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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

11/25で終了した展覧会

11/25である。
今日までと言う展覧会をいくつも見ていたのに、ツイッターで感想は呟いていても、ブログで詳述していない。ほぼ自己満足のための感想文ブログだが、それだけに書こうとしていて書いていないのは、何よりも自分への裏切りではないか。
最早手遅れではあるが、書きたかった感想を少しずつだが、ここに挙げる。

☆江戸のデザインの巧・妙 (伊勢半 紅ミュージアム)
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せまい空間だが、「江戸デザインの巧妙」さが満ち満ちていた。
出島経由やまた抜け荷等から多少の海外デザインは入ってきているが、基本的に江戸時代は独自文化の発展をみた時代である。
平安時代と並ぶ長期の鎖国が国粋デザインを生み出したのだった。
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浮世絵の面白さ・千社札の粋(イキ)、着物の型紙・小間物の意匠の粋(スイ)、どれもこれも改めて指摘され、示されてみると、目を瞠るばかりだった。
判じ物・見立てといった遊びも江戸時代に大いに流行し、それをデザイン化した商品も少なくはない。
展示されているのはいずれもそうした江戸の面白さを露にした品々ばかりで、見ていて飽きない。
纏にしても暖簾にしてもこの意匠をどのように生み出したか・編み出したか感心するばかりだった。
元禄の頃の光琳、下って山東京伝・京山、化政期以降の国芳ら、その時代に衝撃を与える意匠を拵えた特定個人だけでなく、名の伝わらぬ職人の名人芸、その時代に生きる人々の美意識が極度に洗練された結果、世に湧き出でたとしか思えない意匠の数々・・・
並べられた展示品を見ては、江戸の昔の凄さを思い知る。
面白いデザインブックがあった。天使の図像学とでもいうべき本。うむ、江戸時代の切支丹アカン時代にこういうのも出版されてたのか。
色々と面白いものを見せてもらって、機嫌よくサラバした。


☆ザ・大阪ベストアート (大阪市立近代美(仮))
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とうとうこの大阪市立近代美術館(仮)心斎橋展示室も終わりを告げてしまうのだった。
四月末から七月末まで府&市モダンアート・コレクションベスト100点の投票をしてて、そこから選ばれた作品が集められていた。
わたしはどうもマイナー好みらしく、投票したものは展示されていない。
見て歩きながら、この企画展が11/25で終了すると同時に、「このコレクションは封印されてしまうのだ」と思うと、胸がふさいできた。
いい物を並べていても、首長の気随に振り回されて、こんな羽目になる。行政とは一体なんなのだ、文化とは何なのだ。
腹が立つのは無限にあるからもう書かないが。
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倉俣史郎という作家のデザインしたアクリルに薔薇を封じた椅子が眼に入った。
これは初見。こういうものもあったのか。現代アートでも実用性があるものなら、わたしのような門外女でもわかるような気がしてくる。可愛いと思った。
福田平八郎「漣」は外へ出ると、非常に人気の高くなる作品で、先般の山種での回顧展でも大評判だった。
森村保昌の「ゴッホになった私」をみていると、ご年配の奥さんが「このヒトいつも化粧して変装しはる人でしょう」というので、「女優さんになっても綺麗ですね」と答えると、「芸人さんもたいへんですなあ」と頷いていた。
そうだ、やっぱり森村さんはアート芸人さんだという見方もされているのだ、と改めて認識する。

来年の大阪の至宝カレンダーもここのコレクションからチョイスされているが、一体未来はあるのかどうか。たいへん不安なまま、展示室は閉ざされてしまった。


☆魅惑の日本の客船ポスター (横浜みなと博物館)
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日本の客船は明治の昔から宣伝合戦で大変だったそうだ。なんにせよ自由貿易と資本主義が導入されると、とんでもない方向へ力が向くものだ。
三菱の客船と三井のそれの戦いを描いた、本宮ひろ志「猛き黄金の国 岩崎弥太郎」もメチャクチャだったなと思い出す。
それはそれとして、ポスターによる宣伝合戦は、ポスター芸術の質を向上させたと思う。
ここにあるものの大半は既にあちこちで見ているものばかりだから驚いたりはしないが、それでもこんなに多くのものが一堂に会しているのを見ると、ワクワクと嬉しくなる。
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美人画ポスターもいいし、船そのものを描いたポスターもかっこよかった。
とはいえ、客船が戦時中辿らされた運命を思うと、その前半性の華やかさと比べて胸が痛くなる・・・
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戦前の客船華やかなりし頃に、ポスターに描かれた船に乗って、どこかへ行きたい・・・


☆絵解きってなぁに? (龍大ミュージアム)
これはあまりに面白すぎて前後期ともども楽しみすぎて、それで却って書けなくなったのだった。
展覧会のナビゲーターは「比丘尼ちゃんとその弟子のこびくにちゃん」。可愛い。
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このまま旅もせず、この龍大ミュージアムに留まればいいのに。
やっぱりここで軽くまとめるのはむりなので、別な一本に仕立てる。

それにしても良いものを見すぎて、却って書けなくなるとは因果なことだ・・・
なんとか明日のために書けるようになりたい。
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コメント
ありがとうございました
ツイートでこちらの展示室の閉鎖を聞いて,何とか駆け込みで観覧することが出来ました。
以前に多分同会場で女流展なども見て,展開によっては非常にキャラの立った魅力あるコレクションになるなと思っていただけに残念です。
とりあえず,どこかでまた展示されたら参上します。
2012/12/01(土) 00:13 | URL | maverik #-[ 編集]
閉鎖は本当に無念です
☆maverik さん こんばんは

> 以前に多分同会場で女流展なども見て,展開によっては非常にキャラの立った魅力あるコレクションになるなと思っていただけに残念です。

2008年の「女性画家の大阪」かと思います。あの展覧会は面白かったですね。
この場所をお借りして展覧会を開き続けることの方が、死蔵するよりずっといいと思うんですがね~
市長の奴は私利私欲に走って全国ほっつきまわり、足元の文化財をほったらかし。
・・・文化の道はどこへ続くのか、と嘆息するばかりです。
2012/12/02(日) 01:07 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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