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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

今月のハイカイ最終日

ついにハイカイ最終日を迎えました。五日間も東にいたわけです。

とりあえず見たものを一つ。
上野に行き科学博物館のインカ帝国展を見る。
展覧会というよりイベントなのでワイワイガヤガヤと賑やかで、ブルゾンにスタッフと書いた人々も声を張り上げている。
ごく気軽に見て回り、はーとかほほーとか感心したりしなかったりしながら歩く。

私はインカ帝国と言えば高階良子の作品を必ず想う。
幻のビルカバンバ、インカまぼろし帝国。あのシリーズを読んだ私の友人は実際にペルーに行き、大いに感動していた。
私はと言えば、やっぱり行きたいが、なかなか難しいなと思っていたところに、ヘルツォーク監督のアギーレ 神の怒りを見て、それでいよいよ憧れは募りつつも現実には無理だと悟ったのだった。
あの映画の冒頭に、マチュピチュを延々と登り続ける一団がロングで捉らえているのを思い出してほしい。あれは演技ではなく映画のスタッフたちが実際に機材をヒィヒィ言いながら運ぶ姿だったのだ。
映画監督は自分の作品のためなら神にも背き鬼にもなると言うが、どう考えてもめちゃくちゃ。
観光客とは違うだろうがしかし印象は強い。

さてインカ帝国の繁栄期には強者たるインカ側が属国の文化をも棄てさせるほどだったようで、ミイラの展示にそれが現れている。
埋葬様式の変化は文化だけでなく宗教観すら変容させるものだ。
インカ様式のミイラはいずれも足を屈折させ両手で顔を覆わせている。
歯並びが残るのが見えた。
インカ人は虫歯がかなり多かったらしい。
そんなことがコラムにある。

書き文字を持たないインカ人だが紐で数を示すキープ文字を使用し、独自の計算で高度な建築を生み出したのだった。

飛脚システムも確立していて、一日280KMを駅伝するので、首都クスコからマチュピチュまで親戚な魚を届けることが出来たそうだ。

しかしスペイン人が侵略してきたことで全ては終わる。
皇帝アタワルパは身代金に自分の背丈の黄金を積んだが卑怯なスペイン軍と教会の派遣者により刑死に。
そのイメージ画がパネル展示されていた。実際には絞首刑だが絵は斬首。
インカの後裔たちは斬られた首が再び生える日を待っているのだ。
このあたりの資料を見ると山本鈴美香の七つの黄金郷が蘇る。あの作品は新教と旧教との戦いを背景にした面白過ぎるものだが未完のまま長い時間が過ぎている。

やがてトパックアマルー、コンドルカンキの登場がきた。
この辺りが前述の高階作品に描かれている。
コンドルカンキの肖像がある。絵と銅像と。とても意思の強い男性的な風貌の人がそこにあるが、彼はまたもやスペインにより無惨極まる死を遂げている。
今では彼はペルーの紙幣になっていた。
一方生き延びさせられた王族らはかつての装束に身を包んだ肖像画を残しているが、それとてもどこまでが彼らの意志だったことか。

最後にコンドルの目でマチュピチュを見ようと3Dシアターがあった。
語りは玉木宏。
ハチドリの羽ばたきがスゴイ。眼鏡を外すと二重に見えるが、奥行きを表現するにはやはりこれが最適なのか。
目をちょっと工夫すれば眼鏡なしで3D可能だがやめよう。

巧みなカメラワークで上る上る、非常にいい気持ちになる、面白かった。
しかし眼鏡を外すとヨタヨタしたので今後は見る前に悩もう。

常設で貝や蝶やクジラの骨を見てから隣の西洋美術館に行く。そちらはまた後日。
江戸博のタワーも後日。

新幹線が遅れて帰宅も遅れたけれど、まあまあなんとか。

楽しい五日間でしたなあ。
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コメント
No title
すごいですね~ 5日間、堪能されたようで。

刺激されて、今週は京都市美術館にでも行ってみようかと..出不精です、ハイ。

インカ...秀吉の頃、日本がちょうど数百年の戦乱を経て軍事力がひとつのピークにあり、
なおかつキリシタン禁令が出たおかげで、今日の我々があるわけですね。
イエズス会と他会派とのアジア侵掠競争をみていると、
私の名前がカルロスやゴンザレスというようなものになってても不思議ではなかった。
2012/03/20(火) 22:48 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
素敵なハイカイでした!
五日間のハイカイ、お疲れ様でした。
とても楽しくレポート拝読致しました。
エネルギッシュな行動ぶりを拝見し、倣わねば!と感じた次第です。
四月にはわたしは東京国立博物館のボストン美術館里帰り展、また、インカ帝国展を見に行きたいと思っております。
2012/03/20(火) 23:42 | URL | @源氏侍 #-[ 編集]
カルロス、ゴンザレス・・・!
☆とんぼさん こんにちは
アミーゴですね、しかし日本の隠れキリシタンは可哀想ですが、西班牙の奴らはめちゃくちゃですね。
そうなると鎖国と言うのも政治的に正しい側面もあったのかも。
鎖国すると国内文化が発達するのはいいんですけどねぇ。
2012/03/21(水) 12:57 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
上野は熱い!
☆源氏侍さん こんにちは
五日間も遊ぶとふらふらです。
インカは子供連れが多いのでそちらも大変でした。
ボストンは絵巻がきっと大変なことになりそうです。
がんばってください~
2012/03/21(水) 12:59 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
天正使節団がローマまでの旅路で延々とみた、裸同然の日本人女性の奴隷
というのは凄かったですね。中には日本人と知って助けを求めた者も
居たとか。キリシタン大名たちとバテレンとの「交易」で売られた人達でした。
九州や堺の商人は自治や自由の先駆けとみなされることもありますが、
スペイン、ポルトガルの宣教師団の手先でもあったという側面も
注目されるべきでしょうね。今の経団連以下の経済団体の発言や活動を
みるにつけ、それを思い起こすことがままあります。

前に、古裂屋さんで幕末頃の綺麗な唐錦が安くでありました。
柄からすると朝鮮、満州あたりのものらしいのですが、こういうのは
アイヌが密貿易の人身売買で手に入れて、酋長が羽織にして着ていたとのこと。
松前藩もやっていたでしょう。それを聞いて、入手する気が失せましたよ。
2012/03/21(水) 21:11 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
☆とんぼさん こんばんは
なんにせよ華やかさの側面には必ずこうした闇が広がっているものですね。
そういえば以前「じゃがたら文」の実物を見ましたが、切なかったです。
布地で思い出しましたが、フェアトレードの概念も元はそういうところからの発想もあったのかも、と思うことがあります。
とにかく侵略と言うのは本当に厭なものです。
2012/03/22(木) 23:22 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
ほんに人の業とは深いものです。

アイヌと朝鮮との件は、アメリカの黒人や社会的なマイノリティの社会の中では、
おうおうにしてその外側との関係の縮図、入れ子細工みたいになっているというのも、
本当に嫌なものです。
売られたアイヌの女性はいづれ朝鮮から満州の方に流れて行ったんでしょうね。
まるで、五木寛之のテレビドラマであった、シベリアに流れて行く日本の女郎の話
みたいです。
2012/03/23(金) 00:32 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
☆とんぼさん こんにちは
むかしも今も変わらないわけですね。
2012/03/23(金) 12:34 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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