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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

マウリッツハイス美術館展

マウリッツハイス美術館展に行った。
すごい大混雑だと聞いていたから気合を入れて出かけた。
なるほど確かにすごい人出である。
ただしそれはフェルメールの「真珠の首飾りの少女」を間近で見たい人の行列。
ほかはそんなに苦しくはない。しかし大繁盛はしている。

東京都美術館が新装開店して最初にこの状況というのは、めでたい。
どんなによい企画を立ててもお客さんが来てくれなければ、本当に困るのだ。
文化受難の時代を実感する。

さて通路を通り会場へ入ると、以前と大きく違っていることに気づいた。
どこか明るいのだ。照明の問題なのかもしれないが、いいキモチで見て回る。
ただ、わたしは17世紀のオランダ絵画が多少ニガテなので、いつも以上にわけのわからない感想を書いてゆくような気がする・・・

第一章 美術館の歴史

アントーン・フランソワ・ヘイリヘルス マウリッツハイスの「レンブラントの間」 
今回の展覧会で一番新しい作品。1884年。解剖している図が見えた。その図の本物は随分前に天王寺の美術館で見ている。
二重構造の絵にはそんな楽しみがある。

第二章 風景画

ライスダールの絵が三枚あるわと喜んでたら、サロモンとヤーコプと二人いたのか、と初めて知る。ライスダール=白雲ということで覚えた画家だが、どちらの絵にも白雲があるので、今後はきちんと分けて覚えなければならない。
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ヤーコプ・ファン・ライスダール 漂白場のあるハールレムの風景 布晒し。思えばこの作業の手法は万国共通かもしれない。やはり白雲あり。

ヤン・ポト イタリア風の風景 夕暮れなのか、帰る人々がみえる。山は人の行く道でもある。

第三章 歴史画(物語画)

ヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレン 四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪 
天使やフルーツてんこ盛りの可愛い花輪。白兎もいる。珍しい。白兎が実は日本固有の種でアルビノだとはついこないだまで知らなかった。それ以来泰西名画のウサギは茶色いのが「多いなあ」から「普通」と思うようになったのだが。

ルーベンス 聖母被昇天(下絵) 「フランダースの犬」のネロが見たのはこの絵の完成品。高いお金をとって見学させていたのだったか。わたしはアニメのネロのイメージがあまりに強すぎて。ウィーダの原作をまともに読んでいない。
だから解説で、「ネロが母の面影を聖母に重ねた」とあるのを知って、びっくりした。
つまりアニメではネロは「画家」としての魂からこの名画に焦がれていた、と演出されていたし、それを見たことで魂の満足が生じ、やさしい死に顔を見せた・・・わけだが、この聖母に母の面影を見たということになると、前提であったはずのネロが絵描きになりたい、ということも弱い理由になってくるように思った。
どちらがいいのかは、今のわたしには言えない。
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レンブラント スザンナ カメラ目線のスザンナ。スリッパだけは履いている。つまり「見る」われわれは彼女の裸身を盗み見るデバ亀の長老たちと同じだということになる。

図像学を学んでいないので、わからないのが以下の二点。
レンブラント シメオンの賛歌 水色のマリア
アーレント・デ・ヘルデル シメオンの賛歌 爺さんがイエスを抱っこする。

フェルメール ディアナとニンフたち 肌の色がとてもきれいなのだが、この絵はさほど注目されていないのか、絵の前に人があふれることはなかった。
黄色い衣装を身につけた二人の女とほかの女たち。そして白に茶斑の犬。思えばこうした構図は青木繁なら「天平時代」になったり「享楽」になったりするのかもしれない。
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第四章 肖像画と「トローニー」

フェルメール 真珠の首飾りの少女 これを間近で見たい人の列が大きかった。わたしは少し離れて彼女を見た。間近で見る愉悦を手放すのは惜しいが、遠くから彼女を見つめる楽しみは残されている。ナゾの表情。
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彼女は以前大阪に来たとき「青いターバンの少女」と呼ばれていて、街に貼られたポスターを見て、「岸田今日子のポスター」と言うたひともいた。
天王寺公園の一角には彼女の来日記念に「フェルメールの小道」が整備されている。
眼の大きさも魅力的だが、その下唇にいちばん惹きつけられる。

フランス・ハルス 笑う少年 可愛い。無邪気に笑う少年。むき出しの歯が明るい。
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レンブラント 笑う男 ごきげんさん。

第五章 静物画

ヤン・ブリューゲル(父)万暦染付の花瓶に生けた花 この染付花瓶の美しさに惹かれた。
青さの美しさ。チューリップ、バラなどが生けられているが、とても似合う。
今回、いちばん惹かれたのはこの絵。
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フルーツが気にかかる絵が三点。
アブラハム・ファン・ベイエレン 豪華な食卓 桃がとにかくおいしそうである。
ヴィレム・ヘーダ ワイングラスと懐中時計のある静物 レモン、乾きすぎ。
アドリアン・コールテ 5つのアンズのある静物 杏か李かは知らないがおいしそう。

カレル・ファブリティウス ごしきひわ 可愛い小鳥。リアルな画法。

第六章 風俗画

ヤン・ステーン 恋わずらい 助演賞はわんこにあげたい。女を見上げるまじめな顔。

ヤン・ステーン 牡蠣を食べる娘 エロティックな意味合いを含むそうだが、そんなことより、実際に牡蠣が食べたくなってくる。牡蠣を食べるのは欧州では英国だけかと思っていた。

ピーテル・デ・ホーホ デルフトの中庭 パイプを吸う男と、ビールを飲み干す女と。行儀がよくないのだが、絵から処世訓をたれられたり何かの暗喩を考えるより、キモチよさそうという感想が最初に湧いてくる。

ヤン・ステーン 親に倣って子も歌う 猥雑な感じがいい。
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もう少しまともなことが書けたらよかったのだが、好き勝手なことを書くばかりになった。
なおこの展覧会は絵画作品を楽しむのが本来の目的ではあるが、グッズに非常に力が入っているので、こればかりはやはり現場で見て・選んで・買ってほしい。

9/17まで。
9/29~1/6は神戸市立博物館
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