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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

都の遊び・王朝の美 美を愛でる、京を知る

もう終了したが、横浜そごうで細見美術館の「都の遊び・王朝の美 美を愛でる、京を知る」展を楽しんだ。
細見美術館へはしばしば出向いているが、よそで見る楽しみというものも捨てがたい。
出開帳するということは、普段出ない名品も現れると言うことだ。
機嫌よくそれら名品を眺めた、その遅ればせながらの感想である。
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・王朝の雅 和歌と物語
洛中も描かれた「洛外図屏風」がある。知恩院から大仏殿、三十三間堂、鴨川で洗濯する女たち、店へ誘う女たち、清水詣で、祇園参りの人々。芝居小屋が大きく描かれている。能舞台で「葵上」を演じているらしい。観客は皆なかなか凝った身なりをしている。

時代不同歌合絵巻断簡 赤染衛門vs殷富門院。白描で描かれた豊かな二人。鎌倉時代にはこうした作品が多く描かれた。

江戸時代の工芸品。
小倉山蒔絵硯箱 巨大植物とコワモテの鹿。
武蔵野蒔絵煙草盆 元は香箪笥だったのを作り替えたらしい。表に満月、裏には三日月が描かれている。
能装束 吉野竜田文様唐織 桜花と渦巻き流れの文様。
蝶文様蒔絵鼓胴 面白い顔だが蝶はこんな顔をしているのかもしれない。
梅に御所車蒔絵硯箱 中の水滴が鳥兜なのがいい。梨地。

明治の工芸品。
春秋蒔絵文台 屋敷の庭の景色。桜と小松と川と。魚子柄がきれい。
初音蒔絵箪笥 小箪笥。無人の絵柄。かなり凝っている。

撫子図屏風 枕屏風よりは大きいがそう大物ではない。唐撫子が二段に分かれて描かれている。上の空間には和歌が書かれている。

歌仙絵が三枚ある。
岩佐又兵衛は源順を、宗達は藤原仲文を、小野お通は歌は女性の大弐三位だが絵は男性を描く。

光悦と宗達のコラボ作品も並ぶ。軸や扇面など。
其一門下の野崎真一による伊勢物語・定家詠・月次花鳥図がある。東下り富士、武蔵野、河内越え、布引、一月柳に鶯、六月常夏(撫子)に鵜、八月萩に初雁、十二月早梅に水鳥。

ほかには源氏絵が四枚。葵(碁盤の上で幼女の髪そぎ)、須磨(鞘橋のようなところから庭をみる)、篝火(室内の男女と外で火を焚く男)、野分(強風で大変!な女たち)。

冷泉為恭 小督局月下弾琴図 秋の風情がいい。
鈴木守一 清少納言 香炉峰雪図 顔を見せないのがミソ。やや色が濃い。

狭衣物語絵巻断簡 1.狭衣君が童子に藤の枝を折らせるところ。庭には鴛鴦や鴨がいる。童子のオレンジ色の衣が可愛い。
2.源氏君が物思いに耽りながら庭をみる。水鳥たちと金色の紫陽花。  

・都の四季 遊びと飾り
遊楽図扇面 嵐山に遊び、庭で矢を放ったり、赤い花の下で琵琶を弾いたり、室内で碁を打ったり、回り廊下でいちゃついたり。楽しそうな風情が描かれている。

四条河原図巻 やや上品な出来。アシカの見世物、猿曳きの少年はなかなか美少年、遊女歌舞伎では「松風村雨」を演じている。

四条のいさみ図巻 三月は枡のような舞台での鬼・閻魔・人の芝居を楽しむ人々が描かれる。これは念仏狂言かと思う。四月は潅仏会らしく盥に赤ん坊の釈迦が天上天下のポーズを取るフィギュアが置かれ、人々はそれを取り巻く。八月は外で宴会。煮炊きの鍋もちゃんと用意されている。
毎月何かしら楽しみがある図巻。

東山四条河原遊楽図屏風 やや小さめの屏風で、大仏殿と音羽の滝の人々の描写がある。
大仏殿の小窓からは大仏の腹が見える。清水の舞台へ上る人もいるがもどういうわけか皆男ばかり。祇園の花見も男だけで楽しんでいる。餅売り女の餅がおいしそう。社殿に額づく人々、阿国歌舞伎、相撲などなど、愉しみは尽きない町。

北野社頭図屏風 白木の建物が目立つ。剥落と言うよりなにか別な意図のものか。蹴鞠する若衆たちもいる。

一言ずつの感想。
賀茂社競馬図屏風 人の多さに!!となる。馬も相当入れ込んでいる。
源氏物語図屏風「総角」岩佐又兵衛 室内の女たちと、船遊びする男たちと。
祇園祭礼図屏風 構図が面白い。斜め上からの鳥瞰図のよう。これは面白く眺めた。

工芸品にもよいものが多い。
遊楽図高坏には舞う女たちが綺麗に描かれている。こういう工芸品は楽しい。
提重の可愛らしいもの、バラの重箱や徳利も見てて楽しい。
伊達家伝来の八角水指は七宝焼でイスラーム風な柄にブルーが綺麗。さすが「伊達」。
舟形釣花入もブルーの目立つ七宝。小堀遠州伝来品。
手付菓子盆もブルーで、はめ込みパズルのようなモザイクで構成されている。

蝶々踊図屏風 小沢華獄 これは最初にみたとき幕末のええぢゃないかのバージョンかと思ったほどだった。赤い布をかけた者、蝶々結びの者、大根コスプレ、蛙コスプレ、犬コスプレ・・・ええぢゃないかではないが、こういう扮装をみると、京の町衆が何かに抑圧されて、それを爆発させるのが祭りなのだと勝手に感じたりするのだった。
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細見は江戸琳派コレクションでも有名だが、抱一の立雛図、其一の蓬莱図などが来ているのも嬉しい。
面白いのは山本光一の五月の節句図。ツバメが籠へ向かったり、金太郎が熊に乗ったり・・・

伊勢物語のカルタもきれいだった。

・京の絵師 若冲から雪佳まで
松村景文 月下草虫図 静か。おみなえしが揺れている。
山口素絢 楚蓮香図 体をややくねらせた美女。
原在中 恵比寿図 岩に座す恵比寿。タイを抱えている。吉祥図。
前川文嶺 寿老図 自分の背より高いところに生える霊芝を採ろうと必死。
若冲 伏見人形図 可愛い布袋さんとぼうやの人形と。
若冲 万歳図 丁度「てんてんてん」な様子。
中村芳中 初夏山水図 なんだかやたらと明るい山の夏。

神坂雪佳だけで10点以上あった。
蓬莱山、唐美人、舞楽などのほかに色紙貼り付け屏風がいい。こちらは時々見かけるが、改めて眺めると、いよいよその良さにときめく。
白梅と山家、嵯峨釈迦堂の狂言「百萬」、八橋と民家、鵜飼、虫かごと侍童・・・

色々とよいものを見たが、私以上に関東の方は喜んでおられたことだろう。
次は5/26~7/16まで「琳派・若冲と雅の世界」が開催される。
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