FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

大エルミタージュ美術館展

国立新美術館で春から夏に、京都市美術館で秋から冬に、「大エルミタージュ美術館展」が開催されていた。
(京都市美では12/6まで)

どちらの会場でも89点が出ている。感想もそれぞれリストにメモ付けしているが、ほぼ同じことを書いているのもあれば、全く違うことを書いているのもある。
見てから時間が経っているので、また感想も変わっている。そのことも面白く思った。
好きな作品について感想をあげたい。

ティツィアーノ 祝福するキリスト 片手をあげ、片手でクリスタルガラスの地球儀を持っているが、掌が透けて見える。頬髭の濃いキリストは額の丸い静かな顔立ちのひとだった。
zen916.jpg

ヴェロネーゼ 聖会話 聖母子と聖カタリナ、バプテストのヨハネ、ドロテアとジェロム。彼らの肌の色がきれい。イスラームの花柄を思う。

ベルナルディーノ・ルイーニ 聖カタリナ ダ・ヴィンチ風な顔立ち。きれい。うつむく三人の天使。花を飾る頭。

バルトロメオ・スケドーニ 聖家族と洗礼者ヨハネ 幼い少年の可愛らしさ。まだ赤子のイエスも賢そう。むく毛のじいさん。小さい子供らが可愛い。

スケドーニ 風景の中のクピド これも以前から好きな一枚。かわいいなあ、しみじみ眺める。
zen918.jpg

ダニエル・ファン・ヘイル 冬景色 可愛い家がある。切り妻屋根が面白く、こうした構造の建物もいい。

ニコラス・ファン・フェーレンダール/カスパー・ヤコプ・ファン・オプスタル ヴァニタス(はかなさの寓意) 
zen922.jpg
ちびっこ二人がシャボン玉遊び。椿属のような花を生けた花瓶。シャボン水は貝殻で作る。はかないものではあっても、花は美しく、子供らは可愛く、描かれたことで350年以上残っている。 

ブーシェ クピド(詩の寓意) あんまり目つきのよくない天使が三人。白鳩もいる。腕のぷにぷになところは可愛い。
zen917.jpg

ユベール・ロベール 古代ローマの公衆浴場跡 先般この画家の回顧展を見たが、廃墟などが面白かったのを思い出す。ここでは犬もいるし泳ぐ人もいる。巨大テルマエ。少年が可愛い。

ジョシュア・レノルズ ウェヌスの帯を解くクピド この絵は以前にも日本にきているので、嬉しい再会になった。
巧い構図だと思う。なんとも艶めかしい。
zen916-2.jpg

ルーベンス 虹のある風景 円い虹が見え、その下でくつろぐ男女がいる。牧歌的な光景とはいえ、ちょっとナマナマしくもある。

zen916-1.jpg

ジョゼフ・ライト 外から見た鍛冶屋の光景 光と影の対比が魅力的。じっと眺めているとそこへ入ってゆきたくなる。

オラース・ヴェルネ 死の天使 女を連れてゆこうとする死の天使。祈る青年も眠っている。壁には聖母のイコンが掛けられている。どちらももうこの娘から遠いものになる。金髪の美しい娘はもう現世から離れてゆく。指が天を向いているが、彼女の頭頂と天との間にも光が立っている。死は恐ろしいだけでなく、優しいものかもしれない。
zen919.jpg zen919-1.jpg

ピエール・ナルシス・ゲラン モルフェウスとイリス とても白い肌。虹の女神イリスも美青年も天使も。ブルーも美しい。

ドラクロワ 馬に鞍を置くアラブ人 馬の睫がキュート。

レオン・ボナ アカバの族長たち アラビアのロレンスを思い出す。とてもかっこいい。こちらへ向かいつつある。リアルな絵。写真のようだった。

ジュール・フェーブル 洞窟のマグダラのマリア 赤毛の裸婦。顔を隠してはいるが、とても美しいような気がする。洞窟には水がにじんでいて水生花が咲いている。
zen920.jpg

ティソ 廃墟(内なる声) がれきの中、老人等と血にまみれたようなイエスがいる。なんとなく石川淳「焼跡のイエス」を思い出した。または竹宮恵子「地球へ」の終盤を。

ジョゼフ・ベイル 少年料理人 酔っぱらった少年。ワインを飲んでいる。サル顔の少年。樽の上にはキジ柄の猫が二匹。

ラトゥール 水の妖精ナイアス こちらも赤毛の美しい女。水をかき分け進む女。
zen921.jpg

ドンゲン リュシーとその伴侶 黒人の男と黒人風女と。なんだかとてもかっこいい。1911年のカップル。

マティス 赤い部屋 東京でも京都でも等しくチラシ表に選ばれている大作。巧い、と思う。色の配置も形も線も。
zen915.jpg

ところでこの絵を東京の混雑の中で見にゆくと、小さな娘をつれた若い父親が「この絵を見るまで待って」と言っている。ぐずった娘への言葉。ただ次がよくない。「この絵だけ見たら後はどうでもいいから」そうなのか?!すごいな、その感覚。私には到底言えない言葉だし、考えたこともないな。この親子何のために来ているのだろう。あっこれ一枚のためか、は・は・は・・・

ほかにもセザンヌやモネのいい絵があり、革命前の帝政ロシアにいた二人の偉大なコレクターを想った。
zen916-4.jpg zen916-3.jpg

やはりエルミタージュ美術館展はいい。東京でも京都でも大いに楽しんだ。
関連記事
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア