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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

琵琶湖をめぐる近江路の神と仏 名宝展

三井記念美術館で延暦寺・園城寺・石山寺などをはじめとした古社寺の神仏像、名宝が集められている。
「琵琶湖をめぐる近江路の神と仏 名宝展」
東京初の、と冠がついている。
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チラシには大日如来が鎮座ましましている。快慶作の石山寺の仏様。
そして背後には華籠のシルエットと琵琶湖の影。

この展覧会は琵琶湖文化館の協力があったそうだが、その琵琶湖文化館の再生を、この展覧会の成功を通して、強く願いたい。
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観世音菩薩立像 奈良時代・報恩寺 頭大なのは白鳳時代の特徴とあるが、確かにその「らしさ」がある。異国の風もナマナマしく通っていた時代。
瓔珞の美しさが綺麗。

厨子入り阿弥陀如来立像 鎌倉時代・浄厳寺 たいへん綺麗な厨子。梨地に蓮弁。優美な厨子。

金銀鍍透彫華籠 平安~鎌倉・神照寺 細かい細工がとても綺麗。真ん中は薔薇のようで、綺麗な華がそこここに咲いている。

金銅透彫華鬘 室町時代・神照寺 大ぶりな柄。総角(あげまき)つまりリボンを結んで下げている形。それが刻まれている。

金銅透彫華鬘 寛元元年(1243)・長命寺 総角の下に○△□の石塔があり、梵字がその左右に配置されている。こういうのを「種字華鬘」というそうだ。
下にはジャラジャラと装飾がついている。七月廿日と読める字もある。いい感じ。

梵音具というものがある。磬などがそう。(木魚もそうなのだろうか・・・)
その磬も扇形のものや山形のものがあり、珍しい雲型のもある。
それら三点の磬がそこにある。
金銅雲型孔雀文磬 鎌倉時代・成菩提院 これは山形。中には蝶々の形もあるようで、いずれにしても豪華な美しさがある。

国宝などを配置する2室へ。
金銅経箱 長元四年(1031)・延暦寺 四角い箱の真ん中に「妙法蓮華経」とある。末法の世、法華経への熱望と依存。上東門院彰子(988-1074)が横川の如法堂に埋納したものだという。

4室には仏像がずらーーっと列んでいた。

大黒天半跏像 平安時代・明寿院 甲冑姿の大黒さん。元の天竺のマハー・カァラを思わせる。こういうのを「武装大黒天」というらしい。左手には宝棒(魔女っ子の持ちそうな綺麗なスティックにも似ている)、右手には袋。

毘沙門天立像 平安時代・西遊寺 足下に踏みつけられているニ体の邪鬼たちが可愛くて気に入る。うつ伏せでべちゃっと。このお寺のごく近くの薬師堂に設置されていたそうだか、このことから元は毘沙門堂だったかもしれないそうだ。

地蔵菩薩立像 平安時代・永昌寺 横顔がとてもイケてる。先の毘沙門天の隣に立つので、視界にちらちら入ったその顔がとても素敵だった。やはり鼻の形がいい。これは一本木の仏像。 

広目天立像 平安時代・大通寺 「ガッツだぜ!!」な広目天。袖の翻りがいい。こういうところに個性がある。

四体の十一面観音像がある。いずれも平安時代の立像だが、特に頭部ばかりが目にゆく。
長福寺 木造。頭部の十一面に美貌の仏が多い。
円満寺 これは井上靖の「星と祭り」に描かれたそうだが、顔本体はかなり摩滅している。手に蓮を一本。

千手観音立像 平安時代・葛川明王院 木造。十一面ある。手にそれぞれ様々な具を持っている。
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不動明王座像 盛忠作・長和三年(1014)・園城寺 パンチパーマではなく片側おさげの不動。滝に打たれてそうなタイプ。

地蔵菩薩立像 栄快作・建長六年(1254)・長命寺 びっくりするくらい美貌のお地蔵さま。うつむき加減のその顔立ちにときめいた。弓なりの眉、下弦の月のような目、鼻筋、柔らかな唇。美貌の坊さんを「美ボーズ」というが、本当にそれ。ときめいたなあ。

吉祥天立像 鎌倉時代・園城寺 賢そう。髪の豊かな女神。

厨子入り薬師如来座像 平安時代・石部神社 截金がまだ残っているのがいい。

熊野本地仏像(阿弥陀・千手・十一面・地蔵) 平安時代・熊野神社 そのうち千手と十一面とは手や顔が差し込み式のもので、どうかするとペットボトルの蓋についたグッズのようにも見える。

如庵は封じられ、その壁面に広重の近江八景のパネル展示がある。
少し先の6室では「神体山と近江の神々-八王子山・三上山・竹生島」のパネル展示があり、楽しく眺めた。

5室には絵巻と経巻と神像がある。
男神座像(伝落別命・伝大己貴命) 平安時代・小槻神社 落別命は小槻山君の祖だという。オオナムチは日吉大社の西宮の祭神。どちらも大変怖い顔である。特に眼球の飛び出している方の神は、三井寺の秘仏・新羅明神と共に恐るべき容貌だった。

女神座像 平安時代・建部大社 三体の女神像。真ん中の一際大きな女神は袖口で口元を覆っている。こんな姿態を見せる女神は初見。木造の三体はいずれも痛みが激しい。
この女神はヤマトタケルの妃・布多遅比売に比定されているそうで、左右の二人は当時の上流婦人ということだが、かつては彩色されていたのだろうか。
そんなことを思うのも楽しい。

桑実寺縁起 土佐光茂・室町時代・桑実寺 上巻はみれなかった。
物語は以下のよう。
阿閉姫の病。定恵和尚が薬師如来の出現を予言する。
光が射し込んで姫が治るまでが上巻。
湖中から薬師如来が、帝釈天の化身たる太白水牛に乗って出現する。その背後には雲に乗る八童子。岸辺には白馬が待っている。そちらは梵天の化身。岩駒なる白馬は雲に乗り、薬師如来をお運びする。八童子もむろんついている。
この下巻には元明天皇がお訪ねしたり、日光・月光に守られ霊験を顕す薬師如来の姿がある。
岩駒が空をゆくと、田や里が眼下に広がる。
この桑実寺の落慶法要は定恵が導師となり、白鳳六年11月8日に行われる。
その様子を瑠璃石から眺める薬師如来と岩駒。

紺紙金字妙法蓮華経 平安時代・百済寺 綺麗な文字の並びにときめく。

7室には仏画の名品が揃っている。

両界曼陀羅 室町時代・飯道寺 かなりはっきり残っている。特に中央部分が綺麗。

八大仏頂曼陀羅図 鎌倉時代・園城寺 稚拙な線がかえっていい。可愛らしいお顔。

十二天像・梵天 鎌倉時代・西名寺 きれい、とても綺麗な顔。白い四面。

阿弥陀三尊二十五菩薩来迎図 鎌倉時代・安楽律寺 珍しいことに時計回りで来る。こういう行列は初めて見た。

観経変相図 鎌倉時代・長寿寺 韋提希夫人の説話がその枠外に続いているらしいが、そこまでは読みとれない。

六道絵・譬喩経説話図 鎌倉時代・聖衆来迎寺 父王殺しの王が死後、地獄で責められる際に唱えた念仏で救われる、という図。びっくりして引く獄卒の鬼たちが可愛い。

仏涅槃図 鎌倉時代・少林寺 泣きながら天から降りてくる摩耶夫人、それを先導する阿那律も泣いている。
多くの動物の中には白地に斑の猫もいた。

釈迦三尊十六善神図 鎌倉時代・聖衆来迎寺 左下の深沙大王の様相が面白い。へそに童子の顔がつき、股立ち取った袴の裾には左右それぞれにゾウがついている。しかも腰にはヒョウ柄。・・・オシャレなのかどうかは不明。

仏画はきちんと三期に分かれて展示換えがある。
関西人の私だが、ここまでたくさんの近江の名宝を一度に見ることはないので、たいへんよい機会になった。
11/25まで。後期は10/30から。 
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