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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

伊丹と西宮

昔、豊中、吹田の一部、池田、箕面、川西、伊丹の一部を『北摂』と呼び、尼崎、伊丹の半分、有馬辺りまでを『南摂』と呼んだそうだ。
それは例えば1917年発行の『阪神間名勝図絵』などにも出ている。
戦前の地元民には懐かしい地名が今回の『伊丹モダニズム再発見』展で見ることが出来る。

13年29年47年と大正初期から戦後すぐまでの三期の地図が出ているが、主に阪急・宝塚線と神戸線の一部が載せられていて、わたしのような地元民には親しみと共に発見のあるものだった。
母の実家は北摂でも古い家筋で、地名の呼び方も大変古いものが多く、わたしなどには混乱する呼び方も多い。
親戚のいた場所が『岡山』というので、てっきり桃太郎の岡山かと思えば、現在の曽根東町辺りだと言う。おいおい、と言う感じがする。
これらの地図にはそうした古い古い、今では殆どの人が知らぬような地名などが出ていて、興味深かった。

伊丹は元々行基上人が開いたという伝承もある古い土地で、酒蔵もある。今では白雪さんがレストランも開き、資料館も残してくれているので、興味のある方はぜひ行かれるがよいと思う。

そんな地のモダニズムを、この展覧会では詳細な資料を基にして展開している。とても楽しい展覧会だった。
細かいことは言う必要がないが、近代建築や考現学が好きでなくとも、『なんとなく楽しい』のが好きな方なら、この展覧会はとても良いと思う。惜しいことにカタログがなかった。
時々この美術館ではそうした残念な状況に当たる。

地元の方々で賑わう、気軽な『伊丹シティホテル』でアフタヌーンティを愉しむ。スコーンがぬくぬくでおいしいし、他のお菓子もおいしい。
このホテルは明るく良い感じがした。次も来たいと思うような感じである。

そこから西宮大谷美術館へ向かう。夙川オアシスロードは桜が紅葉し、とても柔らかな色彩に変わりつつある。
光と影の加減かまだらに染まった葉っぱが楽しい。

今竹七郎。
メンソレータムや白鶴のマークをこしらえた人。
こうした商業デザイナーの作品はね展覧会などで一同に会されて、初めて『えええっこれ、この人が作ったの!!!』と言うことが多い。
アメリカのレーモンド・ローウィもそうだ。タバコのピース、不二家のLooKチョコ、ナビスコ・・・皆が知る商業デザイン・マークを作り上げた人々。
今竹七郎は長生きされた方で、とても一言で言えないようなデザインの仕事を数多く残されている。
ローウィと今竹に共通することは、シンプルさである。
一目でわかるシンプルさ。
どうしても書き込みすぎてしまうのを抑える力。
しかし、今竹のパッケージデザインとポスターは饒舌だ。
これは関西人であることから出ているのだろうか。

時代とマッチしたデザイン、時代を超越するデザイン・・・二つの道を今竹七郎は残している。


面白い展覧会だった。
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