FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

松下幸之助と伝統工芸 前期

パナソニック汐留ミュージアムも開館10周年になるそうだ。
これまで見た展覧会の内、今もよい気持ちで思い出すものも少なくはない。
いつかこれまでの展覧会のベスト展でもしてほしい。

さて、今回は特別展ということで「幸之助と伝統工芸」を三期に分けて四ヶ月ばかり続ける。
第一期は28日までで、次は30日から。わたしもなんとか第一期に駆け込んで、展示を楽しませてもらった。

松下幸之助といえば近代の偉人の一人だが、茶道にのめり込んでいたとかあまり聞かなかった。
PHP研究所や政経塾に力を注いでいたから、ほかの大実業家のように茶道具に凝ったりしなかったのかと思っていた。しかし今回の展覧会で、幸之助が茶道をはじめ伝統工芸に対して深く鋭い目を目を向け、なおかつ温かい思いを抱いていたことを知った。
古いもので価値の定まっていたものはともかく、同時代に生きる一流の芸術家・職人らは、だからといって常に売れ続けるとは限らない。それをバックアップもしたのはさすが幸之助だと思った。


古いところでは、黒樂のいいのが出ていた。一入だった。
いかにも一入らしい赤黒さがある。解説によると、幸之助はこの茶碗を愛して、普段遣いにしていたそうだ。
なんと贅沢な。・・・しかし遣われることで大事にされ、こうして生きるのだ。

そして幸之助とリアルタイムの作家たちの交流から得られた作品が現れる。

大樋数印黒茶碗「菱雲」1970年代 バラのように刻花があちこちにある。これも面白い。

茶杓「翠紅」裏千家14代無限斎宗室 1945~54年 櫂のところがいい感じ。

瀬戸黒茶碗 荒川豊蔵 1963年 堂々とした黒。かっこいい。

織部鉄絵鳥文四方皿 北大路魯山人 1951年 見返りの鳥がきりっとしている。

備前焼餅平鉢 北大路魯山人 1950年代 三つばかり牡丹餅のような焼きが浮かんでいる。

薫爐「松籟」楠部彌弌  素直な拵えがいい。可愛いなあ。

梅染付壷 近藤悠三 1973年 遠目からでもわかる近藤の一品。染付の線の太さは雄渾。

藍青磁鉢 清水卯一 縁はねじり。バラ!素晴らしい貫入!薄青のバラもしくは薄青の宇宙が広がっているように見える。50cm弱の大きさ。

ここでまた少し古いもの。
古九谷丸紋花鳥絵台鉢 見込みに鳥が一羽。可愛い。愛玩したい逸品。

染織関係をみる。

結城紬地型絵染着物 竹林 稲垣稔次郎 1958年 カラフルな竹林。東近美のか。京近美で稲垣兄弟の作品は見るが、東にもあるのだ。

型絵染芽蝶文上布長着 鎌倉芳太郎 1976年 クレパスで描いたような軽やかさがいい。

藍地透文羅裂地 北村武資 1992年 ああ、さわやか。こうして今も現役作家のよいものが活き続けるのだ。

金属工芸がある。

芦鷺地文真形釜 角谷一圭 1961年頃 飛んでくる鷺が刻まれている。いい釜。

柳水文朧銀扁壷 鹿島一谷 1979年 朧銀というのは銅75%銀25%で構成されたものをさし、別名「四分一」シブイチというそうな。蓋のつまみなどを見ていると浄瓶にあるような風情で、全体が非常にシャープ。
パナソニックでシャープというのもなにかしら・・・

木工芸では黒田辰秋の欅拭漆飾棚がいい。1969年。取っ手がとてもいい。

人形もあった。
私の大好きな鹿児島寿蔵の紙塑人形。
蓮華輪宝文金砂子装紙塑佛 1980年 青緑の薄い衣の裾には蓮の花。

林駒夫 江口 1984年 江口の君。長い羽織で一人で立つ姿。

クイズラリーもあり、中期・後期もとても楽しみ。前期は5/28まで。
関連記事
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア