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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

富久邸 ヴォーリズの和風建築

先日、堺の富久邸にお邪魔した。
こちらはヴォーリズの手がけた「近代和風住宅」なのである。

ヴォーリズの和風建築は見たことがなかった。
個人のおうちでも、たとえば北白川の駒井邸のような洋館でありつつも、「和」(=なごみ、でもある)が生きる建物も見ているが、本当にこのように完全な和空間は初めてだった。
今回はご主人の富久さんが東京に居住されているため、このおうちの価値をわかっていて、丁寧に、そして愛しながら借りてくださる方を求めての、一般公開だった。
主催は東京のTATO DESIGN株式会社
ツイッターでこのことを知り、見学させていただくことにした。
(なお賃貸の詳細についてはTATO DESIGNの大山さんまで)

同行する友人は共に近代建築を見て歩く方で、これまでにも多くのヴォーリズの建物を見ている。非公開の建物も含めると一体いくつになることか。
ヴォーリズ研究家の山形政昭先生には及ばぬが、なんとかがんばって残された建物をすべて見て回りたいと願っている。

今回、お許しをいただいて少しばかり撮影した。
デジカメの電池不足で、素晴らしい細工の数々をお伝えできないことが残念ではある。

門は以前は瓦の乗ったものだったが、随分前に惜しいことに変わってしまったそうだ。
(こうしたお話はこちらで育った当主の方のおば様から伺った)
時代を感じるお話の数々を聞くことが出来て、とても有意義だった。

お庭がまた優しい。丁度植木屋さんの手入れがあった日で、鮮やかな匂いがした。

玄関周りから昭和の日本家屋の端正な美を味わうことが出来る。
一度サッシを換えられたそうだが、元の状況に戻されたそうだ。
玄関は家の顔。愛情と尊敬の念を感じる。
画像 464

内側からの眺め。
画像 462
この繊細な作業はもう現代ではなかなか・・・

障子窓、床の間、眺めるほどに味わいの深さを感じる。
床柱のつけ方も現代の形とは少し異なるようで、こうした形式でうちもやってほしかった、と思ったり。
あめ色に輝く木の美しさ。
本当に丁寧に暮らしてこられたのをそこここから知る。

お座敷でこのおうちの図面などを眺める。
昭和八年の建物。施工した大工さんとヴォーリズとはどんな話し合いがあったろうと想像するのも楽しい。

かつての姿。画像 456

このあたりはまだぽつんぽつんとしか家がなかった時代に生まれているのだ。
おば様の少女時代のお話は貴重なもので、昭和の堺の魅力を知ることにもなる。

階段がまたとても素敵。ヴォーリズの魅力を感じる。
画像 457

二階へ上がると洋室があるが、それは北白川の駒井博士の書斎を思わせる。
画像 458

風通しの良い座敷。画像 461

もう一つの座敷の天井にはこんな繊細な美がある。
画像 459

ヴォーリズの書も。画像 460

一階の台所はレトロな美しさのある、機能的なもの。さすがにかまどではなく今は新しいものになっている。
その水周りの合理性・機能性はみごと。

そして仏間があるが、その襖の引きにすごい工夫がある。
これは六甲の山荘でヴォーリズが工夫したベランダの雨戸と同じく、たいへん見事なもので、ほかでは見たことも聞いたこともない。
これぞ匠の技、という感じ。

一階座敷から奥庭を眺める。
画像 455
本当にいい感じ。

堺の閑静な住宅街にあるこの一軒家。この家の価値を知り、そしてこの家を愛してくださる方を求めている。
最後になったが、若いご夫婦オーナーのご親切、おば様の貴重なお話、この機会を与えてくださったTATO DESIGN株式会社の大山さんに感謝したい。
本当にありがとうございました。

なおこのおうちの賃貸に関しての詳しいお話は、こちらのTATO DESIGN株式会社 大山さんまで。
サイトの最後に連絡先などがあります。

ありがとう、富久邸・・・
画像 463

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