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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「特撮博物館」に行って・・・

東京都現代美術館の「特撮博物館」へ出かけた。
チケット購入だけでも大変な行列だと聞くが、会期末の今もたいへんな繁盛振りである。
とにかく入ろう。

2015.5.23熊本市現代美術館のチラシ入手
イメージ (68) イメージ (69)

昭和の特撮がある。
わたしはCGには関心が向かないが、特撮はめちゃくちゃ好きである。
実際自分が'70年代に幼少期を過ごしたことで自慢できるのは、特撮番組を数多く見れたこと、それに尽きるのではないか。
とはいえあまりにその当時は幼くて、残念ながら物語の深い意味を悟ることがない番組も多かったが。

円谷プロのウルトラマンの資料の中で、横から見ると前かがみに見えるウルトラマンのフィギュアがあるのを見つけたり、目の形が怒っているウルトラマンの絵を見たりする。
こういうものをみつけるのがまた楽しい。

わたしが生まれる前の特撮はまた別な面白さがある。
わたしはウルトラセブンと同い年なのだ。だからそれ以前のものはTVの特集などでしか見ていない。
しかしそこに設置された乗り物や武器などを見るだけでわくわくがとまらなくなるのは、やはり特撮愛好魂がうずくからに違いない。
頭の中で”シュピーゲルシュピーゲルシュピーゲル…”と歌が流れてきもする。

ゴジラにはあまり愛着がないが、大映のガメラと大魔神には深い深い愛情がある。
大映の、と書いたがそれはつまり後年作成された角川映画のガメラには愛がないということである。なんで「子供の味方」ガメラを悪役にしたのか。
いまだに腹が立って仕方ない。

昭和の町並みの再現のために木造旅館「清水屋」なるものがあった。その隣には本郷館のような木造三階建ての建物もある。これらを見るだけでも楽しい。

'70年代初頭の特撮ヒーローの被り物を見る。
スペクトルマン、流星人間ゾーン、ミラーマン、ライオン丸、ファイヤーマン、シルバー仮面などなど。
シルバー仮面はリアルタイムには見ず、初めて知ったのはたがみよしひさ「軽井沢シンドローム」の中でだった。その直後にTV大阪で昔の特撮特集放送があり、やっと見た。
スペクトルマンは私の中では最初から「スペクトルマン」だったが、あれは実は「宇宙猿人ゴリ」でもある、というのを知ったのは大学のころだった。
特撮好きの友人(仮に「緑色の我が小さき友よ」と呼ぼう。なお「緑色の我が小さき友よ」とはSW#3における皇帝パルパティーンがヨーダに対しての呼びかけでもある)
「緑色の我が小さき友よ」と共にカラオケに行き、衝撃的な出会いをしたのだった。
科学者ゴリは故郷の惑星を追い出されたのだった。”身震いするほど腹が立つ”とゴリが歌うその歌には本当に驚愕した。
また、これは今回出てはいないが川内康成先生の「レインボーマン」の挿入歌「シネシネ団の歌」以上の衝撃でもあった。いや待て待て、「ライオン丸」の挿入歌も凄まじかったぞ!
・・・・・・・・話はいくらでも横道にそれる。

とにかく、それらのかぶりものがあったのだ。
ライオン丸を見て思い出すのは幼稚園のとき、偶然奥様情報番組で見たドラマの裏側だった。ライオン丸がハンモックで昼寝をしていたのだ。つまりアクションの俳優と入れ替わりの俳優との時間調整か何かでの休憩をTVは映したのだ。
あれはもう生涯忘れられない…
ほかにミラーマンは二頭身の貯金箱を今も持っている。

懐かしいのはほかにもある。ジャンボーグAである。途中でセスナだけでなく車まで変身できるようになったが、車は空を飛べないので、去り際がかっこ悪かったのを覚えている。

次に特撮小屋に入る。
こういう設定も面白い。長靴やワイヤーを見るだけでぞわぞわしてくる。
なんにでも仕事のプロはいるものだが、この小屋には職人への尊敬の念が生きている。

さていろいろ見て回るうちに「巨神兵東京に現る」の短編映画を見るコーナーに来た。
製作者の名前が出る中に「巨神兵 宮崎駿」とあるのを見て早とちりで妄想のヒトたるわたしは、宮崎駿先生がご老体に鞭打つように巨神兵の着ぐるみを着て、東京のセットを壊して回るのか、と勝手なことを思った。…無論そうではないのだが。

脚本と声優の語りは正直好みではない。何を言うているのか聞き取れないということと、むしろ台詞をしゃべらせるのではなく映像にすべきだったのではないか、と思ったりもした。しかし映像そのものは非常によかった。
巨神兵がゆっくりと飛んできて… 口から炎を吐いて…
そしてすべての破壊が始まるのだ。

これほど完璧な破壊と滅亡というものを見るのは本当にいつ以来だろう。
わたしはただただ口を開けて見守っていた。
自分も巨神兵の起こす破壊により、既に死んでいるに違いないと思いながら見ているのだ。
異様な快感があった。
何に昂揚したのか、わたしは非常に強く昂揚していた。
十年ほど前アメリカ映画「ファイトクラブ」を見て、「これを見たのが今の私ではなく<二十歳の私>ならもっともっとのめりこむのに、と思ったものだ。
あれにのめりこむにはもう年を取りすぎていた。

<二十歳の私>は村上龍「コインロッカーベイビーズ」と橋本治「暗夜BLACK FIELD」にのめりこんでいた。
あの頃は、世界が壊れて、何もかもが失われることを望んでいたのかもしれない。
いま、「巨神兵東京に現る」を見て、わたしはあのころの気持ちが蘇っているように思えてならない。抑えていた何かがあふれ出してゆきそうな…

階を進むと、そこに巨神兵が壊した東京の街が再現されていた。
わたしは皆さんと同じくあちこちを撮影した。
SH3B14500001.jpg SH3B14520001.jpg

SH3B14530001.jpg SH3B14550001.jpg
そしてそれを「緑色の我が小さき友よ」と会社の先輩に送った。
二人からそれぞれ嬉しさとねたましさの混ざり合った返事が来て、やっぱりわたしはここへ無理を押してやってきてよかったと思ったのだった。
SH3B14510001.jpg

展覧会は10/8まで。
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コメント
巨神兵
こういうと失礼ですが、男の子目線に見えますねw 愛のある楽しい感想です。
短編映画のナレーションはまったく同感で、ほかにも同様の感想を見かけました。ツレも宮崎駿が巨神兵だと思ったそうです(巨神兵の原案とかデザインとかって出すべきだったですね)。個人的にはジブリの鈴木敏夫プロデューサーに着せて、いじめぬいてほしかったですが。
2012/10/06(土) 10:01 | URL | キリ@kirill_ar #-[ 編集]
夏に見に行って娘も感動!
この展覧会は1日朝から晩までいないと駄目ですねえ。
本当に濃ーい展覧会でした。
夏の日、娘とここを訪れて、多くの展示に唖然。
作戦を間違えたと・・・。
ちなみに、やはりライオン丸のかぶり物にしみじみしました。

>なんで「子供の味方」ガメラを悪役
同感です。私はカメグッズを集めるぐらいカメが好きなので、
あの設定は許せん! とずっと思っていました。

>頭の中で”シュピーゲルシュピーゲルシュピーゲル…”
はい、同じくです。嬉しいです。
2012/10/06(土) 20:49 | URL | 寧夢 #SiaNZQo6[ 編集]
巨神兵と未来少年コナンとカリオストロのルパンの動き
☆キリルさん こんばんは

> こういうと失礼ですが、男の子目線に見えますねw 愛のある楽しい感想です。

いやいや失礼どころか!実際特撮に関しては完全にそうだと思います。
実は私の小学校入学時の机は仮面ライダーでしたし、V3の変身ベルトも持ってました。
それでウルトラマンのソフビも持ってますからねえ~ジマンしとこww

> 短編映画のナレーションはまったく同感で、ほかにも同様の感想を見かけました。

あっやはりそうですか。声質もあるんでしょうけど、ああいうシャベリにあの台詞は合わないでしょう。
中二病みたいでしたね。痛かったです。

> 個人的にはジブリの鈴木敏夫プロデューサーに着せて、いじめぬいてほしかったですが。

・・・(黙って爆笑)。
2012/10/06(土) 21:15 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
母娘で感動とはすばらしい
☆寧夢さん こんばんは

> ちなみに、やはりライオン丸のかぶり物にしみじみしました。

わたし、あれ見てたら自然と ”風よ光よ われらの祈り~~”と口ずさんでしまいましたよ。
ケルト研究者の井村君江さんがやはりライオン丸に深い思いを抱いておられるそうです。
みんな仲間仲間w


> >なんで「子供の味方」ガメラを悪役
> 同感です。私はカメグッズを集めるぐらいカメが好きなので、
> あの設定は許せん! とずっと思っていました。

わたしのなかでは「平成ガメラ」と「逆襲のシャア」とジブリの「ゲド戦記」は存在しないものなんです。
(おっといきなりガンダムにジブリか)

それにしても同意してくださる方が多くてうれしいです。
2012/10/06(土) 21:21 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012/10/06(土) 23:58 | | #[ 編集]
ご指摘ありがとうございます。
☆――さん こんばんは

ご指摘ありがとうございます。
そのとおりだと思います。というか、そこまで確認してませんでした。
教えていただき助かります。
わたしはなにしろ湯浅憲明監督のガメラ作品が好きで好きで、ついつい今でも
♪強いぞガメラ、強いぞガメラ、強いぞガ~メラ~日月火水日月火水・・・
と歌いだす者です。
それだけに「なんでやねん!」の衝撃が大きく、金子監督作品以降のガメラを拒否してしまったので、そのあたり詳しくないのです。

ところで話は違いますが、「戦闘メカ ザブングル」のノベライズ(アニメとはまた全然違う筋ですがとても面白いです)に、「強いぞガメラ」というレビューが出てくるのをご存知でしょうか。
ライターの方の遊び心が楽しい「出演」です。
2012/10/07(日) 22:32 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
私は弟二人と特撮変身ヒーローごっこをして育ったので、
(とっかえひっかえ役を持ち回りで)何にでもなれます(キリッ!)

あの頃の設定はいい加減で、ガメラも最後の方では確かお祭りで売られていた
ミドリガメが変異して誕生したようなことになっていて、子供心に浦島太郎的な
期待に胸を膨らませて亀を飼っていました。
空飛ぶとき、目が回らないかな~とハラハラしていたのも思い出しました。

窓からゴジラの目がこっちを見ているという夢を見なくなってから
何年経ったんだろう… あれこれ思い出してしまい、今晩あたり登場するかも!?
2012/10/11(木) 22:17 | URL | 山桜 #Xlf.8pIU[ 編集]
正義と悪との青と赤~
☆山桜さん こんにちは

うぉー同志!わたしは教室の後ろのロッカーの上でショッカーとして戦うことも大好きでした!

> あの頃の設定はいい加減で、ガメラも最後の方では確かお祭りで売られていた
> ミドリガメが変異して誕生したようなことになっていて、子供心に浦島太郎的な
> 期待に胸を膨らませて亀を飼っていました。

たしか船員が水虫治療に赤外線当ててたのが亀に当たり、ガメラになったとかなんとか・・・

> 窓からゴジラの目がこっちを見ているという夢を見なくなってから

山岸涼子先生がやっぱり夢でそんなのを見ていたそうです。
わたしはゴジラは案外見てないんですよ。
ガメラと大魔神のほうに気合入ってましたわ~~~
2012/10/12(金) 11:19 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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