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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

トゥールーズ=ロートレック展

三菱一号館美術館コレクション2として「トゥールーズ=ロートレック展」が12/25まで開かれている。
出遅れたが、機嫌よく眺めた。

手元に四枚のチラシがある。
先に出たものと少し後に出たものと。
いずれも背景色は恣意的に変えられているが、絵は一目見るだけでロートレックのものだとわかる。
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「シンプソンのチェーン」は横長のもので、これは数年前にサントリーミュージアム天保山での展覧会のショップで、ステキなトートバッグになっていた。
あのとき買えばよかったが買い損ねたので、絵を見るたびに嬉しいようなジクジたるような。
ロートレックはとても闊達な男性で、自転車レースが大好きだったそうだ。
とはいえこのポスターはクライアントには不評で、実際には不採用だったらしいが。
しかし自転車に乗るのが好きなわたしから見れば、「ロートレックの作品だから」というのを措いても「ステキな絵でなんとなくかっこいい」という理由で、このリトグラフ作品を選びたいと思う。
やっぱりトートバッグは買っておくべきだったなぁ。

アリカティド・ブリュアンの左向きの後姿がチラシに選ばれているが、右向き分もいい。
どちらもこの役者の不敵でブイブイ言うてる感じがよく出ている。
アクの強いオヤジのにくたらしいカッコよさがある。

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寄席の芸人らの一枚ものポスターなどがずらずら並んでいると、自分もその世紀末パリにいて、「さて今日は誰の何を見ようか」という気分になる。

ウサギリボンのメイ・ベルフォールの抱っこする黒猫が可愛い。
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イヴェット・ギルベールはやっぱりヘンな顔に描かれている。
ロイ・フラーのひらひらした踊りは前にサントリーでも見たな・・・
と、そんな風に親しいキモチがわいてくる。
それこそがポスター藝術の使命であり、力なのだった。

マルセル・ランデールが<いた>。
このリトグラフなどは特に親しく眺めているが、丁度現在M新聞で「マルセル」という小説が連載されていることを思うと、いよいよ興味がわいてくる。
小説は1968年の「マルセル」盗難事件を機軸にした謎解きものなのだった。

実のところわたしはロートレックの油彩画よりリトグラフで表現された、商業藝術の方のファンなので、今回の展示のようにリトグラフ作品が大半を占めているのは楽しく思えた。

本の仕事も面白かった。
ルナールの「博物誌」やメニューカードに描かれた動物たちが楽しい。
ちょっとばかり戯画風でもあり、シャレた面白さがある。
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見て歩くうち「彼女たち」の連作の前に来ていた。
そこでわたしは画家のK氏が若い男性と共に「彼女たち」を観賞する情景を目の当たりにした。
K氏にはもう二十年以上ときめき続けている。少しばかり経年によるかげりは見えたが、相変わらず綺麗な男性だった。
K氏が若い男性にレクチャーしながら「彼女たち」を見るのを、わたしが視る・・・
思えばロートレックの作品のうち「彼女たち」ほどK氏にふさわしい作品はない。
なんという素晴らしい偶然だったことか。
わたしは二重の愉しみを許されたのだ。
それを享受せずしてなんとしようか。

結局あまりにときめきすぎて、自分の心臓の鼓動が部屋中に響き渡りそうな気がして、わたしはそこを去った。
去った先には、娼館で暮らす女たちの日常のしぐさを取り上げた作品群が待っていた。
そして歌麿の浮世絵もある。

わたしはやっぱり熱に浮かされたままそれらを眺め、リストに何彼書くことも出来ぬまま、展覧会を出たのだった。
「彼女たち」を見るK氏を視たことを歓びながら。

クリスマスまでにもう一度行きたいところだが、心にいつまでもあの情景が残る限り、何度見てもこれ以上何も書くことは出来そうにない。
ロートレックを見る限り、この先もずっとあのことを思い続けるだろう・・・
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コメント
ファンファン演じるジョワイヤン
私も昨日、観に行ってきました。
実は、ジョワイヤンのコレクションだと知る前は、
行く気ゼロだったのすが、この間、テレビで
そのことを知って、あわてて観に行きました。
モーリス・ジョワイヤンといえば、今は亡き岡田
真澄さんがジョワイヤンに扮して、ロートレック
を紹介する番組があって、とても印象に残って
います。あの番組、もう一度観たいなぁ。

ところでK氏!!素晴らしいシュチュエーションで
観ましたね~~。二重の鑑賞、二重の愉しみ。
よい、クリスマス・プレゼントだわ~♪
2011/12/12(月) 09:50 | URL | えび #-[ 編集]
友情の厚いハナシ
☆えびさん こんにちは

最後の方にもジョワイヤンの肖像画ありましたが、
彼がロートレックを顕彰するのに懸命だったのがよく伝わりますね。
友情が厚いなぁ。

> ところでK氏!!素晴らしいシュチュエーション

そうなんです。もう本当にドキドキしました。
サイン会でお見かけしたりするのとはまた違うときめきがありましたね。
いや~本当にドキドキして、あの一室の絵がどんなだったか細かく思い出せないんですが、
彼のいる空間そのもので、いつまでも心に残りました。
2011/12/12(月) 12:40 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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