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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

クラブコスメチックスの「ポスターグラフィックス」 

クラブコスメチックス文化資料室の秋季展示を見た。
たまたま相客のいない時間帯だったので、室長さんを独占して、楽しくガイドを受けてしまうという贅沢を味わった。

今回の展示はポスターである。その昔の中山太陽堂の頃からこの企業は宣伝に力を入れてきた。西の太陽堂・東の資生堂と謳われ、今も昔の資料を大事にしている。
どちらの所蔵品も見てきたが、本当に素晴らしい。
それら資料(財産)は、公的なミュージアムで企画展が成り立つほどのレベルなのだから、まだ見ぬ人も想像をたくましくしていただきたい。決して内容は期待を裏切らぬものなのだ。

さて今回のポスター展は、「顔」だと聞いた。
顔のアップのポスターが壁面に並んでいる。みんなとても綺麗な、日本画を基にした美人たちである。
絵にもむろん時代の流行があり、特に化粧品会社なのだから、他社ポスターよりもずっと流行に敏感である。
年代ごとの展示を見て回った。

最初に北野恒富の美人が現れた。nec645.jpg
背景は桜が満遍なく描かれ、そこに片身変わりの着物を着た美しい女がいる。
恒富のポスター美人はクラブコスメチックスだけでなく、後述の高島屋でもキラキラ輝いている。
クラブ歯磨きのポスター。ただし彼女は歯を見せるようなことはしない。


1910年代のポスターのうち、布製のものがある。
クラブ美身クリーム、クラブ美髪用ポマード。双美人が微笑む。

nec646.jpg

1920年代のポスターをみる。
カテイ石鹸のル・ブランの絵を二次使用したものがある。
百年近い昔は厳しいことを言う人もいなかったので、ご愛敬。

きれいな絵を見て回る。
クラブ美身クリームのポスター。
耳隠しの美人たち。顔を大きくはっきり描いたポスターがこうして並ぶと、壮観。

美人画が好きなので、一番楽しいのはこの時代。

やがて1930年代には女優たちを起用したポスターが出てくる。
右は入江たか子、左は高杉早苗。
すぐわかったのは入江たか子。後年の化け猫女優の頃は知らないが、若い頃の(戦前の)映画の資料や映像を見ているので、わかった。
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左の高杉はどうも自信がなかったので尋ねたら、高杉早苗だと言うことで納得した。
三世猿之助の母、今の猿之助の祖母にあたるひとで、この人も戦前の美人女優。戦後に映画界に復帰した。

美人女優が微笑みながらクリームを持っている。
それを見て買う気になったお客も多かろう。

その化粧品の容器が展示されている。
戦前のデザインはとてもおしゃれで、集められているクリームや化粧水の容器を見ていると、戦前の大大阪の繁栄を彷彿とさせる。

戦後になり会社の名前も変わったり、出すクリームもモデルチェンジしたりと、興味深い変遷が見えた。
nec646-2.jpg

左は1958年のポスター、右は去年のもの。「ならこすめ」は和風な感じがいい。
左はなんとなくドキッとする。

いい気持ちで見て回れた。
10/31まで。

クラブコスメチックスは阿波座にある。
そこから千日前線に乗って日本橋へ出る。高島屋史料館へ行った。
こちらも今回はポスターの展覧会。高島屋のイベントのポスターが並ぶ。

1929年の「赤穂義士 忠臣蔵大展覧会」、「日光東照宮」などなど。ほかにも「台湾」展がある。先の二つはともかく、あとの台湾は今の物産展などではなく、南進記念と銘打たれている。
歌舞伎のコスプレと言うようなのもある。それは北野恒富の原画によるもの。

高島屋史料館のポスター展は前後期あり、詳しくはまた後日書きたい。
いかにも楽しいポスター展二つ。いいものを見ていい気持ち。 
電車も一本で回れるので、気楽に回れる。


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