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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

野間記念館 「近代日本画の花鳥画」展

野間記念館の今年最後の企画展は「近代日本の花鳥画」である。
大和絵の昔から花鳥画を愛してきた日本人。文化の父兄たる中国・朝鮮からその美を愛でることを教わり、その感性を育んできた。
四季があることで関心が自然に向き、さらに近代人としての理知がそこに加わる。
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野間コレクションは最も素晴らしい時代に日本画の名品を集めたのであった。

最初に大観の小品から屏風まで三点。
大観 白鷺ノ図 大きい笹の葉の下に一羽たたずむ。

大観 夜梅 薄い闇の中で。

大観 松鶴図 毛つくろいする鶴。松ぼっくりがころころ。

青樹 十二ヶ月図 昭和三年の。金地に月次の自然が描かれている。濃い紅梅、葉の長い春蘭、白百合と黒アゲハの交流、巨峰らしき葡萄、下がる稲穂・・・
毎月の楽しみがここにある。

蓬春 四季花鳥 里桜に小鳥、柳に五位鷺、白萩に鶉、敗荷とセキレイ。昭和初期の作品には戦後の蓬春モダニズムの萌芽はまだ見られないが、その分おっとりしている。

御舟 朱華琉瑠鳥 なにかしら、まずい。一目見てそう思う。つまりこんな絵を描いていたら早死にするぞという予感を感じさせられるのだ。
墨のにじみにカラフルな配色。だがそれだけではない何かがある。

御舟 梅花フクイク 紅も白もよい。安堵する。

靫彦 水仙 丈の高さ!!下に小さく赤い実が。

十畝 黄昏 この絵はいつ見てもいい。好きな一枚。薄闇がしのび始め、白い月があがっている。丈高い紫苑が密生するその隙間を、白猫が耳を後ろに そぉっ と通り抜けてゆく。画家はその情景を捉えるのだ。

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青樹 四季花鳥 可愛い蛇苺に大きなタンポポ、黄色や紫の小花。柳の下に芭蕉、その葉の上にカエルが一匹。甘い黄色の銀杏と仲良しなハト。雪の散る中を飛び交う二羽。
わたしは夏の芭蕉とカエルが気に入った。
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十畝 松 大きな明るい松。松並木が長い。

十畝 四季花鳥 チラシには春と秋が掲載されている。
八重の里桜に黄色い小鳥。ナデシコ咲く岩に水の中では鮎。ススキ、キキョウ、白菊に赤い実をつける草、そこにクイナ。雪に鴛鴦。やはりいいのは春に秋だった。
故意に古い技法で描いたような風情がある。

秀畝 残月杜鵑 大きく飛ぶホトトギス。林の上を。

秀畝 五位鷺 冬の木に止まる二羽。厳しい目をしている。

平八郎 双鶴図 丸顔に丸い目の鶴さんたち。

五雲 夏木立 ミミズクが眠そうな目でこちらを見る。nec697-2.jpg


神泉 鶉図 木賊に振り向く鶉。

紫峰 猫之図 切り株に座る白キジの猫やん。けっこうよく広がる猫。

御舟 菊花 糸菊の黄色と白。そこへ赤トンボがくる。葉がへにょりとなっているリアルさ。黄菊はまるで錦糸卵か糸柚のように見えた。
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印象 清泉 ガクアジサイに赤トンボ。金のシダもある。清さと明るさがある。

荻邨 十二ヶ月図 十一月・四十雀 パウル・クレーな絵のようだった。葉の中にいる四十雀。可愛い。

ここからは野間コレクションの中枢をなす「十二ヶ月図色紙」の展示。
十畝、永田春水、竹原嘲風、森白甫、西沢笛畝、木本大果、秀畝、南風、蓬春、岳陵らの作品。
一ヶ月ごとにそれぞれが麗筆をふるう。

わたしは一枚一枚に小さい感想をつけながら見歩いたが、書くのは切りがないように思うので、あえて書かない。

十二ヶ月図はとても心地よいリズムがある。
毎月毎月変わってゆく自然。月によっては別な画家でも同じ絵を描くこともある。
それがまた面白くもある。
まったく同じ題材・同じ構図・同じ配色であっても、まったく違うからだ。

今ではこの野間以外では見ることのない画家の作品もある。
とても貴重なコレクションである。
そして年明けの企画展は「十二ヶ月図の世界」である。
この喜びをほかの多くのひとも知ってほしいと思う。
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