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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

樂茶碗と新春の「雪松図」

三井記念美術館・新春恒例の応挙「雪松図」登場に合わせ、今年は主に樂焼が並んだ。
京都の樂美術館や茶道資料館で親しんだ<樂焼>をこうして東京で見ると、また違った感興が呼び起される。
三井家が代々愛してきた樂焼、それを大いに楽しませてもらった。

青磁鳳凰耳花入 元時代 いかにもな色合いで、やっぱり安心するなあ。

十二支文腰霰平丸釜 大西浄林 江戸時代 どうぶつたちがくっきりしていてとても可愛い。ぐるぐる走るように見える。下にはぶつぶつ突起ベルトが回る。

可愛いのはほかにも。明代の香合二つ。
交趾金花鳥香合
祥瑞茄子香合
こういうのを賞玩したい。

展示室2は「今回のスター」登場の場。
粉引茶碗 三好粉引 朝鮮時代 あまり好みではないが、やはり伝世品の風格がある。

如庵の取り合わせもいい。
蓬萊山画賛 啐啄斎 江戸時代
瀬戸渋紙手水指 桃山時代
御所丸茶碗 朝鮮時代
黒塗大棗 紹鴎好 秀次 室町時代
竹茶杓 銘翁 松花堂昭乗 江戸時代
かっこいいなあ。静かな世界がここにある。

絵を見る。
聚楽第図屏風 桃山時代 剥落が激しい。お城が大きく描かれる。内の井戸周りにいる女たちがぱっと目に入る。5扇までしかない。6は失われたか。棕櫚のような木がある。
聚楽第というだけに色んな派手で明るく楽しいものが集められている。
nec771.jpg

南蛮屏風 江戸時代 南蛮人を興味深く眺める人々。斑犬を抱っこする少女と、その犬を逃がしてしまう少女と。犬も珍しがってか、南蛮人を追う。艀が出ている。黒人水夫たちが船の綱をきちんと引くが、ある場所では体を逆トンボリにしている。
左は南蛮寺。金ぴか寺院。女人らもいるし、孔雀もいる。御堀にはハクチョウが泳ぐのも珍しい。

めでたい図が選ばれている。
郭子儀祝賀図 円山応挙 安永4 年(1775) さすが応挙だけに子供らが可愛い。
稲麻綿図 応挙 寛政3 年(1791) 三つとも色が薄い。

雪松図屏風、一番奥に広がる。むかしむかし中野区に三井文庫があった頃、わざわざ出かけたことも懐かしい。
今では新春のおしるしのような存在になったなあ。
あの頃のチケットから。
mir507.jpg

狩野派が続く。
小野小町図 狩野尚信 これは美人の小町図。やっぱり正月はこちらの方がいい。
寿老人・松竹図 狩野常信 鶴亀と一緒のめでたい寿老人。
八幡太郎義家図 狩野美信 鳥がはばたくのを見て「!」となる八幡太郎の図。
七福神図 狩野養信 外で宴会。タイも皿に載せられ、唐子も鶴も浮かれてる。
四季山水図 狩野栄信 やや暑苦しい山水だった。秋に牛飼い童がいる。

さてここからは樂がメイン。
黒楽茶碗 銘俊寛 長次郎 桃山時代 やっぱりわたしには重い。他に重いものが二つばかり続いて、ちょっと苦しくなる。

ふと目を向けると、そこに燦然と輝くものが。
ノンコウ登場!
赤楽茶碗 銘再来 ああ~~いいなあ。ノンコウらしいキラキラした茶碗。
黒楽茶碗 銘雪夜 本当に好きやなあ、つくづくいい。

ふりむけばそこには単品で赤楽茶碗 銘鵺があった。
腹の黒い景色を黒雲に見立て、中に化物がいるという見立て。そういうシャレ心がとても好きだ。

黒楽茶碗 銘四ツ目 四代一入 まっ□。本当に□。きらきら肉薄。父親の作るものと似ている。一入にしては珍しい。

青楽花文平向付 五代宗入 可愛い。緑地に金の花。

六代左入が享保18 年(1733)に拵えた200ばかりの連作の内から3つがある。
黒楽茶碗 銘真紅 
黒楽茶碗 銘小鳥
赤楽檜垣の絵茶碗
……いつか全部を見てみたいものだが、全て揃うことはあるのかどうか。

展示室6でパネル展示により、紀州御庭焼と三井高祐の関わりについて説明。
いつも大切なことをここでレクチャー。

さて、最後の部屋に来ました。樂焼と紀州御庭焼とがある。
赤楽柏皿 七代長入 あ、ホンマに柏型。載せるのはやっぱり柏餅でしょうw

黒楽四方茶碗 九代了入 ぬめー と綺麗。ノンコウ風な綺麗さがある。口も薄い。

赤楽熊笹絵平向付 九代了入 赤に白泥でざっぱな感じで笹。

黒楽片身替茶碗 十一代慶入 明治4 年(1871) ピカッ vs ザラッ が隣り合わせ。面白い風情がある。

黒楽鶴絵茶碗 銘住の江 十一代慶入 明治18 年(1885) 口が薄くてこちらもノンコウ風。

どうも奇数の代の御当主はノンコウ風味なのが多いのかもしれない。
わたしとしてはすごーく好ましいが。

了々斎宗左が文化15 年(1818)に拵えた黒と赤。
黒楽茶碗 銘弁慶
赤楽茶碗 銘鬼鹿毛 
どちらも武張った名前だが、そうそうゴツゴツしているわけでもない。
特に鬼鹿毛は全体に彡彡彡彡彡と続き、馬だということを感じさせてくれる。鬣の表現。
この名前を見ると、小栗判官ゆかりの馬・鬼鹿毛を思い出す。その馬術の絶妙さ。芝居でも素晴らしい演出と演技だった。
馬にこのような名前を付けるのは即ち荒馬である証拠。

紀州御庭焼 赤楽雁絵茶碗 銘野分 三井高祐(則兵衛)文政2 年(1819)ざわざわ…

紀州御庭焼 黒楽菊彫文丸香合 文政2 年(1819) 可愛らしい。

簡単な感想になったが、なかなか楽しい展覧会なのはいつものこと。
ああ、新春のお楽しみを今年も味わえた。
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