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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

地中に埋もれた江戸時代の道具たち

神奈川県立歴史博物館の「地中に埋もれた江戸時代の道具たち」は面白い展覧会だった。
「かながわの町と村の暮らしぶり」とあり、昔の暮らしを髣髴とさせるモノたちが集められているようだった。
神奈川の江戸時代。
横浜だと発掘品は明治のものが多かろうし、鎌倉ではやっぱり鎌倉時代のものが多かろうが、さて江戸時代になると他国もののわたしでは「???」なばかりである。
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神奈川県内での藩といえば小田原藩がすぐに思い浮かぶが、東海道があるところなのだから他にも色々あるわけで、直轄地や飛び地がけっこう多いそうな。
そうなるといよいよ発掘品は少なくはなさそうである。

何が出てくるのだろうと思いながらホールに足を運ぶと、そこにあるのは行灯、行灯、行灯である。
行灯の灯りは薄暗い。それがずらーっっとたくさん並んでいる。行灯だからやっぱりこれだけ数が集まっていても薄暗い。しかし行灯特有の温かみのある薄ぼんやりした灯りは、なにやら気分が静まるような効果を挙げている。
尤も、こんなのが一個だけでその横に髪の乱れた女が座ってたり蹲っていたら、怖くて仕方ないだろう。

中に入ると、まず食器の欠片が集まっていた。
多くは染付である。わたしの大好きな色の濃い目の染付の皿や鉢が大量に出ていた。
これらは庶民の日常遣いのものではなく、身分の高い武家や豪商や料理屋などで使われていた食器類にあたる。
実物のほかにも浮世絵が展示されていて、広重や国貞に国芳らの描いた画面の中には、ここにあるような染付けの器が幅をきかせていた。

鍋島焼で今も人気のあるポップな花火柄の皿もあるが、あいにく一部欠けていて、つながれていた。
三種類のごはんの再現があった。食膳と箱膳などである。
ここにあるのはその模型。
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差があるのは当然のことながら、全部おいしそうに見えて仕方なかったのも事実なのだった。
お皿は今のケーキ皿サイズくらいのがメイン。個人のおかずを入れるのには、そのサイズがベストのようだった。
今回初めて知ったのだが、赤絵は染付より高価だとか。え~~そうなの?

今も使われているのと同じような形のものもある。
焙烙やおろし金など、つい30年くらいまで普通に使うてた家族は多いと思う。
そういうのを観るだけでも面白い。

今ではなくなってしまったものなどもたくさんある。
それがいわゆる「江戸時代の道具たち」なのだった。
平仄、行灯皿、火打石、鉄漿壷・・・
面白くてならない。

江戸時代は「子供の時代」でもあり、多くの種類のおもちゃができた。
ままごと道具、ちゃんばら用のおもちゃの刀、羽子板、土人形などなど。
招き猫の破損したのも展示されていた。可愛いなあ~
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キセルもたくさんある。羅宇(らう、またはラオ)や吸い口などばらばら。
こんなのは今では歌舞伎の舞台でしか見ない。
そう、この展示を見ていると、歌舞伎に現れる人々の暮らしの中に入り込んでいるような気になるのだった。

発掘場所により出てくるものが少しずつ違うのも面白い。
公的機関である関所や陣屋、宿場、寺院、武家屋敷、商家、農村など色々。
やきものにしても染付ばかりではないし、陶器も少なくないし、青磁が出てくることもある。
展示にはないが、「皿屋敷」のお菊さんが割ったお皿にしても「高麗青磁」「染付」など諸説がある。こういうことを考えるのも楽しい。

この展覧会はやきもの好きなヒトにも歌舞伎や浮世絵好きな人にも、むろん江戸時代全般に興味がある人にも大いに勧めたい。
かなり立派なパンフレットもついている。
近世近代の発掘と言うものの面白さを教えてくれる展覧会だった。


さて併設展として眞葛焼の展示もある。
幕末から活躍していた京都の宮川香山が横浜に出てきて、明治三年に野毛山で窯開きして始まったのがこの「眞葛焼」なのだった。
以前からしばしばここで紹介されていたので、またあのにゃんこに会えると喜んで出かけると、いたいた、いてました。
目覚めてニャアとしたねこです。こちらは第一号で、第二号もいてまして、そちらとはちょっとばかり顔つきが違う。
どう違うかと言うと、目が違う。
第一号のニャアは目が大きい。第二号は外に出たら目が細くなる、あれで表現されているのだった。
そんなことに気づいたのも嬉しい。
ほかにもたくさん出ているが、とりあえず猫に会えた喜びでいっぱいになった。
江戸時代の道具たちは2/23まで、眞葛焼は3/2まで。
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