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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

十月の東京ハイカイ録

今回の東京ハイカイは書きにくい。 
別にナゾが多いのではない。単にこないだの信州のまとめが出来ないのに、もう次書いてええんか、と葛藤してるだけの話。
信州、よすぎるお宿に泊まりましたが、写真が機器の相性の問題で、挙がらない。参った。 
ジクジたる気持ちを抱えたまま、こうして書いてゆきます。
なお、例により細かい感想はまた後日。

10/5。
いきなり青梅に行った。二度め。
「昭和の町」たることを選んだ青梅。実際そんな風情。
駅の通路に映画の絵看板。
駅前の商店街のあちこちに絵看板が上がる。
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うまいなあ。
洋画ものだけでなく邦画も多い。
今時懐かしい下駄屋さんもある。絵看板は黒沢明「姿三四郎」で、「鼻緒すげましょう」という台詞入り。笑ってしまった。
いや「昭和の町」やからそれでええのか。

青梅市美術館で杉本健吉の「新平家物語」挿絵をみる。
愛知に行かず青梅で見るのも一興なのは、原作の吉川英治が青梅に疎開してたから。
洋画家の挿絵は、却って和ものがいい。小出楢重、木村荘八、小磯良平らもそう。
いいものを見た。杉本画伯は長命で、生涯にわたり「新平家」を描き続けた。
これも詳しく書く。

立川の駅ナカのかにチャーハン専門店でお昼する。ここは初めて入った。
というか立川で乗り換えも三度目くらい。立川と言えば「聖☆おにいさん」の舞台。
なかなかおいしかったのでご機嫌。


八王子夢美術館にゆく。ムットーニです♪
うめだ阪急で見損ねて八王子で見る北摂の女。江戸の仇を長崎で。←ナンカチガウ。
新作の「ジャングルパラダイス」がすごく楽しい。1920年代のジョセフィン・ベーカーみたいなカッコよさがあった。こういうのが好きなので嬉しい。
一方、荘厳な仕掛けを見せる作品も健在。
やっぱりムットーニはいいわ♪

雨はまだまだ激しいし寒いので、三鷹の山本有三は次回に。
今日は休日パスを使うてるのでどこなと行きまっせ。(ただし雨が邪魔をする)


新宿へ。
珍しく道も間違えんと損保ジャパンへ。
損保美術館「トスカーナ」、これが予想外に佳すぎた!
印象派がフランスで生まれた同時期にイタリアでも絵画に革命が生まれていた。
かれらと同時代のイタリアの若き画家たちが新しい表現を模索して頑張っていたという事実にもかなりビックリした。
新しいイメージが生まれたよ。

そしてこの展覧会が予想以上に良くて、時間がとてもかかった。
今から見に行かれる方は余裕をもって行かないと苦しむよ。
結局5時前までいた。予想外。


そこから千葉へ向かう。東京経由で快速乗継。
千葉まで座るつもりが席を譲る。気分はいいが足は痛い。愛嬌モンの赤ちゃんが乗ってきたので相手してなんとか時間をやり過ごす。しかしヤンママさん、乳幼児にそんな長い爪で対処できるのか?


千葉市美術館で国内に鏤められたルオーの名品を見る。
非常に重くて苦しい。しかも強固なというか頑迷なくらいの信仰心で、それもちょっとサボナローナくらいな感じがしてきた。あるいは治安維持法以前のアカぽい感覚。
見ていても楽しめない。わたしには信仰心もないし、また下流にいはしても、なんとか出かける程度のささやかな幸せを持つことをも否定された気になる。
見ていてアタマが痛くなった。

更に追い打ちをかけられた気がするのはもう一つの企画展。
自身への救いのために制作された作品が延々と並ぶ。
他者をも救おうとするのが仏教だとするとキリスト教は他者を救おうという発想はないのか、と訊きたくなるような作品群。
(本来、仏教にしろキリスト教にしろ、そんなことはないのだが)
自身への救いのための作品を世に送ることで、それを見たものがどう思うかということは、作者の与り知らぬことだとでもいうのか。
全く分からない。
しかも10Mほどの楕円囲みの中にLEDライトがチカチカ点滅し続ける、宮島作品がある。
暗闇の中でのLED点滅は目にも頭にも痛い。先に言うてくれ。
早々に出た。残像でまだチカチカクラクラする。

ああ、なんだか苦しい状況のまま初日は終わる。

10/6。
今日はメトロ1日券購入。710円。最初に恵比寿へ行く。
地下鉄恵比寿ホームから写真美術館まで767歩だった。
競争するように歩く相手がいて、追いついたが抜けなかった。
わたしも大抵歩くの速いが、あの人は更に早い。これは気合が抜けない戦いだった。
ところがガーデンプレイスで道が分かれてしまい、決着がつかなくなった。
なんだか惜しい気がする。

東京都写真美術館「ネコライオン」。ネコは小さなライオンだ、ライオンは大きなネコだ。
岩合光昭さんの猫とライオンの比較写真。
これまで撮りためられた作品群の内から、猫とライオンの相似を見出され、それを対比する展示。めちゃくちゃよかった。
家にいると猫過剰、外に出ると猫不足。それが解消される一日の始まり。
それにしても仔ライオン、目の純粋さ。子猫よりもっと純真。これはあれだな、先進国の子供より発展途上国の子供の方が笑顔がいい、というのと同じ理屈だな。
しかし唐揚げみたいな仔ライオンたち、可愛い。
ネコはあまりに可愛すぎて(おかしすぎて)、見てるだけでシアワセになったわい。


続いて日比谷へ向かう。お昼にしたが、ナスの天ぷらが揚がりきれてなくて取り替えてもらう。困りますなあ。
わたしはレンコン・ナス・キノコの天ぷらをついつい無条件で愛してしまうのだが、ナマは困るわい。

出光美術館では所蔵品の仙厓の絵と、一休さん関連の絵とを展示していた。
お客さんの入りも上々。みんな熱心に絵を見て、賛を現代語訳したものを読んでいる。
時折笑ってしまうのが仙厓和尚の戒め。痛烈な皮肉をベタな言い方でくるむ。
例の禅語の「南泉斬猫」も、猫斬ったお前らみんな死んでしまえ的な一文をつけている。
この猫は永青文庫の時にも貸し出されて、展覧会のナビゲーターをつとめてたが、とても可愛い。
おおっと思ったのは、展示室が広がっていて、そこにも作品があるのだが、とても自然な感じがした。
変わったのはそれだけではない。
陶片室も随分明るくなった。いい感じである。難しくなくなったとでもいうか。
なんとなく和やかな気持ちで茶室も眺める。
やっぱり茶室に目がゆくときは和んでいるときなのだ。

ムンク室では新しい絵が展示されていたが、ちょっとばかりえっちくさい絵が出ていて面白かった。当時もそれで絵は排除されたそうだが、今から見ても別にどうのと言うことはない。昔の人の勘の良さに「をを」である。


有楽町線で江戸川橋へ。
野間記念館へ向かう。惜しいことにびーぐるバスに乗り損ねたので歩く。
だらだら坂がいややと思いつつ、やっぱりそれでも野間が好きなので歩く。
参るなあとか思いつつ歩くしかない。

野間の日本画にときめく。本画もいいが色紙の面白さが特にいいのよ。
それとびっくりしたのが大観の「生生流転」の模写ものが出ていたこと。昭和46年の製作。
コロタイプかなあ?
栖鳳の藻刈舟の絵を見て、いいものだなあと思う。


その栖鳳を見に竹橋へ。
あーやっぱりいいなあ。ここでも巨大なネコライオンに会う。それと山種のにゃんこさん。
あと白キジちゃんもいた。お、藻刈舟やん。これは泉屋の。
行き合った高校男子二人組がまじめに悩んでたので、声をかけて日本画の見方を教えて遣わす。うむうむ。将来有望なきみたち。これからも美術ファンでいてくれたまえ。


ニューオータニ美術館でセキ美術館の名品を見る。
加山又造さんのペルシャ猫がおる~~最後までちゃんと猫いてるね♪
喜んでじっくり眺めた。

赤坂見附のコージーコーナーで一休み。
素敵なガラスです。
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10/7。月曜平日です。
まだ東京にいるわたし。今日の目的は上野。
でもまず新橋へ。


汐留ミュージアムへ。
モローとルオーの師弟関係から生まれた作品を眺める。
その前に千葉で見たルオー展での苛立ちは全くなく、むしろ愛情にみたされる。
4K映像の美にも打ち震える。素晴らしい企画展。


それでここまでは良かったが、母にメールすると前日大阪は33度で、夏負けして倒れてたらしい。
しかもその直後から向こうの電池切れと言うことで連絡つかず、こちらが震えた。
まだやっぱりママへの愛情と言うのは活きてるわけで、それでお昼に何を食べたかもわからなくなる。
だがやがて電話連絡がついて安心する。
するが完全な安堵ではなく、気持ちが悪くなる。
わたしのスマホにまたこの状況の中で、誰のものかわからない電話がかかってきていた。
それが不吉な予感めいたものに思えて、ふらふらになる。

汐留から銀座まで歩くのに道を間違える。ありえない状況。
教文館で藤城清治さんの新作など見る。こちらも猫。1381192160328.jpg
ネコを見るうち少しずつ気持ちも鎮まる。
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そのまま上野の東博へ。
「京都」展の内覧会。少し出遅れて到着したが、丁度その時お茶の支度が整ったようで、サーブの人と目があい、それでお菓子をいただく。ああ、ほっとした。お菓子を食べてジュースを飲んで、心が和んだ。
お菓子の力は偉大だ。


「京都」展は素晴らしかった。ツイッターでコーフンしまくりなのを書いた。
いやもう実際そのとおりだもんな~~
また後日長々と書く予定。

東京駅へ戻る。焼きさば寿司でごはんにわさびの葉を混ぜ込んだものを買う。
こういうの好きだな。(持ち帰ってから、母と食べた)
それから前々からあこがれてた「国技館名物」やきとり。
国技館の地下工場で作られてるそうな。1381192182326.jpg
冷えたままでもおいしい。


最後の最後で気分が不安定になったが、お菓子のおかげで回復。
帰宅してそれなりに安心。
次のハイカイは来月頭です。
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