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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

第63回 正倉院展

今日は秋の恒例の楽しみ、正倉院展に行った感想を書く。
学生の頃から毎年秋になると出かけている。
そして最初に行った時から今に至るまで、正倉院展にゆくと、なにかしらいいことがある。
些細な喜びがついて回るということだ。
それもあって、毎年必ず出かける。
今年はあまり華やかな宝物は出ないと聞いていたが、その分資料が多く出ていたような気もする。

きらびやかなものと言えば、金銀鈿荘唐太刀がある。
これは間近で見る人と遠目で見る人とに縄で分けられていた。
そこまで間近で見ずとも、少し離れた縄の際からでも楽しめた。
たいへん繊細な作りの装飾で、古代の技術の凄さを改めて思い知る。
この剣について、つい最近面白い話を聞いた。
40年ほど前、この宝剣の模型キットが売り出されていて、当時女子大生だった知人が、ちまちまとそれを拵えあげたそうだ。
「嫁入り道具の中に入れてたわ」と彼女はおっしゃる。
すごいなぁ、なんだか大ウケした。
sun966.jpg
さてこのチラシは奈良博のもの。背景に碧地金銀絵箱の図柄を配置している。
花喰鳥のモティーフがある。

こちらはその絵箱をメインにしたチラシ。たぶん新聞社のチラシ。
実物はやはり可愛らしかった。手のこんだ仕事ぶりが見て取れる。
sun961.jpg

伎楽面「酔胡王」の頭に乗るのはムササビなのか。なにか小動物がえらそーにこちらを見ている。

縹纐纈布袍 シマシマの配置がかっこいい。斜めというのがシブい。こういう派手なのは当時はどう見られていたのだろう。

蘭奢待が現れた。厳重なガラスの中に横たわる木。だれそれが切り取った、という付箋がついている。匂いは全くわからないが、そんなにも惹きつけるものなのか。
今はこの木の仲間はどうなっているのだろう。

sun963.jpg

七条織成樹皮色袈裟 これは聖武天皇の出家後の袈裟。当時のものは襤褸に近くなっているが、それを天皇陛下より下賜された日本茜と皇后陛下からの蚕で、龍村美術が再現したものが展示されていた。
非常に魅力的な袈裟だった。樹皮風な佇まいが本当にステキだった。

紅牙撥鏤尺は久しぶりにしみじみと見た。
今回チケットにもなっている。
sun965.jpg
裏表の絵柄が違うのもいい。
上段の華と小禽の連続文様もいいが、下段の「逃げるトリ・キツネ・シカ」がいい。
誰に追われているかというと・・・
はい、シマシマの親分たる虎でした。
sun963-1.jpg

繧繝とはグラデーションのことなのだった。
畳の縁だけでなく、褥の縁にも使われている。

東大寺山堺四至図 これはかなり面白かった。
東大寺の境内図というか寺域の地図。sun962.jpg
囲われているのは大仏殿。新薬師寺や林なども描かれている。
こういうものを見るのはとても面白い。

今回いちばん気に入ったのが、この鏡。
十二支八卦背円鏡 sun964.jpg
正倉院の鏡の中で再重量らしい。つまみに通す赤い布や鏡を入れる箱もあったが、やはりこの鏡がいちばん面白い。真ん中のつまみは獅子ではなく、完全にライオンの態を見せている。眠たそうなライオン。伏せのポーズ。四神のレリーフの周囲に十二支の動物たちがいるが、全員が追われて走っている様子を見せていた。
虎や馬は走るのも早いが、あの蛇もにょろにょろとがんばって走っていた。
猿はニホンザルでも中国猿でもない、ハヌマーンとでも言いたくなるような姿を見せていた。なんだか楽しそうなおっかけっこの鏡だった。

密陀絵雲兎形赤漆櫃 両サイドには孔雀が描かれ、表の面と背面に、花樹を中に向かい合う、羽つきウサギの図がある。ウサギはなかなか表情もはっきりしていた。
背中の羽根はなんだろう、いったい。

最後に光明皇后の五月一日経や称徳天皇勅願経などもあり、見過ごせない面白さがあった。
毎年のこととはいえ、やはり正倉院展に関わる人々の大変さなどを思いながら、楽しませてもらった。
11/14まで。
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