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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

花の美術

大和文華館の「花の美術」展を楽しんできた。
今回はチラシがなくポスターだけだが、綺麗な作品が集められているのがよくわかる。

<梅>
最初に朝鮮絵画が現れる。
孟浩然の故事を描いた「灞橋尋梅図」が2点あった。
朝鮮中期の作者不詳の一枚ものと、色んな絵師による書画冊からのものと。
こうして思えば孟浩然という人は旅をよくする人だったのだ。
孟浩然と言えば「黄鶴楼」の送別を思い出すが、逸話がある分、画題にもなるのだった。

清朝の蘇州版画もある。芥子坊主な子らがいる。蘇州版画もこの程度の彩色ならまだそんなにキッチュさが前面に出なくていい。

墨梅図 汪士慎 乾隆6年の作。本当に近年は明清絵画の面白さと言うものを知るようになった。やはりそれは関西在住の一得だと思う。
この梅のシャキッと鮮烈な白さが眼に残る。枝の鋭さに心を貫かれても、それは痛まず、却ってその傷から、新しい生命が芽吹くような気持ちになるのだった。
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白梅図屏風 芦雪 ああ、これを見るのも久しぶり。個人蔵のを借り出してこられたそうだ。梅の幹のそっくり返り具合がいい。そして根元の影が面白い。
力強くて立派な梅の木なのだった。

四君子図 梅逸 作品リストの表紙を飾っていた。一目見て「梅逸ぽいな」と思ったら梅逸だった。嬉しい。画面は真ん中あたりで斜めに分割されて、左上に鋭い白梅と竹が集まり、右下に色のやや強い菊などが配されている。
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やきものでは青花、五彩の瓶に黄釉梅花文筆が出ていて、楽しく眺めた。
いつもの大きな有田の梅文大壷も可愛くて、やはり梅はいいなと思うのだった。
今回は他に織部の可愛らしい梅文皿とマイセン窯の梅竹にトラの皿がよかった。
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<椿>
清水の銹地色絵梅椿文徳利が可愛らしい。
螺鈿耕作文棚 解説によるとこれは日本・朝鮮・中国のどこの生まれかわからない棚らしい。
形は一見日本風なのだが足は朝鮮風で、というようなキメラな棚。
しかし螺鈿は煌き、どこの国だろうが東アジアで生まれたのは確かそうな。良い棚だった。

<蘭>
蘭石図屏風 蕪村 花の絵よりも葉や茎が目立つ蘭だった。そういえば蘭はなかなか咲かないものだった。そんなことを思いながら洒脱な筆遣いを見ている。
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<桜>
寝覚物語が少し出ていた。今度の名品展にも出てくるが、絢爛豪華な絵巻である。

慶長17年(1612)の稲富流鉄砲伝書が出ていた。
達筆な文字もさることながら、その華麗な表具にも目を瞠った。金銀泥に墨痕淋漓。鮮やかな印象が残る。

古九谷様式の桜文徳利も愛らしいし、嵯峨棗の枝垂桜もいい。
金銅桜花金具は非常に愛らしく、これを小さなアクセサリーにしたいと思った。

<牡丹>
磁州窯の北宋時代の掻落もいいが、金代の赤絵の小壷が可愛くてならない。
近年は赤絵の小さい可愛らしいものによく惹かれる。

花鳥図 景文 不意にこの絵があらわれて、さっきまで見ていた中国風な絵が飛んでしまった。雀の首の小さな強さ、羽ばたき。
そうしたところに鎖国したからこそ生まれた、和の美の髄が現れているように思えた。

<蓮>
金銅蓮華文磬 これは実物よりモノクロ印刷の方が妙に面白い。渋みが出るからかもしれない。
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高麗時代の細首の瓶があった。わたしの最も好きなやきもの。青磁象嵌。水禽たちの和やかで静謐な世界がその小さな空間に広がっている。
本当に静かな、静かな世界。

<菊>
釉裏紅菊唐草文鉢 元から明初の景徳鎮で生まれた可愛らしい鉢。

<秋草>
平安時代の鏡が出ていた。10cmほどの丸い鏡はいわゆる羽黒鏡。秋草に蝶や鳥がふらりふらり飛び交うような柄。

高台寺蒔絵の盆もあり、秋草とはいえこの時代のそれで表現されると派手になるものだと思った。

<山茶花>
田能村竹田の画帖から。この山茶花はしっとりと愛らしい。

色々と楽しい気持ちで眺めた。
庭園の梅はまだ名残の美を見せている。
寒あやめも咲いているし、椿もある。
三春の滝桜はまだ咲いていないが、次の展示の頃にはどうなるか。
「花の美術」は4/8まで。
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