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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

鎌倉x密教

鎌倉国宝館で開催中の「鎌倉x密教」は見応えのある展覧会だった。
チラシは明王院の不動さま。sun989.jpg
コワモテな顔つきに、巻き毛の、やや肉付きのよいお姿である。
大日如来の化身たる不動明王もずらりと並んでおられる。
密教においては大日如来が教王で、不動明王はその化身、ということらしい。
わたしはあんまり仏像を「彫像」としては見てこなかったので、何にも知らないのだが、木造や銅像の大日如来を見ていると、京都のそれとは随分違うなと感じた。
無論京都のそれとは時代も拵える作者も違うから当然なのだが、その違和感が不思議な面白味に感じられた。

さてその不動明王像はあちこちからここへよりつどっておられる。
遠くは三井寺からも。
大山寺の不動明王を見て、「ああこれが<大山詣で>の」と思った。
何しろオオヤマというのが長らくわからなかったのだ。
わたしは関西のニンゲンなので伯耆大山(ホウキ・ダイセン)という霊山しか思い浮かばないのだ。
「暗夜行路」の時任謙作だって最後は伯耆大山に登ったぢゃないか、と思いつつ。

セイタカ・コンガラの二人がセットで付いた像もあり、やっぱり一人のより三人セットの方がいいと勝手に決めている。
炎上する親玉と紅白の子分たちと。時々竜もオマケになる。

鎌倉五山も満足に訪ねていないから、当然他のお寺にも無縁に近い。
行ってもせいぜいお庭探索くらいでサヨナラしている、フラチなわたし。
様々な菩薩、如来像を見て歩くと、そこからまた自分の嗜好に合うホトケ様に出会ったりもする。

素晴らしい、と感じたのが来迎寺の如意輪観音。これは非常に艶かしく豊かで、ねっとりした匂いまで感じるような、魅力的な仏像だった。
ところが惜しいことにこのチラシの画像では、そのねっとり・もっちり感が出ていない。まことに残念ではある。

以前から好きなのが巨福呂坂町内会が保存していた、ゾウさんカップルの歓喜天立像。これは最初見たとき「ザッキンぽい」と思ったのだが、今回もやはり「ザッキンしてる~」と思った。
南北朝時代に何があってこのコブクロ坂の町にザッキンなカップル像が生まれたのだろう。
sun990.jpg

愛染明王も五島美術館の名品と、鎌倉青蓮寺のそれが並んでいた。
何本かある手の内、小さい弓と矢とを持つのがあり、そこだけ見ればキューピッドのようである。洋の東西を問わず愛のカミさまホトケさまはハートを射抜く弓矢が必需品らしい。(え゛っ)

彫像だけでなく絵画も充実している。
七星如意輪曼荼羅 弘明寺の所蔵。構図が面白い。円の中心にいる金色の如意輪観音と、その周囲の仏たち。なぜか正教会のイコンを思い出した。

歓喜天曼荼羅 白いゾウ頭の天部がぞろぞろ。武装というか佛装というか、そんなナリでゾウゾウ集まっているのも、なんとなく奇妙な面白味がある。

黄金剛童子 三井寺の名品展をみたときのことを思い出す。この童子は蔵王同様片足を挙げている。今踏まれていない蓮の花は、形状記憶加工されているのかもしれない。

焔摩天曼荼羅 称名寺所蔵と言うことは金沢文庫で展示されているのかもしれない。どうも資料のほうで見た気もする。この白い顔は。

密教の本拠・京都からも十二天像が来ていた。神護寺のそれ。前後期に分かれて出ている。

僧形八幡神像・弘法大師像 仲良しさんにみえる二幅。いや実際に仲良しな逸話からの絵。

奈良博の不動儀軌は以前見ているが、この中で見るとまた違った面白さがある。納得が深まる、とでも言う感じる。

江ノ島縁起絵巻 弘法大師が島へ行く話。
大山寺縁起絵巻 不動出現で倒れる村人たち。

面白い絵巻だが、じっくりと眺めてみたいものだ。

色々な書も見たが、中でも「うわ」なのが、足利持氏血書願文と異国降伏御祈祷記。
いや・・・とにかく、こういうのはニガテなのだよ。

見ているときに急にキュルキュルキュルと音がして、日よけのスクリーンが巻き上げられ、明るい日差しが場内に入り込んできた。
古画・古彫像を集めた展示室に自然光が入り込むのは珍しい。
理由は何か知らないが、ちょっと新しいような気持ちでもう一度展示室を見て回った。

11/27まで。次は元旦から氏家コレクションの浮世絵展。
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