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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

時代の美 桃山・江戸編 五島美術館・大東急文庫の精華

五島美術館のリニューアルオープン第三弾に出かけた。
第一弾、第二弾と出かけ損ねて、ようやく第三弾の桃山・江戸の美術を見に行くことになった。
半蔵門線の某駅から乗ったときは大雨だったが、トンネルを抜けるとそこは雪国だった。
さすがに「夜の底が白くなった」とは続かない。なぜならまだ午前9時台だったからだ。
びっくりした!1/14、大雪の日に上野毛の五島美術館へすべりもしないでたどりつけたのは、人も車も通らなかったので、道の雪がサクサクしたままだったからだと思う。
苦労してたどりついた五島美術館は、以前と形を変えることはないものの内部が非常によくなっていた。
これはこれはと思いつつ、まず「第一展示室」へ向う。以前の展示室が「第一室」としてオープンしている。

最初に桃山時代から江戸初期の流麗で豪壮な時代を象徴する文物が並んでいた。
光悦と宗達の色紙帖と鹿下絵和歌巻断簡などがそこにある。
新古今和歌集と和漢朗詠集がそれぞれずらーっと列び、優美さを露にしていた。
金泥・金銀泥で梅や鶴や月に桔梗、蒲公英、菜の花などが描かれている。
そこに墨の濃淡と力配分の絶妙な文字がつらつらと躍る・あるいは沈む。
非常によく出来た色紙で、数も多い。これらを集めたとき、本当に心躍ったろうと思われた。
わたしも特に気に入ったのがある。
春の田を人に任せて我はただ花に心をつくしなりけり
この和歌には、巨大な満月の下に松林という取り合わせだった。
眼が見開かれてゆく思いがした。

清正公、そしてその母堂の肖像画がある。清正公は熱烈な日蓮信者だというが、それは母譲りらしい。四百年以前の似せ絵。母堂は黄色地に花と扇柄・変わり身に亀甲文の小袖を用いていた。大変色鮮やかだった。

探幽の旅絵日記がある。二種あり、それぞれ東海道往来の図である。出ていたのは箱根あたりと近江あたり。江戸と京とを行き来してはその旅の最中にスケッチも怠らない。
絵師の鑑である。(というか、やっぱり絵を描くこと自体が好きだからか)

光琳 紅葉流水図(竜田川) 団扇型の中に秋がある。黄土色と赤の目立つ絵。
紅葉が可愛らしい。

乾山 雪松図 丸の中に雪を乗せた松の絵。81歳の乾山の絵。

乾山 四季花鳥図屏風 こちらも同じく寛保3年の作。鷺に菖蒲、柳に何か青い花、薊に鷺、飛んでいるのは皆が鷺。やがて季節は移る。蛇の目籠、萩に紅葉に鷺・・・ああそうか、花鳥のうち花は色々あってもトリは全て鷺だったのか。夏の鷺と冬の鷺の違いは冬がやっぱり丸々していることだった。こういうのも面白い。

十二ヶ月風俗絵巻 正月はぶりぶり持つ子らに万歳と才蔵がいる。節季候らしき姿も見える。英一派のものだと解説にあるが、元禄の頃もまだ中世の正月に近い道具立てを見せているのか。それはそれで興味深い。

涅槃図 冷泉為恭 淡彩の涅槃図。釈迦の胸に卍が浮かび上がる。カエル、カタツムリ、トラにヤギなどの姿も見える。生命全てが涅槃を悲しんでいる図。

不老門 為恭 洛陽にある門を描いたというが、中華風ではなく和風の門で、そこに松竹梅という、お正月にぴったりの吉祥画。

コレクションの根幹を成すのは古文書・古色紙などである。五島慶太は古美術のうちでも特にそれらを愛したという。
信長から青蓮院あて、秀吉から北の政所あて、利休、織部、遠州らの手蹟・・・
秀吉の文で面白いものがあった。書が一行ずつ大小大小変わってゆくのだ。このリズムは面白かった。正妻に対しての詫び状+能の稽古をしているので見せたい、という内容。
丁度今、大和和紀の描く小野お通の物語「イシュタルの娘」の最新話で、名護屋で秀吉が能の稽古をするエピソードがあった。いいタイミングにわたしはものを見ている。

ノンコウ 黒樂茶碗 銘・三番叟 これもまた遠くからでもわたしを招ぶ。ピカッと光ってわたしを招ぶ。他にも色々いい器があるのだが、それでもやはりノンコウのだけがわたしを招んでくれるのだった。

庭には出られない。春からの公開である。ましてや雪である。
室内から見る分には雪も楽しい。

新しく第二室になった展示室へ入る。小ぢんまりして、そこにやきものがあった。
志野、織部、古伊賀などがいい配置に並んでいる。
あれを見、これを見、しては楽しい心持になる。
中でも織部舟形手鉢の絵はまるでプールの飛び込み台のようで、面白かった。
本当は何を描くつもりだったか知らないが、織部の文様にはこんな楽しさがある。

三彩六角皿 源内焼 薄い紫・黄色・緑の取り合わせだが、まるで上質の和三盆で拵えたハクセンコウのように見えた。たま~~にハクセンコウも食べたくなる。あの口どけがいい。
このやきものにもそんな魅力があった。

時代の美「桃山・江戸編」は2/17まで。
次は2/23~3/31で中国・朝鮮編と言うことなので、その頃にまたここへくる予定。
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