FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

マカオ2

11/22のマカオ。

今日は一日完全フリーなので、わたし達は自分のアタマと足で動かねばならない。
ホテルで買ったケーキやフルーツなどで軽く朝食を採ったあと、タクシーでまずは孫文記念館へ向かう。
連れはさすが海外旅行が多いおば様だけに、なかなか賢い手を使う。
メモに『國父記念館』と書く。スン・ウェンの発音はわたしたちでは巧く使えないからだ。
孫文記念館は、石造りのすばらしい建物だった。
渡辺節と伊東忠太がコラボレートしたような感じ。つまり、完全にわたしの好みなのだ。
ところが、そういうのに限り工事中で中に入れない。残念無念というより他はない。く・や・し・いーーーっ

すぐそこの公園は『ああ、これが』というだけの市民公園なのだが、ちゃんと名前もついている。マカオは公園が充実しているのだ。
そこではなく、我々は中華風公園へゆく。この発音は大変ナンギだ。
ロウイリムイオック公園。漢字を書いても難しいが発音はもっと難しい。昨日のカモンエス公園には目白を入れた鳥籠が沢山つられ、菩提樹が紐をたらしていたが、ここは完全に中華庭園だ。
わたしは上海の豫園や蘇州の庭園が大好きだ。
つまり明朝の贅を凝らした庭園に大変惹かれるのだ。
気分は紅楼夢だ。
とにかく明朝は文化の頂点を極めた後、退廃し、とうとう清朝に乗っ取られる。
わたしは文明文化の頂点が好きで、明日になれば滅びてゆくような時代が殊の外、好ましい。絶頂と滅亡。それを目の当たりにしたい。
だから中国の王朝では唐と明が好きだ。
三国志も項羽と劉邦も大好きだが、『時代・文明・文化』と言う点では唐と明に尽きる。
舗地。瓦。奇岩。中国の庭園の必需。亭がまたとても素敵だ。鳥の声がする。病は恐ろしいが、観念的には鳥がいなくてはならないのだ。
庭園の隣にはベランダコロニアルがある。
現在、茶道資料館になっている。
当然入館する。

わたしは茶菓子にキライなものがでたらどうしよう、とそんな理由から茶道を習いにいかない人間なのだが、茶道具が大変好きだ。
だからこそせっせっと湯木、逸翁、茶道、藤田などへ通うのだ。
歴代の茶道具。
南宋青磁は日本では砧青磁と呼ばれて特に茶道では珍重されているが、わたしはあまり好まない。
しかし南宋で曜変転目などが生まれているのだ。
最愛は曜変転目と油滴天目だ。他には11世紀末の高麗青磁と18世紀の色鍋島。これらでわたしは生きている。
ふと、塚本快示の青白磁を思わせる美しい器をみかけた。貫入が見事に入っている。息を呑むほど美しい。
そばに立つフィリピン系らしき警備員の青年がわたしを見守るのに気づく。わたしはいつも手にしている手帳に書き込み、彼に見せる。
『風華絶代』
あいにく彼にはわたしの意図は通らなかったようだ。
しかしわたしがこの器にときめいたことだけはわかるようで、厳しい眼から優しい眼に変えて、わたしに笑いかけてくる。

すばらしい器を見た後、てくてく歩いて松山と呼ばれる丘へ向かう。
ギア要塞。しかし工事中なので中には入れないことをわたしはネットの情報で知っていた。
その山上へ上るケーブルに乗る。一人23円位の値段。結構怖いケーブルだが、眼下に広がるフローラ庭園などを楽しめる。
モンパルナスの丘へ向かう公園が南方化するとこんな感じだ。
到着後、幼稚園の遠足と遭遇。
可愛いリュックサックだ。キティちゃんが一番人気、ついでスヌーピーとディズニーキャラ、なんとハガレンまであった。びっくりしたわ。
防空壕をゆく。壁には戦時下のマカオの写真が貼られ、なにやら説明が広東語で書かれているが当然読めない。
ちびちゃんらと一緒だから耐えれた行軍かもしれない。
出ると、工事中の建物があり、可愛いと思った。
この山自体は、池田の五月山のようだ。

公園を降りてからタクシーでヴァスコ・ダ・ガマ・ガーデンを通りミリタリー倶楽部などへ向かう。そのそばにはきれいな女子中学。階段の感じが素敵だ。八角亭もある。

再びホテルへ戻り、ブランチ代わりにお粥を食べに行く。
あわびと鳥とをたのみ、餃子と春巻きもたのむ。かなりおいしい。
途中で交換して鳥のお粥を食べるが、味はこちらの方がいい。
そのまま部屋へ戻り、また休憩する。

昼過ぎからまたセナド広場へ行き、牛乳プリンを食べてから散策再開。
歩いて聖ポールへでて、マカオ博物館へ入る。ここはさすがに入場料を取るが、それにしても安い。
博物館は言って見れば歴史博物館で、入場すぐの右手に中国の歴史、左手に西洋の歴史がそれぞれ陳列されている。
兵馬俑とローマの戦士像。文化、通貨、信仰、技術、思想・・・。
中には東印度会社を始めとする貿易会社の船の積荷の内容などが再現され、中国人の町の様子もジオラマなどで展開されている。
マカオは中国と西洋の二つの文化が融合して成長した国なのだとわかる。その両親から生まれても、マカオはマカオとして、どちらとも異なる独自の道を生きている。
警備員は我々が日本人なのが珍しかったようだ。総じてどの人も親切である。とても楽しい。

タクシーでペンニャ教会へ行く。
歴史や文化や建造物、美術を愉しむためには知識が必要だ。
わたしはキリスト教の図像学と源氏物語とギリシャ神話だけは最低限頭に叩き込むべきだと思っている。
マカオには道教とカソリックが活きているため、それらの知識がより一層探索を意義深いものにしてくれる。
この界隈は高級住宅地らしい。わたしたちはテクテク歩いて降りる。
デイゴやハイビスカスが咲いている。
ナポリを思い出すが、住宅街を行くうち横浜の石川町へ至る道並みのようだと感じた。
ポルトガル領事館は工事中だった。そこからタワーが見える。街中を行くと、元は裁判所だった立派なギリシャ・ローマ様式の建物に出会う。
こういうことがあるから街歩きはやめられない。
そこからドン・ペドロ劇場を通過してホテルへ戻るが、もう夕方だった。

ニューヤオハンへ買い物に行く。
外観はイトーヨーカドーのようだ。何故か6階にスーパーがある。
日本からの輸入物が大半を占めていて、電化製品から日常雑貨までみんな日本で見かけるものばかりだ。価格も安い。
フードコーナーへ行く。
色々なものがあるが、おば様のご託宣により、屋台のワンタンメンと汁ビーフンを買うが、大きいはさみで青梗菜をばっさばっさ切るのにはびっくりした。しかもこんな安い値段なのに具沢山だ。
わたしは何を頼もうとか考えていたのだが、ご託宣には逆らえず、ビーフンを食べていた。しかし自分が選んだわけではないのだが、これは大変おいしく、中に入っていたレバーまでがプルプルなのにはびっくりした。自分では選ばないメニューだが、これは食べれて幸運だ。
食べ盛りのおば様はわたしのトッピングを食べるが、生憎わたしはワンタンをもらえず少し淋しくなったが、ビーフンがおいしいので何も言わない。今回は途中で交換しようと言われることはなかったのだ。
第一明日のランチは香港でワンタンメンなのだ。それを食べれば済むことである。

再びホテルでケーキやゼリーを買う。それらと部屋にセットされているウェルカムフルーツが明日の朝食となるだろう。
早寝早起きの生活だが、当然わたしは眠れない。
fax用紙に延々と小説を書き綴っている。旅行記は真昼に、小説は夜中に書くものだ。はかどる。とうとう書き上げてしまった。
タイトルは『鳥籠姫』だ。発表は自分のwebサイトでしよう。


とうとう楽しいツアーも最終日だ。リンダが迎えに来てくれ、フェリーに乗るまでついてくれた。ありがとうリンダ。
これからはマカオにも我々のようなお客が増えるだろうから、リンダのガイドのやり方はウケルと思うよ。
高速艇が走るシナ海はまるで沙漠のような色合いだった。

香港に着く。
今度のガイドは黄さんだ。ロイドめがねをかけている。
DFへ連れられて行く。同行はおじさんばかりの団体さんだ。
ペニンシュラホテルの前を行く。すばらしい。憧れのペニンシュラホテルのチョコレート。
店内はなかなか盛況だが、買いたいものがないので大変困る。
ブランド物は新作はともかく、定番物はマカオが随分安いのだ。
母親への土産にランコムのマスカラを買う。それだけ。
かばんや服に関してはわたしは買うときは徹底的に意見を通し、決して妥協しないので、店員のほうから逃げてゆく。
店を出てからセンタービルというか、ファッションモールにつれられてゆき、そこでワンタンメンと青梗菜とアイスミルクティーをもらうが、麺がわたしの好みに程遠く、昨日のビーフンが懐かしくて残念だった。
青梗菜が大変においしい。しかし昨日までのマカオの方がわたしには合う。ミルクティの底になにやら入っている。タピオカかと思えばなんと小豆ではないか。びっくりした。

空港へ。私たちは座席がばらばらになった。
しかしわたしの隣の二人組みは同世代の女の人らで、ベタベタで楽しいおねえさんたちだった。三人で大いに盛り上がり、関空につくまでの三時間を喋りっぱなし・笑いっぱなしで過ごした。
やっぱりわたしはこのツアーの間、少し背伸びしていたのかもしれない。
わたしのジョークに笑ってくれる同世代のお姉さんたちに最後に合うことで、なんだかほっとしたのだ。
阪神の話やあほらしい話などをして、焼肉丼の機内食もおいしく食べて、マカオをお二人に散々宣伝し、香港の話を聞いて、あっという間に関空についた。

ああ・・・明日は会社なのだった。良い旅を終えてわたしは帰還した。



関連記事
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア