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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

野口久光 シネマ・グラフィックス 黄金期のヨーロッパ映画ポスター

二年ほど前にニューオータニ美術館で「生誕100年グラフィックデザイナー野口久光の世界」展を見た。
そのときの感想はこちら
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今回は「野口久光 シネマ・グラフィックス 黄金期のヨーロッパ映画ポスター」展である。同じ内容ではなかった。
二年半前の展覧会でも随分ときめいたが、今回はまた規模が大きくなっているので、以前よりずっと楽しめた。
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古い欧州大陸の映画は元から好むところである。
野口久光のポスターも資料として度々目にしてきた。
ここにある映画ポスターだけでも150枚ある。同じ映画のものもあるが、それにしても凄い点数である。
ポスターはいずれも叙情性に満ちている。一目見ただけでその映画へのうずくような執着が湧き出してくる。

感想は変わらない。増すばかりで、減ることはない。
いいものは何十年経とうが変わらずいい。
新たに眼にしたものはそこに加わるばかりである。
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今回の展覧会ではポスターや本の装丁のほかに、野口がポスターを描いた映画を数分ずつまとめた総集編と、予告編の上映があった。場内2ケ所で映像が流れている。
また、今回はポスターに描かれた作品の概要も書かれているので、話を知らない人にもよく伝わっているようだった。

30分ばかりの総集編は、東宝東和30周年記念に編集されたものだった。
まずはドイツのウファ映画から始まっている。
・ジークフリート 森の中、怪龍との戦い、白馬から降りるジークフリート。凄い筋肉。
・アスファルト ナチの男を踊り子の女が引き止めたり・・・
・月世界の女 空を飛んでいったSFもの。無声映画。
ここからはトーキーが集まる。
・ハンガリア夜曲 にこにこカップル
・嘆きの天使 ディートリッヒの歌声のシーン。校長ニヤニヤしている。
・制服の処女 少女を諭すシーン ああ世界中「エス」の時代だったのね・・・
・未完成交響曲 丁度映画のメインテーマを歌うシーン。高校のときにTVで見た。
・別れの曲 ショパンとリストが背中合わせでピアノを弾いている。
・乙女の湖 いちゃつく二人。女の太ももが立派だった。
・会議は踊る これもあの名曲を歌うシーン。軽快でいい。
・民族の祭典 レニ。今見ても映像は素晴らしい。聖火をつなぐ。
フランス映画へ。
・巴里祭 みんな踊っている。
・にんじん 孤独な少年のもとへ迎えに来る幼女。
・ミモザ館 なつかしい!大学のときに三越で見た。
・白き処女地 ギャバンがかっこいいー!
・我等の仲間 構図が面白い。本当に映画的な構図。殺人シーン。
・最後の戦闘機 アナベラがきれい。
・女だけの都 ルイ・ジューヴェが変なオヤジ~!
・シュヴァリエの流行児 ミュージカル仕立て。
・どん底 寄り集まるシーン。
・望郷 ううう(涙)ギャビーッッッ

映像を見てから再びポスターを見て回ると、もぉ胸がかきむしられるような。ノスタルジイと愛情があふれてきて苦しくなる。
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それにしても今回の展示解説はなかなかよい。
とはいえ一つどう考えても違うのがある。「野ばら」。これは概要のまとめ方がよくないのかもしれない。

最後に予告編を見ると「埋もれた青春」をしていた。冤罪で青年の時間が奪われて・・・
丁度日本でも考えさせられる事件の再審問題があったところ。
深く考えさせられる映画は、たしかにかつてあったのだ。
ポスターを見て、また色々と赤く考えさせられる。

写真ポスターより、野口久光の主観が強く活きる絵ポスターのほうが、より一層映画を名作にしている、と改めて思った。
6/24まで。大雨の中、出かけた甲斐が本当にあった・・・

追記:2015年「シネマブックの秘かな愉しみ」展チラシよりモーションピクチャーライブラリー1945-1949
野口の表紙イラスト。
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コメント
No title
へ〜、おもしろいですね〜

「大人は判ってくれない」なんかすごくいいですね〜
昔は映画が途方もなく大きなもので、今のハリウッドとは別の形で、かなりお金がかけられていたんですね。
写真とはちがう、絵のもつ力というものをありありと感じさせられます。
みてみたかったな〜
2012/06/18(月) 20:33 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
☆とんぼさん こんにちは

以前に見たときも「おお!」と感銘を受けまして、感想はほぼそちらにまとめてて、今回はもう殆ど騒いでるだけですが、よかったです。
やっぱり映画の面白さは作品だけでなく、その前触れとしての宣伝ポスターの力もあったなあと思います。
2012/06/19(火) 09:27 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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