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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

お水取り

夜からはお水取りのお松明を見るが、それまでに奈良博でお水取りの資料や遺宝を見なくては♪ ・・・と夕方から奈良に入り、その通り動いた。
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毎年この時期はお水取りの展覧会をする奈良博だが、わたしもやっぱり毎年眺めては楽しく時間を過ごすことになる。
実際に使用された杓や鉢や法螺貝もあるし、二月堂本尊の光背の拓本やカケラなども、毎年の出物だが、そのたび眺めては新しい気持ちになる。

東大寺縁起、二月堂曼陀羅は五種が出ていたが、どれも見ごたえがある。
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チラシは室町時代の東大寺曼陀羅。左上が二月堂。このずっと下に大仏殿や燈籠が描かれている。
一方鎌倉時代の東大寺縁起には、色んなシーンが描かれている。
悠々と鷲が飛んでたり(赤ちゃんは見えないものの)、実忠と十一面観音が立ち話しているようだし、聖武天皇が受戒したり、光明皇后が立ち働くお風呂場があったり。

こちらの二月堂縁起にはちゃんと黒白の鵜がいるが、白いのは鷺の親戚に見える。
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室町時代の東大寺縁起で大仏開眼の様子を描いたものもあった。

絵はそんなところで、古文書で面白かったのが室町~桃山時代の練行衆日記。
7では義満が香水を3杯飲んだとか、法螺貝の音色が母子の戯れる音色に聞こえて感動してたとかそんなことが書かれ、16では松永久秀に大仏殿を焼き討ちされたけど、治承の焼失でもがんばったんだから、今回もお互い励ましあおう、というようなことが書かれていた。
けっこうリアルな気持ちが書いてあるらしい。

過去帳もいつ見てもなにやらどきどきする。
後白河上皇、源頼朝らのビッグネームにときめくのではなく、やっぱり「青衣の女人」ですね。
今回初めて気づいたけれど、重源の近くに青衣の女人の名前が上がっていたのだなぁ。

文化12年(1815)の二月堂修中献立控がたいへん興味深かった。
3/4と11のメニュー・・・おひたし(干し大根・よめな)、一の汁(里芋・チシャ)、煮物(むきクルミ・丸揚げトウフ)、二の汁(スマシ仕立て:クワイ・土佐麩・漬マツタケ)。
3/5と12のメニュー・・・さしみ(紅葉麩・独活・岩タケ)、一の汁(白トウフ・干しカブラ)、煮物(揚げさがら麩・大牛蒡・シイタケ・梅干・三つ葉)、二の汁(味噌仕立て:ニンジン・山の芋)。
なんだかおいしそうに思えて仕方ない・・・
因みに、一日一食なのは変わらず、今は一汁二菜で残り物は鳥獣に。これもお布施ですね。

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礼堂の再現があり、以前使われていた五体板や戸帳も設えられていた。
椿の造花もある。吉岡幸雄さんが染めたものだと思う。
練行衆が着た紙衣や、達陀帽や装束は以前にも見ているが、ポックリは初めて見た気がする。差懸サシカケと言うポックリ。爪先は厚紙で覆われている。

杉本健吉の1957年の「修二会画帖」にも再会。
特に青衣の女人の登場がひどくいい。
私は彼の洋画より挿絵やこうした卓上芸術のほうが好き。
こういうのを見ていると、歌舞伎舞踊劇「達陀」が見たくて仕方なくなってくる・・・!
他に練行衆のお仕事を追った写真パネルの展示がとてもよかった。

ここで機嫌よく知識を積んでから、久しぶりに二月堂へ向う。
今回は東大寺ミュージアムの前を経由して、あがった。

まだ明るい時間帯の二月堂。SH3B10020001.jpg
わたしの立ち位置はこれで大体想像がつくでしょう。
去年は良弁杉の根元に立ち、今年は石段にいる。
もうさすがに堂下に行く根性はなくなっている。

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今年も感動した。
そして自分の罪過を払うてもらった気になった。
さらに震災の苦しみを負う方々の幸いを祈願した。
福島の友人にもその気持ちが届けばいい、と思った。

帰りに杉の焼け残りをもらい、二月堂へ上がった。
可愛い灯り。SH3B10130001.jpg

町の明かりが綺麗だが、わたしのケータイではムリ。
今年もおかげでありがたい心持にしてもらい、東大寺を去った。
まだ寒いけれど、お水取りが終わると春が近づいてくるから、今はそれを待っている。
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コメント
No title
>なんだかおいしそうに思えて仕方ない・・・
くくくっ(笑) 同意!
それに、かなり健康的じゃないですか。
これに普段は魚、週2回ほど鶏卵と鳥獣の肉をつけてもらったら完璧ですよね。
朝はマンゴかいちごのスムージー、昼はおいしい更科のもりそばでも凌げます。

もうお水取りもここまで進捗していたんですね。
2012/03/10(土) 23:50 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
☆とんぼさん こんにちは

> それに、かなり健康的じゃないですか。
> これに普段は魚、週2回ほど鶏卵と鳥獣の肉をつけてもらったら完璧ですよね。

いや、ここ精進料理やし(笑)。殺生厳禁ですww

しかしチシャを化政期の人が食べてたと言うのにもびっくりしました。
チシャはいわゆるラプンツェルです。
2012/03/12(月) 09:36 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
チシャというと焼肉屋で肉をくるむ葉っぱしか思い浮かばず、
ラプンツェルって何かなと検索してみると、欧州の山菜みたいなもんなんですね。

いづれにして、そんなレタスみたいなのが日本にも昔から食材としてあったというのは、
醍醐と同じくビックリですね。
2012/03/13(火) 00:08 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
Re: No title
☆とんぼさん こんにちは
修二会の練行衆がチシャをモシャモシャ沈黙したまま食む姿をついつい想像してしまいます。
2012/03/13(火) 09:09 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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