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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

長沢芦雪 奇は新なり

MIHOミュージアムまで行くのには根性がいると思う。
石山駅までは新快速でスイスイと(・・:)行けるが、そこからバスで50分かかるのだ。
バスで50分、である。わたしにはかなりムツカシイ、苦しい選択しか残されていないのだ。
がんばって乗っても混みに混んでるから空気が足りない。
空気の良いMIHOさんの山についた頃にはもぉぐったりである。
わたしの場合、一人で行くとアウトなのはそこらに由来しているのだった。

芦雪展を見に行く。
がんばって見に行った甲斐のある展覧会だった。
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チラシはこのように再発見された「方寸五百羅漢図」をメインにしているが、見終えたわたしの感想は一言「わんこ、わんこ、わんこーーーーっ!!」である。
なんて可愛いんだ、わんこの群!唐子の奴らも可愛い!ゾウさん、スズメ、虎!
ドキドキしたなぁ。
こういうところに芦雪の良さがある!と断言するわたし。
見たもので特に好きなものを列挙しよう。(作者名がないのは全て芦雪)
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猛虎図  応挙ガオー! 芦雪はノドかいてるニャー ・・・というような師弟二枚の絵が並んでいる。 

楊貴妃図 源  前期のはずだけど出てたのが嬉しい。侍女に支えられる楊貴妃。京劇に「貴妃酔酒」という演目があるが、そうではなく長恨歌の一節を絵にしたような。

菊慈童図 目のバランスがわるいわりに、はっと衝かれる美少年ぶり。気品ある端正さがそんなささいな瑕を隠すのだ。少年は小さい崖に立ち、その足元に白菊がある。
多くの菊慈童を見てきたが、この少年は特に美童だった。

一笑図 竹に犬がそれ。「竹」+「犬」=「笑」。 「二人の人」+「二本の竹」=「天竺」。わんこら愛らしく、遊んだりたいと思った。全く芦雪のわんころたちは並々ならぬ可愛らしさがある!

岩上猿・唐子遊図屏風 カラフル蔦紅葉。薄墨絵の猿の顔つきがいい。「猿の狙仙」のサルとはまた違う、ヒトを食ったような奴ら。
唐子らがわんこと楽しそうにしている。1セットで二種類楽しめる屏風。

七福神図 小舟の上でみんなご機嫌さん。布袋は船べりにもたれて居眠り、大黒さんは大盃をグイーッ。弁天さんがお料理に箸をつけている。えべっさんに釣られる鯛はちょっとオコゼ風。鶴も童子も乗ってるけど、鹿がいませんな。毘沙門、寿老人、福禄寿もみんな楽しそう。得意そうなえべっさんの顔つきがいい。
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隻履達磨図 ヤサグレてるように見えてなりません。 先の七福神もそうだけど、「アフロ田中」シリーズののりつけ雅春の絵ってもしかすると芦雪に似てるのかもしれない・・・

酔李白図 端正な寝顔は、さすが詩の大家だけに絵になるが、酔っ払いは酔っ払い。ひっぱり上げる童子も大変。起きんかいな、センセ!

鍾馗・蝦蟇図 わりに大きな絵。右に鍾馗、左に蝦蟇。子供向けナビゲーターの唐子くんたちのコメントが楽しい。

仔犬図屏風 江戸千家・川上宗雪所蔵ということだが、こんな可愛いわんころをお持ちとは、なんと幸せなことか!カワイイの何のって・・・!!絶句するね。おなか見せてキャンキャンなわんこもいれば、シャチホコするわんこもいる。もぉ本当に撫でて撫でて撫でまくりたい!
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巳図 およよ、アタマの大きいみーさん。コブラのようです。

蛍狩図 家族で水辺に。汗取りの布を着物の襟につけている。女児は中に腹掛けをしている。男児が「金」マークの腹掛けをするのはよく見かけるが、女児も使ってたのか。ちょっと前の中国では女のヒトも腹掛けをしているが、まぁみんな冷やすのはよくないわな。

長春群禽図 地に雀の学校が。それを文鳥がフーンと眺める。上には「長春」の花が。この絵は数年前の奈良県美「応挙と芦雪」でも見た、楽しい一枚。

一笑図 同志社大の所蔵するわんこたち。いいなー、本当に可愛い。

牧童吹笛図 お得意な図ですな。芦雪は牛が大好きなんだろうか。牧童は賢そう。

七福神 酔余の一作で、爪と指で描いたらしいが、たいへん巧い。余興とは思えない。

青楓啄木鳥図 フルカラー。「赤ゲラ」という感じがする。

唐獅子図屏風 佐賀県立美術館に住まう白い魔獣!迫力満点!白い野獣が唐獅子だと気づかない人も多いかも。なにしろツラツキも凶暴だからなぁ。

白象唐子遊図 巨大なゾウさんが寝そべるのへ、大勢の唐子たちがわらわらと寄ってたかって遊んでいる。子どもら一人一人描き分けている芦雪。可愛い。
チビの弟を抑えるにいちゃんや、ゾウさんにわらをあげる坊や、登って楽しそうな子供ら。
これを見ると自分も動物園に行ってゾウさんを見たくなってくる。堀内誠一の絵本「ぐるんぱの幼稚園」を思い出した。ゾウさんはやっぱり子どもみんなのアイドルなのだ。
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蛍狩りをする唐子たち、ちび兄弟のお兄ちゃんが弟をかばうのが可愛かった。わんこはその後ろに心配そうな顔を見せている。わんこと男児はいい組み合わせだなぁ。諸星大二郎もそんなことを描いていた。

群龍図 大原美術館に住まうとは・・・!20頭?20匹?くらいいた。顔ばかり見えるけど、これで胴が一つならヤマタノオロチ(八つ頭)を抜いて世界チャンピオンになるな。そない広くもない空間にみっしりおる竜たち。・・・アタマをどついて回りたくなった・・・!気分は殆どモグラ叩き。あっモグラは土竜だったな。

山姥図 遠山記念館の方を見た。こちらは月下の丘に坐す山姥。左のやや高い丘の上に生える松を逆光にする満月。これは頴川の「山月図」と同じ手法。
歯茎が怖い山姥だが、花柄の襦袢を着ているのは可愛い。
展示換えでいなくなったが、厳島神社の山姥図は金太郎関係の婆さん。

熊図 墨の濃淡だけでクマの毛並みが表現されている。このクマは可愛いが、賛にはなにやら暗いことが・・・。

蝌蚪図 字を見てもオタマジャクシとはなかなか!ときませんわな。こんな難読字は覚えるしかないのだ。儒学者の皆川淇園の賛が入っている。
朧月図 こちらも皆川淇園賛。満月の朧風味なのが(!)いい。皆川淇園は芦雪の師匠・応挙とも仲良しさんで、先般府中市美術館の「江戸の人物画」展では自分の愛妓のリアル肖像画を応挙のそれと並べて描かせているのを見た。

方寸五百羅漢図 裸眼で見えた。虎に白象、わらわら羅漢、松。まだまだ見えるぞ。
ラカンをラガンでガンミ。
そのコーナーの出口には往時の天眼鏡があった。いや、なかなか楽しいもんです。

明るいココロモチで見終えてからは、数ある常設の内、特に好きなガンダーラ系と古代中国とを回ってから帰った。
早い時間なのでバスも空いていて本当に助かった・・・。

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