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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ボストン美術館 日本美術の至宝 第一会場篇

近年の東博の特別展は本当に凄い。
多くの方々の労苦の上に成り立つ展覧会だということは弁えていても、行ってみるとただただ「おおお」と感嘆の声を挙げるばかりになる。
本当に凄い。
年初の「北京故宮博物院」でも賛辞を捧げたが、今回の「ボストン美術館展」もまた素晴らしい展覧会だと思う。
この企画がどのように成り立ったかなどは、一観客のわたしなぞには到底わからぬままだが、ありがたいことだと思っている。
いま展示を楽しませてもらいながら、深い深い満足感に包まれている。
この喜びは斉しく分かち合いたいものだと思う。
だからわたしは今回も、その楽しかった記憶を書いてゆくつもりだ。

プロローグ コレクションのはじまり

ビゲローの肖像 伝・小林永濯 ビゲローの三度笠に道中合羽の旅人(タビニン)姿は写真で見たが、これは永濯の妙にリアルな絵。このビゲローさんが日本ヲタだったおかげで色んな作品が集まり、残ったことを思えばムゲには出来ない。ナムナム。

岡倉覚三像 平櫛田中 1963年に作られた天心の像。フェノロサに協力した岡倉天心がいたからこそ・・・。ところで以前名古屋ボストン美術館で天心の写真を見たが、今のジュリーによく似ていた。この像にも少しそんな雰囲気がある。

次の二人はフェノロサたちのおかげで世に出たのかもしれない。
江流百里図 狩野芳崖 1885年。うねりがいい。
騎龍弁天 橋本雅邦 翌1886年、鮮やかなカラーの弁天さんは綺麗だった。春向けの絵か。

第1章 仏のかたち 神のすがた
一言ずつ感想を。
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法華堂根本曼荼羅図 奈良時代 色も良く残っていると思う。
如意輪観音菩薩像 平安時代 綺麗な面立ちの仏様。美人。
馬頭観音菩薩像 平安時代 こわそー。アフロヘア大爆発。しかし赤が良く残る。
普賢延命菩薩像 平安時代 仏様を乗せてる白象たちはちょっと怖いが。・・・白象の目ヘンすぎww。
一字金輪像 鎌倉時代 色白美人。四方の花瓶が可愛い。
毘沙門天像 平安~鎌倉時代 これは名古屋で見たと。兜がとてもかっこいい。
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大威徳明王像 鎌倉時代 牛が自分の鼻のアタマをなめてるのが楽しい。炎は朱色。髑髏はアクセサリー(すごく今風かも)
弥勒如来二侍者像 鎌倉時代 新羅明神の不機嫌さがたまりません♪
弥勒菩薩三尊像 鎌倉時代 キリッとした三尊。皆さん凛々しい美人。
四天王像 重命 建長5年(1253)頃 四体それぞれ個性が違うのが面白い。
・多聞天 右足の陰に赤い邪鬼がいて弓を番えているのが、妙に可愛い。
・広目天 邪鬼を踏みしだく。
・増長天 剥落が激しいのが惜しい。
・持国天 ギラギラ目ばかりがよく見えているのもコワい。
十一面観音菩薩来迎図 鎌倉時代 仏様一体でピカーと光が周囲に放射されている。
吉祥天曼荼羅図 鎌倉時代 柔和な吉祥天の頭上にはフクロウのような飾り物と演奏天人。
熊野曼荼羅図 鎌倉時代 正直言うと、エライ仏さんたちより下の連中が楽しそう。ラジオ体操でもしてるような。
春日宮曼荼羅図 南北朝時代 どうも鹿が見当たらない。
地獄草子断簡 平安時代 鬼の手料理。お鍋で煮物。具材はニンゲン。色んな地獄草紙を見たが、これは妙に楽しい。耳長斎の地獄はここと直結しているのかもしれない・・・
菩薩立像 平安時代 プロポーションは綺麗なのだが、妙に押しが強い。
弥勒菩薩立像 快慶 鎌倉時代・文治5年(1189) 肉付きが立派。
僧形八幡神坐像 康俊 鎌倉時代・嘉暦3年(1328)  両目がなかなかきつい。シシャモが二匹逆八の字に並んでいるような眼。
地蔵菩薩坐像 円慶 鎌倉時代・元亨2年(1322)  正直、手を合わせたくなった。美の対象ではなく信仰の対象として、このお地蔵さんに対したい。そんな円満な優しさを感じる。
造ったのは人の手だが、それを超えてこのお地蔵さんは子どもや困っている人々を助けてくれそうに見えた。

第2章 海を渡った二大絵巻
長々と展示されているのがとても嬉しい。
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吉備大臣入唐絵巻 第一巻~第四巻 平安時代
吉備さんは色白、鬼になった(魂魄だけの存在=鬼=キ)赤っ面の仲麻呂と相棒になっての大活躍。
(歌舞伎では赤っ面はカタキ役)
非常に面白かった。
外来のものが土着のものから次々と難題を吹っかけられても、隠れた味方によって全てクリアーする、というのは定番だが、それにしても描写が豊かで面白い。
物語の展開が夢枕獏的に進む。
高床式の建物に閉じ込められても、鬼の仲麻呂くんは自在に出入りできるので、カンニングもバッチリ!根性がついたか、とうとう吉備さんも自身の手を汚す。碁石飲み込み事件。
絵巻ではばっちいのは描かなかったか、褪色したかはわからない・・・
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平治物語絵巻 三条殿夜討巻 一巻 鎌倉時代 後白河法皇拉致事件。炎上する様子がいい。武者たちのリアルなタッチがナマナマしい。
断簡は見ているが、この長さで見ることはなかったので、本当にドキドキする。
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第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
見歩いていて楽しさをじわじわと感じた。

枇杷に栗鼠図 伝・楊月 室町時代 枇杷がおいしそう。リスも大喜びに見える。手つきが面白い。勢いつけて枇杷にジャンプ!
室町の水墨画は近年になってから、その面白味が少しずつわかってきたように思う。とはいえ山水図を見て平安な心持ちになることはないのだが。

山水図 祥啓 室町時代 平安な心持ちにはならないが、この山水を見ることで視野が広がる思いがするのは確か。
岩上の松が風にそよぐ様を思い、崖の半ばに見える建物に居住するときの心根を想う。
白い水面には波も立たない。遙かな山並みは雲霞にけぶる。窓の外にこんな風景が広がることを想う。・・・やはりわたしは騒々しい街中に出てゆこうと思った。
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瀟湘八景図屏風 伝・蔵三 室町時代 コンパクトにまとまった名勝。しかしどれがどうなのか確認できなかった。

布袋図 横川景三賛 室町時代・文明11年(1479)  室町時代の笑いというものを考える。先般出光美術館で高等な笑いについての考察の機会が与えられた。
そのときの作品は全て江戸時代のものだったが、室町時代の絵画における笑いとは、こうした布袋図に託されているのかもしれない、と思った。
あほな子とへんなおっちゃん。どう見てもそうとしか思えないが、これを収集したフェノロサは何を感じたのだろう。

白衣観音図 狩野元信 室町時代 優雅にそこにいるオジサマな観音。口元には薄い微笑が浮かぶ。所々に使われたブルーが綺麗。

宗祗像 伝・狩野元信 室町時代 連歌師の宗祗の肖像。変わったかぶりものが目立つ。室町の連歌の催しや状況は知らないが、外観もなにやら凝らすことが肝要だったのか。
馬もポーズを決めている。

金山寺図扇面 伝・狩野元信 景徐周麟賛 室町時代 金山寺味噌ではない。扇面に派手な佇まいの寺が描かれている。山あり緑ありの立派な堂宇。このお寺は修行寺だったか。確か面白い伝説を聞いた気がする。
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韃靼人狩猟図 伝・狩野元信筆 室町時代 ダッタン人の狩猟図は他にも見ているが、室町時代にはもう彼らが狩猟の達者であることが伝わっている証拠になる。司馬サンの最後の小説「韃靼疾風録」でもその様子が草原の風と共に伝わるように描かれているが、元信の絵にもその匂いがある。

松に麝香猫図屏風 伝・狩野雅楽助 室町時代 猫の親子。子猫は白猫。余裕のある親猫は遊ぶ子猫を見守る。以前から好きな絵。よくよく見れば片足をあげているのがいかにも猫らしい。小鳥も水遊びするのどかさ。猫の指先のもこもこ感が可愛い。
ちび猫がタンポポ越しにじぃっと見つめながら耳を後ろに下げているのがいい。こやつはしっぽだけ黒い。親猫は横目で小鳥たちを見ている。小鳥、危機一髪!
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松に鴛鴦図屏風 伝・狩野雅楽助 室町時代  鴛鴦だけでなく鴨もいれば雀もいる。タンポポが咲く春のある日。

京名所図等扇面(石清水八幡宮・清水寺・住吉神社・天橋立・宇治橋) 五面(十面のうち) 狩野松栄 安土桃山 天橋立と住吉ではそれぞれ潮干狩をする人々がいる。宇治では餅つきをして、石清水・清水では眺めを楽しむ。

ここで第一会場を出る。

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コメント
誰かに似てる天心先生
昨日、5月というのに3月のような寒雨の中震えながら行って参りました。
とはいえ、巡り巡って私の手に齎されたチケットに感謝です。

天心先生のお顔を拝見するたびに、誰かに似てる…といつもいつも思うのですが、それが誰だか浮かんで来ないのです。 それで、「今のジュリー」に吹いてしまいました。 う~ん、似てるか微妙だけど、ジュリーには何とかして欲しいなぁ

金環食を見たすぐあとだったので、一字金輪像が金環食と重なって印象的でした。 優しそうなお姿だったので、日食への不安が和らいだようでありがたかったです。

ジャコウネコさんの胸のポワポワがお気に入りだったんでしょうねぇ
何とまぁ、念入りに仕上げたものです(笑)
2012/05/23(水) 14:59 | URL | 山桜 #-[ 編集]
「じゅりぃぃぃぃ」はユウキチホ
☆山桜さん こんにちは
おお、行かれましたか。でも似てるでしょ「今のジュリー」にww

>一字金輪像が金環食と重なって印象的でした

ああ、なるほど!宇宙と仏様の深いつながりを感じるとは素敵です。
昔、曼荼羅が宇宙を顕すというのを読んでからそのことをずっと忘れずにきました。
いいですね~~

うちに前にいた、ジャコウネコもびっくりなフカフカな猫を思い出しますわww
今やアウトローな猫になってしまいました。
2012/05/23(水) 17:14 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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