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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

中国陶磁の文様世界~龍の肉球・獅子の睫毛~

白鶴美術館の春季展示が面白い。
タイトルだけでもそそられる。
『中国陶磁の文様世界~龍の肉球・獅子の睫毛~』
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ここのお宝たる白地黒掻落龍文梅瓶の黒竜の手を見よ。
ジャーーーンッ肉球!三つもある。
それに気づかれた学芸員の方が出された本はこちら。
その龍に肉球はあるか?―ささやかな日常感覚から見た古美術その龍に肉球はあるか?―ささやかな日常感覚から見た古美術
(2010/07)
山中 理


満を持しての登場。
この肉球の龍は造形的に不思議な様相を見せている。異形と言うてもいい。尻尾は魚風で足も少なく、しかも尻尾は裂けている。魚な龍つまり「魚辰」・・・魚屋さんの屋号のようだ・・・解説を読むと、本当に学芸員さんのウキウキ心が感じられて、それだけでも楽しかった。


白鶴美術館は山の上にあるので気合を入れて坂をずんずん上って行くのだが、しんどい。しんどいけれどついた途端に気持ちが明るくなる。
坂の上の雲ではないが、やっぱりいいところにあるなと想うのだった。

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五彩魚藻文壷 明代のハキハキした動きの魚藻文は人気だったようで、染付のよいものを見ているが、ここにあるのはカラフルなもの。
福岡市美術館、MOA美術館にも兄弟がいるそうな。
この手の壷を見ていると、必ず思い出すのが魚類都市。澁澤龍彦「犬狼都市」で語られる敵国はこんな雰囲気ではないか、と勝手に思うのだった。

五彩武人図有蓋壷 こちらも明代のカラフルな壷で、肉付きのよい男たちが格闘技を披露している。いつもこれを見ては「水滸伝」を思っている。
さてこの壷には睫毛アリの龍の着物を着た人もいて、壷の下部に描かれた獅子にも睫毛があるということが示されていた。
注意力散漫なわたしはそこまで気づかなかったので、今回それを教わり「ほほー」と感心する。こういうところに着目されるのは、やっぱりいいなぁ。
こちらは格闘技だが、出光所蔵の壷は綱引き。先般「明清 陶磁の名品」展にも出ていた。
そして白鶴と出光の壷は一対だったらしい。鴻池家伝来。

ところで前述の本が出てから、わたしも龍の肉球を観察するようになったが、白鶴だけでなく、出光にも肉球を持つ龍がけっこう多いことに気づいた。(明代のやきものでは)
尤も、肉球だと思っていたら実は手の甲のウロコだった、ということもあるのだが。

金襴手獅子牡丹唐草文八角大壺 チラシの睫毛獅子の住まうのは、この壷の下部。
解説に懐かしいことが書いてある。
獅子の口元が、オバQのラーメン大好き小池さんの口元に似ている、ということ。
ムニ~となってるからなぁww 
小さい頃、近所の小池さんの前を通るとき、必ず「小池さん、ラーメンずるずる!」と騒いだのはわたくしでした・・・

金襴手八仙人図瓶 蓬莱に住まう八仙の姿が描かれているが、紅一点の何仙姑の瞼と、藍采和の笛吹きが印象に残る。

染付動物花鳥文六角口壷 六面にそれぞれ吉祥柄がある。蜂の巣をつつく猿、なんてのはどう考えても次の不幸を予測させるのだが、実は中国では音感から吉祥文様と言うことになっているらしい。虎と鳥、これはカササギかな?羊と鷲と言う取り合わせもよくわからない。染付自体はかなり濃いもので、色だけで見れば、非常に好きな色合い。

狩野永徳「四季花鳥図屏風」が出ていたが、修復したのか、非常に綺麗に見えた。
赤ゲラ、菫、タンポポ、やまがら・・・

いかにも唐な盤や瓶を見た後、久しぶりに三彩詞文枕を見た。
「月明満院」で始まる詩歌で、失恋の歌らしい。「七娘子」という歌で、以前見たときに歌詞を書き写したが、今それを挙げるのはちょっとむりなようだった。

白掻落唐子文枕は金代のもので、図柄が楽しい。蘇鉄らしき木を中に、一人は鳥かご?を持って歩き、後の一人はねずみ?を抱えて歩いている。
何かしら意味があるのかもしれないが、わたしは知らない。

玳玻な天目茶碗が集まる。
玳玻梅花天目茶碗 可愛い。花の降る空を閉じ込める。有元利夫の絵のようだ・・・
玳玻倶理天目茶碗 なんだか凄い拵えである。かっこいい。
玳玻鹿の子天目茶碗 可愛い。愛でたくなる可愛さに満ち満ちている。

絵では高野大師行状記の一巻が出ていた。母のもとに稚児僧が来る夢。馬や犬だけが!となる情景。

沈南蘋 巌上孔雀図 妙に元気な孔雀がいる。
蕭白 牡丹鷹図 ピンクに紫の牡丹が咲いている。今風な彩色。鋭い鷹がキリッ!

獅子の睫毛と龍の肉球を堪能してから新館へ向う。

中東絨毯の動物文様。わたしは幾何学的な文様や花柄もいいが、こうした動物文様がまた面白くて好きだ。
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左側はまさに「花と龍」ですww 
そして右側のライオンはなかなか勇ましいのだった。
木々に鳥の巣があり、孔雀や鸚鵡もいる。獅子vs鹿、豹もいる。ヤギの首を噛み切って血まみれだったりする。
コヨーテらしきものが樹上のリスを威嚇する。それをさらに豹も狙っている。
前から好きな絨毯なので、こうして一部だけでも画像があってとても嬉しい。

全て一対になっている動物絨毯もあった。
鳥、兎、鹿、馬、猿、孔雀、獅子。目つきの悪さもご愛嬌になっている。
連続文様でも手間が掛かったろう・・・

獅子が鹿をかむ図のあるのを見ていると、どことなく曼荼羅を思い起こさせてくれる。
ジャータカにもそんな話があったのかもしれない。

ペルシャの領主の狩猟とヤギ飼い。これも以前からなんとなくわかるようでわからないナゾの話。だからこそ面白いのだが。
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旧館も新館も6/10まで楽しませてくれる。
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