顔小禽図 駒井源  1795年に描いたそうだ。朝顔の青さが濃い。シジュウカラたちの乱舞。

古今和歌集断簡  粘葉装でっちょうそう。たいへん綺麗な料紙。紺地金泥で夜景。
歌は七夕にかこつけた戯れ歌。

銅製笹蟹蓋置  細蟹=小さい蜘蛛。転じてササガニ。更に蜘蛛の糸は織女との縁がある。言葉の変容が面白い。本体は笹の下に蟹がいる形。器用な作り。

両部大経感得図(善無畏)藤原宗弘  これと対の絵は昨秋展示されていた。お堂を訪ねると、中にぎっしりホトケサマたち、という絵がそれ。
こちらは塔の外で、塔を見上げながら休む三人。宴会はジシュク中か。
 
茶杓 銘 藤の裏葉/東方朔 千利休  「く」の字に曲がっている。蟻腰。櫂先もくっきりしている。
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交趾桃香合 銘 みちとせ 上の別銘「東方朔」は西王母の庭から三千年(みちとせ)の桃を盗んで食べたという逸話を持っている。この濃い黄色の香合と取り合わせて、茶会で活躍したのかもしれない。そんなことを考えるのがとても楽しいし、それが古美術を展示する美術館の醍醐味なのだった。

他にも可愛らしい香合がいくつも出ていた。
青磁桃香合(青と緑と黄色の取り合わせ)、牡丹唐獅子蒔絵香合(花喰い)、車胤蛍学図蒔絵平香合 小川破笠(蛍の光がピカリ。螺鈿)、冊子形香合 野々村仁清(朝顔の絵がついている)、堆黒周茂叔一文字香合、染付兜巾茄子香合(小さくて可愛い)・・・

梶葉七夕蒔絵硯箱/梶葉七夕蒔絵文台  短冊にウサギと芒が描かれていた。「七夕」の文字も見える。梶の葉が舞い散る水面。

玄奘三蔵絵など一部展示替えあり。6/12まで。
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2013/09/09(月) 09:45 | | #[ 編集]
はじめまして
☆--さん こんにちは

藤田で当時販売されたリーフレットです。
二年前だからまだあるかどうかはわかりません。
応挙は本当に作品が多く残されていて、たくさん見たつもりでも
「あっ初見!!」というのが少なくないですね。

2013/09/09(月) 16:18 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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