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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

屏風絵 大画面と立体感の魅力 

高島屋史料館で「屏風絵 大画面と立体感の魅力」展が前後期に分かれて開催されている。
前期・後期ともども素敵な作品が多く出ていたので、併せて感想を挙げたい。
なお作者名の分かるものと不明のものがある。
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高島屋はご存知のように呉服屋さんから出発した百貨店である。
皇室とのかかわりも深く、今も皇室アルバムなどの番組のスポンサーである。
そして高島屋当主はかつて代々「飯田新七」を名乗り、上方の日本画家を支援し続けた。
だから高島屋史料館の所蔵品を見ると、驚くほど多岐にわたって名品があるのだった。
今回はその中でも特に屏風に絞っての展示である。

最初に奥村土牛原画だという歌舞伎座の緞帳下絵がある。
白木蓮を描いたもので、この実物にはちょっと記憶がないが、いい絵である。

☆日本画
・吉田善彦 櫻 薄墨の枝に薄色の櫻。やさしい雰囲気がある。
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・山元春挙 富嶽の図 雄大。どーんっと富士がそこにある。伏見の飯田家・呉竹庵で使用されていたそうだ。
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・岸竹堂 龍 どこにいるのかが見えない・・・それはそれでいいのかもしれない。

・富田渓仙 風神雷神 琳派の風神雷神とは趣の違う、しかし可愛らしい二人組である。こういう風神雷神の二人組は空から落ちても地上で機嫌よく前棒・後棒を担いで働きそうである。

・松村景文 鹿 二曲一双 座して寝る牡鹿と立ってどこかを見る牝鹿と。若い鹿っプル。

・松村景文 鹿 四曲一双 襖を仕立て替えした屏風。
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・島成園 お客様 夏祭りの頃の大阪の商家。小さい姉妹が来る。妹は稚児輪を結うている。姉妹はそれぞれ綺麗な着物を着て、ちんまり座っている。胸元には共に筥せこがある。なつかしい大阪の風俗である。昭和4年。お菓子もきちんと出されたお客様。
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・川端龍子 潮騒 かもめもいる。どーんっと雄大。龍子の絵はいつもその場を飲み込む。

・西村五雲 崖にトラ ガオーッと力強い。

・上田萬秋 孔雀 墨絵。堂々とした孔雀。広がる羽。ショーの主役、という風格がある。

☆美術染織品
・雪の金閣寺 刺繍ではなく染織だとわかっているが、それにしても手の込んだ綺麗な風景画である。大きな図で、外人から見ればいよいよ荘厳に見えるだろう。
明治24年、例の大津事件で明治天皇がニコライ皇太子にお見舞いの品を贈った。
高島屋はそれを請け負ったのだった。
・ 芥子に蝶 綺麗。白とピンクの芥子の花に蝶々がひらひら。やさしい。
・ 小溝一夫 蝋纈染屏風 菊などの連続パターンを段々にしている。
・ 野口真造 田の四季 ちょんまげの人々が楽しげに働く農村風景。猿回しも来た。いねこぎもする。可愛い村人たち。
・ 金地草花文 白牡丹、赤い花、花菖蒲、アオイ、水仙、朝顔、などなど入り混じる。

☆下絵
・都路華香 水辺雨鷺 たくさんの鷺が待機中。雨で羽がぬれるのがいや、というわけでもなさそうだが。14羽いた。飛んでゆくのは3羽。芦辺の鳥たち。
・ 波に獅子 にゃーっギャオーッ・・・な獅子たち。
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・ 薔薇図 カクカクした薔薇たち。ピンクと黄色の花。♪薔薇のマークの高島屋
・ 罌栗図 近代日本画というより大和絵風な趣がある。線の微妙な揺らぎがある。いや、もっと言うと白土三平の描くようなコクリコ。赤白の花。
・ 神坂雪佳 光琳風草花 下絵だが、アジサイなどはいかにも雪佳らしい色が出ている。キキョウにタチアオイ、という花の集いは確かに琳派。ユリも可愛い。
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・ 四季草花図 牡丹と叭叭鳥、白鷺に木賊と花、紅葉と鹿、南天にキンケイと水仙。こういう取り合わせは楽しい。そして面白いことに、これは春夏秋冬が対になっていて、叭叭鳥vs白鷺、白鹿は隣の赤い南天を見る、という構図でもある。
・ 長閑麦畑 麦にタンポポ、菜の花、その穂の上でヒバリが驚いたように飛び上がる。可愛い。こういう風景は確かに昔あったろう。
・ 井口華秋 藪中南天に鵯 南天の赤だけが鮮やか。シルエットの笹もある。ヒヨドリは竹林の中。スミレも少し咲いていた。

☆雛形屏風
・川岸の桜・春景色 可愛らしさが先にたつ。絵がどうのよりも、それがまず最初。
・ 池に鯉・池・鯉 ヴァージョンがあるのが面白い。可愛い絵。ハスの咲く池。
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・ 尾長鳥(孔雀)・花車 尾長鳥(孔雀)とあるが、実のところ「白鳳凰」にしか見えん。白い朴が咲く。また花車の豪華さがいい。狩野派のような絢爛さ。木蓮、椿、ひまわり、朝顔、墨牡丹などなど・・・
・ 百合(3点) 山百合と白百合、姫ゆりの群れに黒百合ひとつ、あふれるユリ群・・・鉄砲ゆりに黒百合も3本咲く。可愛くて仕方ない。ぴっぴっと咲くのが愛しい。
・ 富士遠方・山水 春から冬へ。塩谷文鱗風な絵。

こういう展示を無料で開催してくれる高島屋史料館には、ただただ感謝の念が湧くばかり。
ほんと、いいものをいっぱい見た・・・

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