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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

茶人・村山香雪

香雪美術館の40周年記念展を4期すべて見た。
朝日新聞社の創立者・村山龍平のコレクションである。
明治の大邸宅に隣接して美術館が開かれている。
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今期は茶人・村山香雪ということで茶道具を中心とした展示である。
わたしはお茶を習うことには非常に消極的だが、茶道具を眺めるのは大変好きで、あちこち見せてもらいに歩く。
今回もいそいそ出かけた。
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和様の書たる平安時代の歌人らの色紙などがあるが、このあたりはニコニコしながら見て通るだけ。
村山は薮内流の茶人なので、薮内剣仲の「寂寥」二字を持っていた。
寂々たるものが字のカスレから漂う。
桃山時代の書。

次に幕末の薮内竹猗(ちくい)の絵があった。
千本松図 風炉先屏風 わぁーっと千本松が空に伸びている。延々と松林。薄い空色と薄い墨と薄い緑だけなのに、風が通っているのを感じた。
気持ちのいい図。この人は和宮の指南役だったそう。

安南の染付を見る。チョロギに似た形だというので「丁呂木」花入れと言われるもの。ベトナムで16~17世紀頃に生まれた。なるほどそんな形。

仁清の鴨香炉がある。小さい小さいものではなく中クラスのサイズ。呉須と鉄釉で出来た地味な色合いだが目のぱっちりした可愛い鴨。
今回、展覧会皆勤賞にいただいた賞品は、この鴨を刺繍したハンカチだった。
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明の青磁香合がある。袋ネズミというそうだが「袋のネズミ」ではなく、「袋の上にネズミ」である。ところがこれは実は明では「ザクロにリス」として作られたのだった。
それが日本に入ってくると、大黒さんの袋に大黒さんの家来のネズミと言う見立てになり、「袋にネズミ」へと変身したのだった。
尤もわたしにはネズミにもリスにも見えず「…トカゲやな」と一人合点していたイキモノなのでした。

祥瑞の蜜柑香合、呉須の周茂叔香合、交趾のザクロ香合などがある。
中でもザクロ香合は二種あり、色違いで天馬と宿星が浮き彫りされている。摘みは七曜星。それをザクロに見立てたと言うが、ちょっとこれはやり過ぎの感がある。

志野 松籬絵水指 …景色をその銘にしたというのはよくわかるが、このどこが松籬なのかが「わたしには」わからない。水中の片輪車の上に鷺が立つ、そんな景色に見えるのだった。
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本阿弥空中 手造 手付水指 忘れてた、お孫さん。ぐわーっっとした作りでざっくりした水指。うーん、わたしはね、こぉいうのがニガテなの。でも手造りは偽装ではないらしい。

萬暦赤絵 枡水指 菱形でガワ四面に龍が。とてもファンキーな顔をしている。

原羊遊斎 不昧公好み 大菊高蒔絵棗 これは黒地に高蒔絵で盛り上がる金菊が貼りついている棗。不昧公が30個作らせたうちの一つ。

茶杓を見る。
わたしは茶杓が大好きなので嬉しい。
薮内竹心 銘「熊坂」 大ぶりなところに、大薙刀を持つ熊坂を思ったらしい。

村田珠光 銘「茶瓢」 煤竹を使ったものだが、後の形が定まった時代のものではない茶杓なので、他のものとは形などが全く違う。茶色いバターナイフのような形状。面白かった。

茶碗いろいろ。
長次郎の黒樂がある。うむ、堅そう。
明の雲堂手茶碗、人形手茶碗、李朝の雲鶴筒茶碗、黒織部に赤織部。
伊羅保もある。

志野茶碗 銘「朝日影」 なんでも朝日新聞と同じような形の太陽があるそうだが、やっぱりわたしにはどこがどうやら…口べり近くに魚の形が見える。しかもよく見ると足つきの魚。まるで直立魚人のような。
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井戸茶碗 名物手茶碗 燕庵井戸 カイラギが可愛い。挽家が大ぶりで丼風。黒い丼。それがライトを受けてキララ。

今回は明治の茶人たちの交流などを垣間見る展示にもなっており、村山の交友関係もうかがえて興味深かった。
11/27まで前期、11/28~12/23まで後期。
色紙類の入れ替えがある。
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