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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

花外楼 老舗料亭の一品

大阪商業大学の商業史博物館へ初めて入った。
河内小阪にある。初めて下車したが、ここはハウス食品の本社がある駅。そこを通り過ぎて大学。てっきり近大だと思いこんでいたが、大商大らしい。
行った日は学園祭の最中で、にぎやかだった。
登録有形文化財の博物館へはいる。

「花外楼 老舗料亭の一品」展の前期をみた。
花外楼は明治八年の「大阪会議」の舞台となり、それまで屋号は「加賀伊」だったのを木戸により「花外楼」と命名された。書の得意な伊藤からは「花魁」というユニークな当て字の書ももらっている。
北浜で現在も盛業しているが、七年ほど前に一日限りの所蔵品展を開催したことがあり、わたしはそれに参加して、感銘を受けた。
今回は、大学博物館の一隅で30点ばかりの展示がある。
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花外楼は歴代の女将さんが大阪画壇の絵を買い集め、その活動を支えた。大阪画壇は東京や京都に押されて今は知る人も少なくなったし、なにより文化財放棄活動にイソシムようなヤカラが首長になったので、本当に悲しいくらい展覧会がない。

だからこそこの企画は貴重で、しかも無料での公開という嬉しさである。
以前芦屋市立美術博物館におられた明尾さんがこちらに来られて、いい企画を立てられるようになったのか。
そういえば見学した日はクラブコスメチックス文化資料室の室長・福田さんの講演会もあるようで、それも明尾さんの企画なのかもしれない。
なんにせよ、わたしは今回初めて大商大に入った。
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五姓田芳柳 花外楼初代伊助夫妻図 洋風の絵で明治初期の夫妻の姿を映す。二人とも黒っぽい着物で、間近く座す。頭領たる夫妻が力を合わせ、働く人々も心を一つにしたからこその隆盛。

深田直城 魚貝図 実にたくさんの種類の魚族がおる。
タイ、フグ、カツオ、エビにイカ、イセエビ、オコゼ、サンマ、ワタリガニなどなど。
(こういうのを本当に調理したなら食品偽装にはならない)
昭和七年の作。先般みたお魚版画の麦風と同時代の絵なのだ。

久保田桃水 秋原飛雁図 ススキ野の上を飛ぶギース。

上島鳳山 春雨図 鳳山の絵などはもう泉屋分館くらいでしか見れない。馬の後ろ姿、蓑と笠を身につけた女がしゃがんでいる。わらじを直しているのだ。

武部白鳳 三舟蛤網闘魚図 舟に何本も杭のようなものが立てられている。こういうのを見ると、諏訪湖でみたものを思い出したり、むかしの「日曜洋画劇場」か「金曜」か「水曜」のオープニング映像を思い出す。
夜、働く舟人たち。

武部白鳳 真鯛図 うまいトリミング。鯛の頭と腹とだけ。

菅楯彦 澱江納涼 これは淀川での納涼シーンを描いているらしい。向こうに橋があり、たくさんの小舟がでている。手前の小舟にはすいかを売りに来た舟が近寄る。
薄闇の中、すいかの頭のあたり、川を削いだ跡がある。黒いすいか。すいかの実は赤い。小さく切った三角のすいかがおいしそう。

菅楯彦 団炉談古 この絵には記憶がある。正月らしい赤い太陽、梅が延びる先。家の中で礼装した人々。隣室では少年が彼らのために世話を焼く。
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庭山耕園 牽牛花(朝顔) 三つ咲いている青い花。この人の絵も見たのは池田市歴史民俗資料館くらいか。

中川和堂 天神祭舟渡御図 炎上する篝火。笹を立てているが火は飛ぶ。天神祭らしい梅紋の入った提灯。

井上馨の賛の入った六歌仙もある。小町は横顔しかわからない。
こういうのは本当に楽しい。

11/2まで前期。11/4から11/30までが後期。

過去の図録が展示ケースにあったのでみせていただく。
もう20年前の本などもあり、ここが昔から機能していたことを初めて知る。
もったいない。わたしは北摂の住人で河内アンではないからしらなんだが、こんないい活動していたのだ。
もっと宣伝したらよいのに。

なお、常設がこれまた非常にいい。江戸時代の町の話とか組織のありようとか身分制度の隙間とか。
詳しくはかけないが、たいへん興味深い展示だった。
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