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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

勝坂縄文

神奈川県立歴史博物館で「勝坂縄文」展と言うのが開催されている。
勝坂とは何かよく知らないが、とりあえず縄文時代の文物を展示かな、くらいのキモチで訪れた。
アタマの「勝坂」は地名だろうが、それがどこにあるのか知らないし、聞いてもぴんと来るかどうか。
縄文土器の展示といえば近年では東博の縄文、MIHOの縄文が優れた展覧会だった。
こちらはどうか。

・・・なにしろ神奈川県立歴史博物館は今まで見てきたところ、堅苦しい展覧会が多いなという感じがあった。
面白い内容であっても生硬さが強かった、というべきか。
しかし近年「面白い」展覧会が増えてきた。
少し前の「ペリー七つの顔」などはまずあのチラシが出色の出来で、内容も楽しかった。
今回の勝坂縄文展は一見したところ地味に展示物が設置されているだけのように見えたが、近づくとアニハカランヤ、随分楽しそうである。
そのことについて色々かいてみたい。

nec087-1.jpg


勝坂は相模原にあるそうで、関東では有名な縄文遺跡だそうだ。
とりあえず中に入ると、薄暗い展示室にヒトがワイワイ。
なんやなんやとガラスケースを覗き込むと、縄文土器が並んでるわけだが、そこについてるキャプションが面白いではないか。
なんだかハジケたな、神奈川歴博。
ワルフザケはいやだけど、やっぱりこれくらいの遊び心がないとね。
学芸員さんもチエをしぼったんだろうな~と思いつつ、その楽しさに乗せられました。
いいねーいいねー。

nec088.jpg

とか言うてるうちに、岡本太郎の写真が出てきた。
戦後しばらくの頃に岡本太郎が「発見」した縄文土器の素晴らしさ。
それを捉えた彼のフォトと、モデルになった土器たちがずらずらと並ぶ。
またそれだけでない工夫もあるから、これは神奈川歴博、あなどれない。

名前も新たに付けられてて、それがまたいい感じ。
このちびっこさん、「ちびーなす」ですがな。nec087.jpg

可愛いわ~ゴヒイキにしよう。

ほかにもこのぺたりと座り込む子もいる。ちょっとばかりムーミンのミーを思い出した。
どこら辺りかは、はっきり言えないのだが。
nec088-1.jpg

ミミズクがいた。耳が出ているからミミズクなのだが、その造形がまるで今出来のような風情を見せている。お土産屋さんで売ってるミミズクの顔そのまま。
ミミズク・フクロウは時代が違っても顔はあまり変らないらしい。

それにしても展示で一番ウケたのが、縄文人の失敗?品を集めたコーナーだった。
文様がね・・・ビミョ~~に崩れてゆくというか、一つの壷に貼り付けてる文様が途中でゆるくなっていってて・・・
これは後世のプロのヒトにはない現象ですな。
「・・・途中まで巧いこといったから、まぁ続きも・・・とりあえず作っておくか」
そんな声が聞こえてきそうである。

笑ったり感心したりしながら眺めて、とても楽しい展覧会になっている。
サイトもいい
こういう縄文展は今までなかったなぁ。とても面白かった。

機嫌よく楽しんだ後、何気なく受付でもらったアンケートを見て、楽しい気分から真逆のアンタンたるキモチへ。
ここに全文を載せることはしないが、要するに神奈川県の財政困難を理由にしての文化活動の制限というか、そうならないために何かいい案件はないですかというような内容だったのだ。
神奈川も大阪も文化的な土壌はあるのに、クビ長らはそれを否定して壊そうとしているのか。現場の努力も観客の喜びも捨て置いて。
文化の棄民制度を推し進めさせてはいかんのだが、わたしのアタマではいいアイデアは何も思いつかなかった・・・

常設展示へ向かう。
ハマ焼の展覧会で出会った高貼りの猫が二匹出ていると聞いて、喜んで出向いた。
猫は確かにいた。わたしが見たのは後に生まれた猫だった。
正式名称は「高浮彫牡丹ニ眠猫覚醒大香炉」とかいう。
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最初の猫はちょっとコワイ口元をしている。
この猫柄はインパクトが強かったようで、スカジャンの模様にもなった。丁寧な刺繍だった。

井上安治の浮世絵があった。なんと珍しいことに鎌倉・鶴岡八幡宮での静御前の舞を描いている。こういうのは初めて見た。

外観の素晴らしさ、所蔵する作品の奥深さ、企画力・・・いい博物館だけになんとかがんばってほしいし、行政もその辺りを理解しなくてはいけない。
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コメント
No title
へ〜、井上安治描く鶴岡八幡宮での静御前の舞の浮世絵ですか。
そんなんあるんですね。やっぱり背景は光線画風で、舞人は明治浮世絵というか、
月耕みたいなスタイルになるんでしょうか?

神奈川も財政難が文化活動にしわ寄せもたらしてるんですかあ。財政難というより
予算配分がおかしいのではないかとも思いますがね。
首長...加藤一雄の「蘆刈」をまた吹き出しながら読んでるんですが、
戦前の教育を受けた日本人の教養水準というものを考えてしまいます。
国会議員以上に、地方の首長の質というのが...
昔は専門学校に行かずに高等教育を進むと、秀才は別として、18歳頃で旧制高校に進み、20歳超えた頃に大学に入っていたんですよね。逆に今の東大、京大などの「教養部」が昔の一高、三高などに相当というのが実感としてよくわかりました。
たっぷりある時間の中で勉強したり、本を読んだり、苦学したり、旅したり、山に登ったりしたんですね。
2013/01/24(木) 23:23 | URL | とんぼ #uaIRrcRw[ 編集]
☆とんぼさん こんにちは

> そんなんあるんですね。やっぱり背景は光線画風で、舞人は明治浮世絵というか、
> 月耕みたいなスタイルになるんでしょうか?

いえ、むしろ幕末からの流れの中の浮世絵でした。
尾形月耕、いいですね。トーハクで時々見ます。

教養教育というものはおそらく戦前で失われたのでしょう。
戦後はそれを必要とせず、むしろそれを軽蔑したように思います。
2013/01/25(金) 09:13 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
もっと開けた博物館に・・・
私も昨年観に行きました。たしかに神奈川県立
歴史博物館はお堅いイメージがありましたよね。
私も久々に行ったので「すごくあか抜けたなぁ」
という印象がありました。
県の財政困難で博物館や美術館の予算が
減るのは毎度のパターンですね。
平塚の美術館もうまくやりくりして、
ワークショップしたり、市のコミュニティに
働きかけたりして、マネージメントしてるみたいです。
大変でしょうけど、県の財政に頼らないで自ら動く
博物館や美術館が多くなっているし、むしろ、その
方がアグレッシブルで活き活きした博物館になって
いくのではないのかな~と思っています。
2013/01/27(日) 09:35 | URL | えび #-[ 編集]
がんばれ神奈川!
☆えびさん こんばんは
この企画は楽しいですね。
キャプションが面白いし、目の付け所が違う。
お客も大喜びで楽しみましたしね。

それだけにやりくりの大変さと言うものを思うと、くるしいです。
これだけのレベルなんですから、もっとどうにか・・・
ずっと応援したいです。
2013/01/28(月) 00:28 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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