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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

国宝「卯花墻」と桃山の名陶 志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部 

三井記念美術館で二か月に亙って、「国宝「卯花墻」と桃山の名陶 志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部」展が開催されている。
今は丁度前期なので、それについての感想を挙げたいと思う。

卯花墻はここ一番の三井のお茶碗のお宝で、王様格。
絵画では応挙の雪松図か。
これまでにもしばしばこの室町の三井本館で見せてもらっているが、わたしが最初に見たのはまだ中野区の「三井文庫」時代のことで、1999年秋に「桃山の茶陶」展でのことだった。ある意味、同窓会のような気持ちでこれら桃山の名陶たちに会いに行った。

展示室1
志野橋の絵茶碗  可愛いね。わたしが軽く書いたメモにはマッシュルームのような形でこの茶碗が表されているが、手の中で可愛がりたくなるようなところがある。

黄瀬戸立鼓花入  鼓を立てたような形。こうなると分銅にも似ている。

鼠志野草文香炉  赤茶けた地に草文が白抜きで活きる。鮮烈な白!「鬼板を掻きだして」という技法による文様なのだが、本当に胸が はっ となる白さだった。

織部筋兜香合  形が可愛い。兜と言うか一種の引籠りな風情にも見える。内へ内へ固める守り。

織部耳付茶器  これはまた胴回りを取り巻く文様がまるで蛇紋のような。ウロコではなく一つ一つが印花文なのだが、それがまた神秘的な蛇の文様にみえるのだった。
たぶん、わたしは谷川健一の著作に現れる、南洋の蛇のことを思っていたのだ。

織部扇面形向付  上からは扇面型だが、胴回りには釉溜りができている。こういうタイプのを「総織部」というらしい。原三溪が茶碗に使ったそうだ。

瀬戸黒茶碗 銘 冬の夜  筒状の瀬戸黒は珍しいとか。ちょっと石をくりぬいたようで面白い。

志野茶碗 銘 通天  もちろん東福寺の通天橋。赤みの差したのを紅葉見物で高名な通天橋に例えたわけだが、ここにはその橋は、ない。

志野茶碗 銘 広沢 湯木美術館  見たことがあると思えば、ご近所さんのもの。それだけで地元っ子ヒイキしちゃうなあ。赤星家―益田鈍翁―湯木美術館

織部梅文茶碗  梅文と縦線横線が縦横無尽な感じのが表裏に入っていた。

織部小筒茶碗 銘 佐保山  黒っぽい。首あたりに山谷が入って、その下に♪の下部分ばかり集まったのが並ぶ。

展示室2は国宝とかメインのところで、ここには当然ながら王様が鎮座まします。
志野茶碗 銘 卯花墻  みんなの人気者。

如庵写しの茶室には、小大丸伝来品がある。
志野茶碗 銘 羽衣  どこがどう「羽衣」なのかがわからない…

展示室4は全て志野茶碗。
説明文を読むと、「美濃から鬼板なる鉄顔料が取れた」「轆轤と型とを併用」とある。
勝手に納得しながら眺める。

志野橋の絵茶碗 銘 橋姫 東京国立博物館  ああ、再会しましたな。橋がなかなか長い。宇治の橋姫。もともとは「金輪」の女の逃げた後身だったかな。

志野橋の絵茶碗  こちらの橋は短い。それで思い出した。飛騨高山に「味噌買い橋」という小さな橋があり、それにまつわる伝説がある。私の大好きな話。

鼠志野筍文茶  うーん??

鼠志野檜垣文茶碗 銘 さざ浪  三島風。つまりちょっとニガテ。

志野刷毛目茶碗 銘 老の友  胴にキュウリ風なのが。よくわからない。

志野檜垣文茶碗 銘 雪の朝  檜垣文だからちょっと縦横無尽なジャリジャリしたのが。しかしこれでどう「雪の朝」なのかがわからない。

志野水指  矢筈口というスタイルの蓋周辺。ああ、これがあれかという納得。胴はシュールな文様が。

志野茄子香合 湯木美術館  ヘタつき。色は違うけれど。

形の可愛いものいくつか。
志野宝珠香合、志野蜜柑香合、志野耳付香合。最後のはどう見てもシイタケな蓋つき!

鼠志野鶺鴒文鉢 東京国立博物館  白い岩に止まるセキレイ。けっこう大きい。このセキレイには記憶がある。トーハクで見て、撮影したと思う。好きですよ。

志野草文向付  白いオールドローズ風な文様。

鼠志野草文向付  総じて黒に近い。

鼠志野草文筒向付  5つあり、それぞれ微妙に発色が異なる。グレー系とブラウン系と。

鼠志野飛鳥文向付  灰青色の綺麗な発色を見せる。縁に柳?見込みに7羽の千鳥か。
 
志野垣ニ唐草文向付  白地に、垣で繁茂する唐草。

志野撫子文向付  グレーや赤が強く発色している。サル?え?

展示室5
こちらは黄瀬戸がメイン。わりと使い勝手を考えたくなる。

黄瀬戸胴紐茶碗  紐でくびれを付けたような。綺麗な線の流れがある。
そしてその胴紐の上に溺れるような花々がある。
今回見た中で、一番艶めかしかった。nec605-2.jpg


黄瀬戸菊文香合  これは名古屋の森川如春庵旧蔵のものとか。

黄瀬戸根太香合  コマ型。ネダなのかネブトなのか?nec605-3.jpg

 
黄瀬戸桜花文銅鑼鉢  縁なしで、見込みに大きく花を刻む。何重もの手が込んだもの。

黄瀬戸菊摘蓋物  大きな菊蓋の内側にも色々と花が。内側にも花。シチュー向けの蓋物。こういうのを使うのも楽しい。

瀬戸黒茶碗 銘 小原女  高台からひっくり返してみると、焦げたカラメルが流れているように見える。
nec605-1.jpg

利休瀬戸茶碗 銘 萬歳  鈍翁追銘。うーん?

展示室6
ここには参考展示として、美濃古窯出土陶片がある。
鷺の絵の入ったものや、亀ぼい形の水注もあった。

展示室7
すべて織部。nec605.jpg


織部沓茶碗  可愛い。胴に丸目玉のようなのがついている。

織部串団子文茶碗  おおお、-○○○―だわ!!うらは/とあるだけ。やりましたな~

織部にも実に色んな文様があるものだと改めて知った。
ちょっと意外なくらいたくさんある。
波車文、松竹梅文、松林文、幾何学文、松唐草文、亀甲文、菊文、梅文、竹鳥文、砂金袋、筋文…

織部はじき香合 銘 袖露  鴻池家旧蔵。はじきは蓋にとってつきのこと、とか。
オハジキでもハジキ(チャカ)でもないよ。

織部梟香合  可愛いが、おなか周りはたぬきさん♪

形もまた色々ある。
宝珠、獅子、舟形、扇面などなど。

いいものをいっぱい見た。
後期もとても楽しみ。

10/20まで前期で、10/22~11/24まで後期。
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