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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

茶碗と名碗をみる 湯木美術館/樂美術館

6/24までの茶碗の名品展を二つ見る。
大阪の湯木と京都の樂と。

湯木美術館の「名物記に載せられた茶碗と名碗たち ―高麗・樂・国焼を中心に―」2期展に出かけた。1期にはうっかりと行き損ねてしまった。
今年湯木美術館は開館25周年ということで、所蔵の名品を惜しみなく展覧してくれる。
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松平不昧の『雲州蔵帳』、鴻池家の『茶器名物図彙』、高橋箒庵の『大正名器鑑』、そこに現れる茶碗たち。
実際そこに出ている名品が湯木コレクションの中枢をなしているのだが、今回は特に茶碗を厳選して展示している。
ケースごとに短く感想を書いてゆこう。

1.
禾目天目 綺麗。長時間に亙り星の動きを撮影するとこんな風になる、と思う。
高麗青磁雲鶴文筒茶碗 象嵌の雲鶴がいい。色の濃い青磁。

2.
瀬戸唐津茶碗 銘・郭公 「雲州蔵帳」所載 目跡4つ。三日月形の釉切れがある、と説明されているが、紡ぎに見える。
色絵武蔵野文茶碗 仁清 さわさわさわさわとススキが生え、それに白釉薬掛け流し。まるで上品な甘いせんべいのようだ。

3.
黒樂平茶碗 道入 その平たい見込みに面白い継ぎが走っている。地図の「桑畑」の印のような。そして金色の星々がきらめく。平茶碗はノンコウから始まったのだ。

4.
井戸脇茶碗 銘・長崎 「大正名器鑑」所載 長崎とは医師の姓。茶溜りのところに水色タイルのような釉の集まりがある。
御所丸茶碗 銘・由貴 白に白刷毛の白々しい茶碗。銘は耳庵による。

5.
御本茶碗 銘・ねじぬき 高台が高い。高台の内側から腰に掛けての渦巻きを「ねじぬき」と見立てた。力強いねじ抜き。妙に可愛い。
絵御本雲鶴文筒茶碗 呉須でサッと描かれた雲鶴文。「ああ呉須やな」と思って解説を読むとやはり呉須だった。こういうところから目を養い、ものを覚え、楽しませてもらうのだ。

6.
赤樂茶碗 銘・三井寺 道入 熟柿のような色合い。わたしは熟柿は食べたくないが、関西の古いご婦人方は熟柿が好きだというのをよくよく実感する。
それどころか熟柿好きか否かをちょっとした判断基準にしてみたり・・・
これはさすがに熟柿に似てるだけあって、光らない。
黒樂茶碗 一入 馬盥型。キラッと光る。
黒樂平茶碗 宗入 もっちゃりしている。「初代に返れ」のひとだからか。
赤樂茶碗 槌の絵入り 左入 「茶器名物図彙」所載 これも200碗の一つ。

7.
色絵扇流文茶碗 仁清 「大正名器鑑」所載 これは永樂保全、道八、眞葛長造らも写しを拵えていて、とても人気が高い。その本歌。この茶碗は以前この湯木美術館のチケットの絵に使われていた。
銹絵山水文茶碗 乾山 深省サインかどうかは忘れた。「天賦山林楽晩年」と書かれている。
こういうココロモチには到底なれそうにないが、見るぶんには最近は好ましい。
雲堂手写茶碗 永樂保全 前から好きなもの。絵よりも色がいい。
安南写蜻蛉手茶碗 永樂保全 トンボがぼやっと。こういうのを絞り手として珍重したらしい。わたしはやきものは濃いダミなのが好きで、どうも呉須もこの絞り手も古染付もニガテなのだった。
仁清写茶筅売文茶碗 眞葛長造 「香山」印のついたもの。晩年の作らしい。茶筅売り。売茶翁ではなくにか。

8.
宋赤絵馬上杯形茶碗 連続文様が可愛い。金~元代だというのも納得。
井戸平茶碗 目跡4つに指跡2つ。小皿風で可愛い。

9.
銚子 古清水花文 これは以前からとても好きな銚子で、隙間なく華やかなもの。

小さい美術館だが、湯木はいつ来ても満足する。
3期は6/27~7/31。


樂美術館に行く。秘蔵品、初公開品といわれる名碗が出ているというのでテクテクと。

長次郎 黒樂 銘・勾当 渋い黒樂。どちらかというとニガテ。星の入ったような樂が好きなので、この渋さがよくわからないのだ。

わたしは樂十五代のうちでは三代目の道入、通称ノンコウがとにかく好きで仕方ないので、ノンコウのきらめく黒樂にときめいてしまう。

だから今回も目を転じる度にノンコウのこしらえたものを「見てしまう」のだった。
この幸せ感はこたえられない。

そのノンコウの作品を見る。
筆洗形黒樂 四隅が三角耳にとがっているように見えて可愛い。猫形ではなくバットマン形。きらきらしてきれい。

次にほかの代の作品を見る。

六代目 左入 赤樂 銘・カイカウ 開口という茶碗。外側の胴回りに指押しでへこんだ部位がある。そこがいい景色になっている。
これは左入200のうちの一つ。

七代目 長入 黒樂 どっしりキラキラ。

十代目 旦入 一入 朱釉黒樂 150回忌に拵えられたもの。不思議な色合いでムラムラな茶碗。ちょっとグロな風に見える。

二階へあがる。ここの美術館は面白い構造をしている。気分の切り替えがある。
また今回も引きつけられたものはノンコウの作品だった。

ノンコウ 葵御紋茶入 平べったく蓋が大きい。一見したところ干し柿のように見え、妙においしそうだった。干し柿を上から圧したような。

ほかの可愛いものを見てゆこう。
慶入 青磁蓋四方香合 上から見ると四角をずれ重ねて置いて、それをポイントにしているのが可愛い。色もきれいな薄青。

旦入 虎香合 小さい虎が蓋にいる。黄色と黒のシマシマがちゃんとある。とても可愛い。

一入と宗入の獅子香炉が対として展示されている。
赤の一入、宗入の黒。可愛い獅子二匹。四つ足を踏ん張ってガオ~ッッ うまいこと対にしたものだ。

最後に今回初公開の秘蔵品を見る。
長次郎 黒樂 銘・万代屋黒 利休の女婿に伝わったそうだ。重い、とても重く感じる。

ノンコウ 黒樂 銘・唐衣 胴に黄ハゲ釉が二つばかりふっくら斜めに走っている。 
可愛くて可愛くて仕方ない。
じっくりと目で撫で回して溺愛した。

一入 赤樂 銘・むかしばなし 小大丸伝来の一品。筒形で大きい。

楽しく眺めた。やっぱりノンコウが一番好きだが、歴代の名品はその存在感が大きい。
6/24まで。
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