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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

手仕事 芹沢ケイ介、眞葛焼、鎌倉彫、竹と民具

手仕事のいいものをいくつか見た。
 
松濤美術館に芹沢ケイ介展を見に行った。
ケイ介のケイは金編に圭だが、字がきちんと出るかどうか。
今回の展示は染織家の宗廣陽助氏のコレクションから。
静岡に芹沢の記念美術館があり、また大原美術館にもコレクションがあるが、こうした形で芹沢の仕事を見るのは滅多にないので、楽しみに出かけた。
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民芸運動に関わっただけに、手仕事の尊さを世に大いに示した。そのありようを松濤で見る。
展示品は見やすいようにと多少低い位置に配置されているが、その分監視員の目が鋭く、よく動いている。
リストも見あたらなかったし、メモるのも控えていたので、記憶だけで書く。

沖縄の伝統的な染色・紅型に衝撃を受けて芹沢が染色の道に進んだというのは、大原で教わった。
仕事の数が多いので、ここにある屏風や着物、暖簾に大原と同じものは見受けられなかった。

尤も、「春夏秋冬」の文字デザインや「いろは」屏風は他でも見ているから、やはりこのあたりは人気の作品なのだと知る。

わたしの好みと言えば滝柄暖簾。これはいい感じだと思う。家にかける予定はないが、こんな暖簾があるのはいい。

沖縄の民俗に強く惹かれる人は二期に分かれていると思う。この近年と、戦前と。
「沖縄風物」は戦後すぐの仕事だが、若い頃に見ていたものが作品になった、そんな感じがする。
チラシにあるのは「魔除けのシーサーと道行く人と」。タイトルは「往来屋上魔除けの獅子をしいさあと云」。
このタイトルに時代を感じる。

着物が色々釣られている。どちらかと言えばわたしの好みではないが、仕事の丁寧さ・発想の豊かさを感じる。
・・・わたしは技巧に技巧を重ねた作りのものや工業製品が好きなのだった。

ガラス絵があった。これは初めて見る。
小出楢重のガラス絵はよく見ているが、芹沢のそれは初見。ガラス絵は浜松美術館に幕末の頃のがあると聞くが、静岡出身の芹沢はそれを見ているのかもしれない。
ガラス絵はキャンバスに描く油彩画と違い、絵を描く順というのがあって、塗り間違えると、取り返しがつかない。
飾られた絵はどれを見てもこったものだった。

チラシ表の「みのけら図屏風」を見る。
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左側の黒に白のはパプアニューギニアの仮面に似ていると思う。これは首から下につけるものだが、襟が仮面に似ているのが面白い。

「いろは屏風」はいろは48文字それぞれに、その字のついた動物や道具を配している。「す」には雀という風に。
このあたりは安野光雅さんのご先祖というところだ。

なかなか面白い展示が揃っていた。
それらを集めた宗廣さんも偉い。
11/20まで。

次に神奈川県立歴史博物館の特集陳列「鎌倉彫と眞葛焼」の感想を少しばかり。
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数年前に「ハマ焼き」展があった。そのときに見たのがこのにゃんこ。可愛い。
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京都から始まった眞葛焼が輸出品「ハマ焼」として人気ものになったのは、やはり明治という時代を背景にしてのことだと感じる。
初代宮川香山はリアリティあふれる作りモノを貼り付けた花瓶や壷を拵え、二代目は優美なグラデーションを見せる作品を生んだ。
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高浮彫という技法でこのようにカニや鳩や鶉などを拵える。にゃあとした猫は可愛くて、いつ見ても撫でたくなる。

実際に使うと言うことはないだろうが、これらを見たときの外国人の喜びは大きかったろう。
家やオフィスで大事にされて、百数十年後の今こうして元気な姿を見せるものもあるだろう。


鎌倉彫は鎌倉幕府が開かれ、禅寺が数多く建てられたことで生まれた工芸品だった。
直接の先祖は明の堆朱・堆黒で拵えられた仏具だが、鎌倉彫は親御さんと違って、比較的簡易に製造できるそうな。
現在も鎌倉彫の作品を見かけるし、それから派の分かれた軽井沢彫もついこないだ見たばかりだ。
仏具から一般の人々の手にも入るものになったのは、やはり江戸時代かららしい。

ぐりぐり文の香合などは今見てもとても可愛らしいし、椿柄も多くあって、なかなかのものが多い。

椿文笈がある。これは以前大阪歴史博物館の展覧会でも見たが、同一品ではなく、兄弟品だと思う。
椿文様の笈は好まれたのだろう。

今も鎌倉の人々を中心に愛される手仕事だと実感する。

どちらも12/27まで。

この「鎌倉彫と眞葛焼」を見たとき、特別展では「竹と民具」展が開かれていた。(11/6まで)
入ったとき丁度展示品の解説が始まっていて、それについて歩いた。
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竹は本当に日本だけでなくアジア全域の人々を助けてきたと思う。竹を使った民具は本当に無限にある。今回の展示を見て強く思った。

何でもある。水筒、花瓶、筆、箒、物差し、馬連、籠、笊、柄杓、ササラ、茶筅、草履に下駄もある。
麻雀の牌もいいものは竹を使っているらしい。
まだまだいくらでもある。
飯櫃、お箸、竹串、弁当箱、団扇、火吹き竹、熊手、箆、魚籠、水鉄砲、竹トンボ、竹馬、竹槍、燭台・・・
「竹」冠の文字が多いことを思っても、やっぱり竹というものがいかに生活に密着しているかがよくわかる。

神事にも竹は使われる。
神酒口というのがあった。チラシ真ん中の飾りがついたものがそれ。用途は知らないが、まるで水引きのようにクイクイと曲げられ、飾りもついている。
それも高砂、万年青、月見ウサギ、宝船、橘、つるかめなどのようにめでた尽くしばかり。

えらいものだ・・・
建築にも竹は活躍する。中国語圏では建築現場の足場が竹なのを実際に見ているが、よくもまあと思いつつ、竹の柔軟な強さがそれを可能にするのかと納得もする。
ほかにも網代があるが、これも組み方が何通りもあって、初めて見たものもいくつかあった。
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手仕事は本当に幅広いものだと思った。

今日は手仕事の面白味を教えてくれた展示の感想を四つばかり書いたが、見てるときの楽しさが伝わればいいなと思った。
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コメント
お久し振りです。
すっかりご無沙汰してました。
毎度の事ですが、遊行さんのブログを見て、
地元神奈川の美術館や博物館が何を開催して
いるのか知る私です。眞葛焼き、すごいですねぇ。
じつはあんまり実物を見たことがありません。
久々に県立博物館へ行ってみようかな?

先日はチケットありがとうございました。
ありがたく使わせていただきます~~♪
2011/11/14(月) 08:59 | URL | えび #-[ 編集]
まいどです。←大阪的挨拶
☆えびさん こんにちは
あの眞葛焼は可愛いですよ~~ぜひぜひ。

なかなかえびさんとお会いできなくて残念ですが、年明けにでも又お会いしましょう。
遊ぶネタには困りませんよ~~

チケット、楽しんでくださったら嬉しいです!
2011/11/14(月) 17:03 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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