FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

京近美の常設をみて

先日、京都国立近代美術館の常設を見た。
特別展が高橋由一なのに対抗して、同時期の京の洋画家・田村宗立を特集展示している。

田村の作品は時折ここで見ているものもあるので、目が開かされたというようなことは少ないものの、改めて彼が明治初期の京都洋画壇で活躍した意義について考えてみた。
従来の日本画からの脱皮、西洋の完全な模倣でない、日本の洋画への道…
田村は曲がりくねった道を歩きつつも、後進に手にした提灯ならぬランプの灯りを振って進んだのだが、惜しいことになくなった。
今ではそれこそここで見る以外、どこでみることもない。かれは誰もが知る画家ではなかった。残念である。

不思議な絵もある。SH3B14900001.jpg
地獄の鬼の休日。

いちばん展示の多いのは京都府立駆黴院図ではなかろうか。
建築パース図のようで妙に心惹かれる。

ポスターになった「洋童図」は不気味さあふれる明治の洋画である
こういうものに漂う「妙な空気」はいったい何なんだろうか…

さて常設の日本画では魚類が活躍していた。
SH3B14850001.jpg 
栖鳳のお魚。さすがに川魚料理屋の息子だけに実においしそうに描いている。主題は海老らしい。

他にもおいしそうなのがいくつもある。

SH3B14830001.jpg
西村五雲の「山の幸海の幸」には独活、コナス、鮎がある。見ただけでヨダレが湧く。
新見虚舟「鮒」の丸々したのもいい。SH3B14840001.jpg

徳岡神泉が静謐で神秘的な画風に行く前の、おいしそうな海老もいいが、都路華香の「水底游魚」にはまさに「ギョッ」として「うおっ」となった。
ううむううむううむ。

魚類から離れて、デロリが二点。
甲斐庄楠音「娘子」と稲垣仲静「太夫」。どちらも暗がりで出会うと、それこそ「ギョッ」とする。

工芸品では河井の草花図皿がよかった。
SH3B14890001.jpg

そしてわたしの大好きな楠部弥弌の桔梗を意匠化した彩埏新秋花瓶があった。
SH3B14880001.jpg
弥弌は特にこの様式の作風がとても好きだ。

蒔絵や螺鈿のきらきらする筐をみる。
浅井忠の図案で神坂祐吉(雪佳の実弟)の拵えた「月象之図 硯付手箱」。
SH3B14860001.jpg
象はゾウさんではなく「かたどる」の象。お月様の杵突き兎。

松田権六の蒔絵箱「赤とんぼ」も秋にいい。SH3B14870001.jpg

常設の底力がとても快い。
関連記事
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア