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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

北原照久コレクション / 新耽奇会―奇想天外コレクション

石神井公園ふるさと文化館で北原照久コレクションを見た。
ご存じのとおり、レトロなトーイや看板などの蒐集で世界的に高名なコレクションである。
また、早稲田大学演劇博物館で『新耽奇会―奇想天外コレクション』展が開催されている。
どちらも非常に興味深い、面白い内容だった。

だいたいわたしはこうした「面白い」蒐集品に惹かれる性質で、朝も早よから遠い石神井公園までいそいそ出かけた。
行ってみると、やっぱり期待を裏切られることなく楽しい内容だった。

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戦前のこどものための楽しい雑誌付録が集まっている。
「少年倶楽部」「少女倶楽部」の付録などは野間記念館か弥生美術館の企画でしか、今は見ることが出来ない。どちらもペーパークラフトで、これが大変精巧なのである。
軍艦三笠やエンパイヤステートビル。この二つは野間で見ているが、さすが北原コレクション、ちゃんと持っていた。
ほかにも風光明媚な地を走る特急列車のペーパージオラマがあり、それがまた面白い。
ちゃんとトンネルから出て来た列車がカーブを見せている。背景もきちんと彩色されて、戦前の和やかな風景が広がっていた。
こういうのを見ると♪今は山中 今は浜~と歌いたくなるのだ。

小学館の「小学▽年生」の付録もある。同時に見るのは今回が初めてかもしれない。
いいもんです。

戦争の足音が近づき物資が段々となくなりつつあった頃でも、子供らのためにペーパークラフトの付録がついた。
和洋折衷のおうちである。玄関と応接は洋間、居間は和室。きちんと山折り谷折りして嵌め込んで、完成したおうちには遠近法も活きた。
ああ、ほしいなあ。しみじみ思う。

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グリコのおまけもある。
そもそもわたしが展覧会に喜んで出かけるようになったのは、90年代初頭のINAXギャラリーでの「グリコのおまけ」展辺りからかもしれない。
INAXの次には芦屋市美術博物館でも同じような展覧会があり、そちらへも喜んで見に行った。
こう考えると、珍奇・軽妙・楽しいものが好きなのは、もう随分昔からということになる。

グリコのおまけは大阪の宮本順三さんのミュージアムに大量にあるのだが、そちらに行かずこんな遠いところで見ている。

昭和40年~50年代の子供なので、グリコのおまけの黄金時代を知っている。
懐かしいものと、知らぬものとが集まっていて、とても楽しい。

富山の薬のパッケージもある。わははははは。いやもぉほんと、面白い。
こういうのがあるからコレクターは楽しいのだろう。

リカちゃん人形のハウスもある。
わたしはおもちゃに関してはたいへん幸せな子供で、欲しいものは買ってもらえた。
だからここにあるハウスもリカママのオリエさんのブティックも持っている。
ただしこんな完全な形では保存できていないが。
ああ、リカちゃんのボーイフレンドでいちばんハンサムなマサトくんがいた。
このマサトくんは髪も植えられていて、とてもハンサムなのだ。
今も家で眠っている。こうして眺めていると、再び会いたくなってきた。
閉めたままにしていてごめんなさい。

こんなとき、小さい女の子が手元にいればなあと思う。

ノベルティの大群があった。
チラシにあるナショナル坊や、製薬会社のサトちゃん(ゾウ)、銀行のキャラも多い。フジ丸、ハットリくん、などなど。

その前の世代のセルロイドのおもちゃも可愛い。今の日本でセルロイドを使うものといえば、唯一ピンポン球がある。

昭和30年代のおもちゃや広告ポスターを見ていると、まつざきあけみ「ぼくらは青年探偵団」を必ず思い出す。
団塊の世代のまつざきは、足立区の下町育ちで貧しかった子供時代への反動で、華麗な西洋・豪奢な中国を舞台にした美麗な絵を描いていたが、反動の反動で、あるとき昭和30年代を舞台にしたマンガを描き始め、そこにその時代の流行もの・事象をぶち込んだ。
知る人ぞ知るマイナー雑誌での連載だが、大受けした。
わたしが古いもの好きな一因に、この作品が関係しているのでは、と時々思うことがある。

てくてく出かけていい気持ちになり、明るく帰った。
11/17まで。


次に早稲田大学演劇博物館の「新耽奇会展 奇想天外コレクション」を見た。
昭和初期に好古家らが集まり、自分の持つ妙なお宝を見せ合う会だったそうだ。
会ではその記録もきちんと残している。
チラシはその関連。nec665.jpg

ちゃんと和綴じ製本されている。
よくもこんな、と思う品々がある。笑ったりびっくりしたり。

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チラシにある平賀源内の火浣布、これは石綿入りなので、今ならまずい、まずすぎる。
この存在を知ったのは、実は水木しげる「東西奇ッ怪紳士録」からだった。

烏帽子などは一期に出たので見てはいないが、鉱物・貝類標本、糸操り人形、宝塚歌劇のオスカルの衣装、瓦版「人魚図」はこの目で見た。

曲亭馬琴使用陶枕 長谷川如是閑寄贈 饗庭篁村旧蔵 スゴい来歴。茶色い枕だった。
関係ないがわたしは染付の陶枕を持っている。だからこそ言うが、ひんやりするのは最初だけで後は熱がこもりやすい。

加州金沢猫寺招福 腹掛けに丸に金の字いり。この猫は豪徳寺の猫とはまた違い、猫の埋葬と法名を与えたりで有名になったそうな。それでこの招き猫は大正十年に畜霊供養の大法要で頒布されたもの。
うむ、すばらしい。

坪内逍遥からの出品もある。
カワセミ剥製標本、霊芝、水滸伝などである。
水滸伝は何となくわかるが、カワセミの標本や霊芝なんてどこから・・・

河竹繁俊も蘇民将来や黙阿弥の「火の用心」札を出している。

意味が分からないのが安田善次郎の出品。
安田財閥の当主がなんで瓦版の人魚図出すねんw
この絵はわりとよく見かけるもの。
西洋の人魚とはひと味違うのさ。

六代目菊五郎の出品は芝居関係の物がある。
道成寺での小物や大判小判の模造、このあたりは納得。
しかしわからないのが、明治天皇御大葬の松明。
こういう物はどこで手に入れたのだろう。行列したとは思えないし。

五世中村歌右衛門は男の子の人形を出していた。市之助といい、玉菊遺愛の人形。それの着替えもあり。
これはなんとなく縁を感じるが、しかし五世は上臈ばかり演ずる役者なので、違和感もある。

ダーク式糸操り人形は骸骨にもなる。これもよくわからないが、もっとわけのわからない、怖いものがあった。
お岩さんの人形、それも2M大くらいのもので、ねずみ色の衣装に怖いお顔の人形。
ヒーーーッ
講談の一竜斎貞山からの出品。
解説を読んで、それぞれに納得。

他にもサモワールやパネルなどがある。
そして一路真輝の着用していた「ベルばら」のオスカル様の衣装。なぜ早稲田にあるのだろう。
宝塚と縁深い池田文庫ならまだしも。

いろんな謎を齎してくれ、それがまた楽しい企画展だった。11/30まで。
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