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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ボストン美術館 日本美術の至宝 第二会場篇

さて第二会場へ入った。

第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織
いかにもアメリカ人が喜びそうな感じがした。いいねぇ、そういうキモチ。

短刀 銘・来国俊 鎌倉時代 この刀は池波正太郎の描く剣士が差料にしていた。刀を見ると自分の好きな剣豪が思い浮かんできて楽しい。

備前長船などはビゲローはじめアメリカ人コレクターはドキドキしながら柄を握ったかもしれない。
どこから流出したかはしらないが、それこそ「オオ、ハラキリ、オオ、サムライソード」くらいはつぶやいた可能性もある。

小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様 江戸時代 なかなか可愛い小袖。竹を輪にして花を囲む。よく出来た柄。
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能装束も優美なものがたくさん出ていて本当に目が躍る。大事に保存されていて嬉しい。

唐織 紅地流水芦菊槌車模様 江戸時代 改めて染色技術の豊かさを感じる名品。
唐織 胴箔地蝶撫子模様 明治時代 蝶自体は雅楽の「胡蝶」のよう。
長絹 紫地扇藤流水模様 明治時代 特にこれは藤柄が綺麗なもの。なんの演目の時に用いたのだろう。

第4章 華ひらく近世絵画
慣れ親しんだ絵師たちの登場。

韃靼人朝貢図屏風 伝・狩野永徳筆 安土桃山  永徳だと伝わる作。納得する。大柄な絵。永徳の絵威徳という感じ。人物の顔もはっきりしている。
船の飾りも綺麗。トールペインティングのような。

龍虎図屏風 長谷川等伯 慶長11年(1606) 出光に住むデヘヘの虎ちゃんの兄弟らしい。無精髭を生やした、大柄な弟という雰囲気の虎。首をひねってるのがまた可愛い。よく見れば鎌髭を生やしているようにも見える。
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一方カメラから目線を外しているが、十分カメラを意識している大きな竜も忘れてはならない。
主演男優賞はあいつにやるが、おれの重厚な演技がないとオスカーとも無縁なんだぜ、とでも言いたげな顔つき。
右はフェノロサ、左はビゲローのコレクションだが、こうして並んでヨカッタヨカッタ。
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牧牛・野馬図屏風 長谷川左近 江戸時代 絵師は等伯の息子の一人とか。ついつい日経の連載小説を思い出す。
少年はくつろいでいる。十牛図の趣はなく、現にこの牛はカメラ目線でこちら向き。牧歌的な風景。
一方馬の方もまた和やかムードである。サラブレッドとは無縁な、よく肥えた馬たち。寝てる馬もいるが、こんなポーズなのか・・・

東坡・潘ラン図屏風 雲谷等顔 安土桃山~江戸時代  ロバをひっぱってゆく。京都の他では見ない絵師の絵をアメリカの里帰り展で見る。

鷙鳥図屏風 曽我二直庵 江戸時代 ぎろっ!・・・こわっ。

十雪図屏風 狩野山雪 江戸時代 どこもかしこも雪まみれ。雪下ろしする人々がいる。子供らもいる。いろんな人の様子が描かれている。ブリューゲルを少しばかり思った。
しかしこちらはあくまでも静かである。

四季花鳥図屏風 狩野永納 江戸時代 ツツジとタンポポが特にいい。スミレも可愛い。
よく見れば蔦も赤くなっている。春秋の赤の違いは大きい。カワセミもいた。

王昭君図 土佐光起 江戸時代 馬上で琵琶を演奏。馬の鬣がやや変な感じがする。こんなシマシマはありえるのか。せつない物語の女性。

仙境・蕭史・弄玉図 狩野養信 江戸時代 仙人カップルの楽しそうな様子。左右から二人が真ん中の幅である仙境へ向かうという構図。そちらも役人の仕事などがあるようで、下界と変わらなさそう。

水禽・竹雀図 宗達派 江戸時代 雀たちがとにかく可愛い。わたしも思わず下手な絵を描いてしまった。一本の細い竹に三羽の福良雀がとまる。枝のシナりがいい。

芥子図屏風 宗達派 江戸時代 金地に白と赤の入り乱れて咲く芥子。余白が大きいのがいい。左の隻の芥子はやや大きめ。咲き乱れるのでなく独立してポーズを取るようにも見える。白い芥子のスーパーモデル。

松島図屏風 尾形光琳 江戸時代  これは20年ほど前に日本に来たときに見た。当時はこの良さが本当にわからなかった。いや今もわからない。光琳ファンだと自称しているが、どうもこの良さがよくわからないままである。
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鸚鵡図 伊藤若冲 江戸時代 随分前にこの絵を見たとき「あのトリオヤジも常世の長鳴き鳥以外の鳥を(それもオウムを)描くのか」と思ったのだった。背景の地の色が透けて見えるような白いオウム。どことなく様式的なよさがある。

十六羅漢図 四幅 伊藤若冲 江戸時代 四人ほどいる。みんな変。特に枇杷の下で膝を抱えているオヤジなどは何を考えているのか、全く読みとれない。

西欧王侯図押絵貼屏風 安土桃山~江戸時代 サントリーや神戸市博物館で見かける西欧王侯の姿。二隻目の槍を持つ人物の膝頭のリアルさが面白い。

邸内遊楽図屏風  江戸時代 楽しい。それにしても大きな家。見応えがある。各人の衣装がまた丁寧に描き分けられている。どこを見ても本当に楽しそう。こうした歌舞音曲に溺れてぶらぶら楽しむ情景は、何度見ても飽きない。

第5章 奇才 曽我蕭白
さて最後に蕭白の間とでも言うべき場へ向う。

フェノロサ・ウェルドコレクションから。
楼閣山水図屏風 垂直の崖の下に田んぼが見える。働く人や牛が見える。労働は尊い。ところどころの建物に人の姿が見える。話し声は全く聞こえず、音声は遮断されているが、それは背景の白色に吸い込まれているのかもしれない。

朝比奈首曳図屏風 いゃ、やめようよ、もぉ・・・と言いたくなる二人。鬼の顔つきを見て似てはいないのだが「狂女図」をふと思い出した。

風仙図屏風 強風注意報発令中。コケてる人々のツラツキが楽しい。背後の木々の動きが凄い。墨の濃淡がとても効果的。

商山四皓図屏風 線の肥痩が面白いし、こちら向きの人物の顔がまた・・・いいのかそれで?面白く眺めた。

ビゲローコレクションから。
ホウ居士・霊昭女図屏風(見立久米仙人)宝暦9年(1759) 父と娘らしいのだが「見立て久米の仙人ではなぁ。困ったおじいさん。しかし娘のふくらはぎは確かに綺麗。
家財道具を見ていると、タチの悪い古道具屋に掴まされたものばかりかも、と思ったり。

雲龍図 宝暦13年(1763) 胴が欠落しているらしい。なるほど竜頭蛇尾ならぬ竜頭魚尾。
ある意味「水を呼ぶ応竜」にも見えぬこともないか。
これを見ているときに、すぐそばで辻先生がお連れの方と修復について話されてて、ドキドキしながらそっっと拝聴したのだが、ドキドキしすぎて内容を忘れてしまった。
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鷹図は二枚あり、どちらも力強い。特に墨絵のほうが勢いがいい。

虎渓三笑図屏風 どう見てもジェンカ・ダンスをする三人組。楽しそう。この題材を蕭白は好んだらしく、他にもいくつか見ているが、ここの三人組もとても可愛い。
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山水図屏風 楕円と筒型で出来たような人の姿が遠くに見える。幽山深谷。建物はものさしで書いたような、そのくせ指が震えているような・・・

酔李白図屏風 酔っ払いのおっちゃんの介抱は大変である。人々の顔つきがとても面白かった。

以上、相変わらずふざけたような感想ばかりだが、本当に面白かった。
この展覧会は長期戦なので再訪するつもりだし、来春には大阪にも来るから、そのときはまた天王寺まで行く予定。
ありがとう、東博。
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コメント
王昭君とは
 何のことか 知らなくてね。 何年か前 熊本城のところ新しくなったでしょ 
 王昭君の間て何?と思っていたんです。 足立美術館で 絵を見て知りました。
 今年こそ 桜を見に熊本へと思っていますが・・・・
 清正公は 秀頼を 熊本に 呼ぶつもりで あの絵を描かせたのでしょうか。
 東西の綱引きの時代 スリリングで 今考えても恐ろしいです。
2012/03/28(水) 20:56 | URL | 小紋 #-[ 編集]
Re: 王昭君とは
☆小紋さん こんばんは
わたしはけっこう子供の頃から中国の伝説や故事や歴史が好きでしてね(現代の大陸は厭なんですけどw)、王昭君の物語は小さいうちから悲話としてせつなく想っていました。
ところが陳舜臣「小説十八史略」で「後宮にいるより大事にしてくれる所へ行くほうが幸せ」というのを読んで、「そうか、それも一理ある」と妙に納得するようになったりしてます。
まぁ陳さん以外は誰もが「悲話」として彼女をみておりますが。

>  清正公は 秀頼を 熊本に 呼ぶつもりで あの絵を描かせたのでしょうか。
>  東西の綱引きの時代 スリリングで 今考えても恐ろしいです。

怖い推理ですね・・・ww
そういえば秀頼は薩摩へ落ち延びたという伝説もありましたね~~
2012/03/28(水) 23:15 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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