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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

色鍋島・藍鍋島

大阪市立美術館の特別陳列は「漆をたのしむ」だけではない。
「色鍋島・藍鍋島」というこれも美麗な世界が展開している。
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もう一件「中国石造彫刻400年」もあるが、こちらはちょっと措いておく。
大阪市立美術館ではこのたび田原コレクションを寄贈され、その記念として名品を展示している。
'03年秋にその田原コレクションのうち70点ばかりを「色鍋島の美」として特集陳列して以来の展示ではなかろうか。
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7月初まで根津美術館で「肥前磁器の華」展が開催されていたが、これに行き損ねた恨みは、今回の大阪市立美術館の陳列を見て、癒えた(ように思う)。
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たいへんよかったからだ。
また解説に「類品は△△美術館に所蔵」などと丁寧で、ソソラレる文があるので、いよいよ良かった。リストにはサイズと外側面文様・高台文様や年代の記載もある。
実際の展示では、初期から盛期、そして終焉へむかう状況がのぞめた。
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元から鍋島への偏愛がある。
それだけに何もかもが好きと言うのではなく、好きなものと無関心なものへの視線の落差が激しい。
名品だろうが逸品だろうが、自分の好みに合わなければ「ああ、さすが鍋島」だけで終わってしまうくらい、偏っている。
そんなだから、今回の120点弱の展示のうち、ゾワゾワしていたのは数点に過ぎないのだが、それはわたしの勝手で、実際にはいい作品がずらりと並んでいた。
特に気に入ったものの名を挙げてゆく。
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色絵芥子図木瓜形皿 白抜きの牡丹が真ん中縦に浮き上がって見えた。面白い造形感覚が気に入った。

染付尾長鳥図皿 五羽の尾長鳥が飛んでいる。ダミ染ぼかしがきれい。外側面には海面図がある。鳥は海を渡ってゆくらしい。

染付薄瑠璃群鶴図皿 まるで三美神かモデルかのような立ち姿を見せる鶴たち。
牡丹唐草文の這う外側面の薄瑠璃色がたいへん艶やか。

色絵桜樹図皿 七寸皿がいちばん鍋島の色絵を綺麗に見せるサイズだと思う。満開だがとても静かな桜である。

色絵紅葉流水図皿 波に紅葉が落ちかかるが、その波は激しいうねりを見せている。さらに落ち行く先には渦巻く潮がある。

青磁色絵山帰莱図皿 サンキライには棘がある。サルトリイバラの別名を持つ。青磁に朱の線で描かれた植物。不思議な可愛さがある。シンデレラのかぼちゃのような。

染付椿樹図縁皿 これは染付だから青い椿の図である。色絵のものはサントリーなどでもよく見かけるが、非常に愛している。こちらの染付版もいい。魅力的な図柄。

染付姫椿欄干図皿 中国風な欄干。白椿が伸びるようにそこへ・・・この頃の鍋島は非常に描写がいいものが多い。

水仙、藤袴、蔓薔薇などの植物をモティーフにした絵柄などは、とても可愛らしい。
鍋島焼を見ていると、「鎖国も悪くない」と強く思ったりもする。

色絵青海波桜花籠図皿 上から桜か散り落ちてくる・・・以前から好きは好きだが、なんとも言えず不思議な情景だと思って眺めている。「花の降る午後」とはこんなものかもしれない。

色絵枝垂桜図皿 地が薄青のため、枝垂桜に夜の足音が近づいてきているようだった。
花が本当に咲くのはその後なのかもしれない。

青磁染付青海波椿繋文皿 こちらも好きなお皿。とても可愛い。この頃が絶頂で段々と終焉に向かいつつあるのか。

時代が下がり、後期に入ると、だんだんと面白味がなくなってくる。

色絵金彩梅樹図皿 京焼の近藤悠三の仕事のようだと思った。清水にある美術館に紛れ込んでもわからないかも・・・

青磁大根文皿 水底に沈むような風情がある。釉薬の濃淡の美に強く目を開かされた。
まるで深淵をのぞいたような心持になった。

染付透彫牡丹図輪繋稜皿 これは仁清の水玉透かしに似た作品だった。
明治十年の作。最後の輝きがここにあった。

いいものを見て歩くと、それだけで幸せになる。9/4まで。
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コメント
鍋島と九谷
ワタクシ、けっこう九谷が好き(と気がついたのは、いいなあと思うのが九谷が多かったからです。同じようにスポードも
好きですね)
でも、色鍋島もいいですねえ。色鍋島ファンの友達が結婚式
のひきで物に特注したお皿しか持っていませんが。
一度じっくり展覧会をまわってみたいものです。
2011/08/14(日) 05:20 | URL | OZ #-[ 編集]
こっちは絵葉書ないの、天竺とは違って。残念。
☆OZさん こんばんは
九谷焼の緑がまた凄い魅力的なんですよね。

わたしが鍋島好きなのは、よく言えば繊細、わるく言えば小さくまとまっている・・・そこが気に入ってるんです。
柿右衛門や伊万里のようなグローバルさがなくて、完全にドメスティック。
九谷焼は絵柄の題材が意外なくらいアジア世界的だな~と思ったりします。
やっぱ磁器はよろしいなぁ。
2011/08/14(日) 23:19 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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