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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

大浮世絵展 1

大浮世絵展の1期目に出かけた。
なにしろ「大」浮世絵展なので、量が凄まじく多い。東京では8期に細かく分かれている。
尤も東京でも見られないものはある。名古屋と山口だけというものも少なくはない。
たとえば「浮世絵前夜」の章では松浦屏風はは山口のみ・堀江物語絵巻(岡田本)は名古屋のみということである。
そのかわり彦根屏風は東京の1期目にしか出ないので、わたしはそれを目当てに14日の火曜の朝一番に出かけた。

第一章 浮世絵前夜
現在では近世風俗画と呼ばれるようになった屏風や立ち美人図などが集まる。

風俗図屏風(彦根屏風) やはり間近で見ると色々新たに気づくことも少なくない。
髪の裾の始末である。女児はまっすくおかっぱさんだが、女たちは案外不揃えにしている。まだ髷にする前の時代なので、垂らし髪も色々工夫が出来るのだ。
それに案外みんなくせ毛だったりする。それは松浦屏風もそうだったか。
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婦女遊楽図屏風 伝・又兵衛 顎が長いのでそうではないかと。屋敷の濡れ縁と庭で男女がいて、それぞれしたいことをしている図。楽しそう。彩色はそんなに絢爛ということもない。

微笑む美人図・若衆図 衣裳の意匠を見ると、いかにも寛文美人な二人。女は白・男は黒を地にして大胆な図柄の意匠。派手でかっこいい。ミラノ・コレクションのようなムードがある。男のやたら長い刀は実用品ではなく、完全にファッション。

第二章 浮世絵のあけぼの
師宣、鳥居派、宮川派、西川、奥村辺りまで。

師宣 北楼及び演劇図巻 寛文11年 男と色子らしきものが寄り添う姿を第一に見つける。男は前を歩行する女を見ているが、色子はそんな男を見つめる。

師宣 戯れへのいざない これは礫川所蔵分。手彩色なし。寝そべる男の足に座る女と、その腰を撫でる男と。これは12枚組のもので、わたしは4場面目までは見たが、その続きをぜひとも見てみたいものだと思っている。

杉村治兵衛 十二段 よしつねたびのなさけ 漂泊流浪の貴種はやたらと女出入りが多い。
手彩色らしい。座敷で侍女らから接待を受ける。

鳥居清信 上村吉三郎の女三の宮 柳下で斑猫と。これは元禄の芝居の中の舞踊シーンらしい。丹絵。

鳥居清倍 出陣髪すき 麻呂眉の義経の出陣に際し、静御前らしき女が髪を整えている。江戸博所蔵品だが、わたしは初見。

宮川一笑 正月風俗図 白梅の咲く日。華やかな人々がいる図。

西川祐信 衣通姫図 これは京都でしばしば見る。蜘蛛の糸の下がるのを見て歌を詠む姿。
この絵もこうしてここに出てきている。そういえば奈良県美の安度の立美人図もあった。

奥村政信 武者絵尽 わたしが見たときには「碁盤忠信」のところ。碁盤を踏みながら敵を倒す忠信。そういえばわたしはこの芝居見たことないな。

奥村政信 羽子板を持つ八百屋お七 慎ましく立ちながら心は燃えているようで、櫛にも「吉」の字が。

奥村政信 新吉原大門口中之町浮絵根元 浮絵で表現だからそれこそ浮き立つような感じがある。

西村重長 三幅対 ひよくの三曲 緑色が出ている!これはなんと白と緑だけの絵。ちょっとびっくりした。鮮烈な感じ。笛・三味線・胡弓を連奏する三組のカップル。着物もそれぞれ凝っている。右端の男は波兎柄。

石川豊信 市川海老蔵の鳴神上人と尾上菊五郎の雲の絶間姫 菊水柄の着物。頬杖する上人。下座が聴こえてきそう。

鳥居清満 枕相撲 くくり枕を使うゲーム。罰盃もあるようで、女たちがわいわい。島台も出ている。つまり絵を見る観客は、その場にいる客の視線と同じなのだった。
ところで丁度この前の鳴神上人と雲の絶間姫とのやりとりのなかで「くくり枕」が出てくる。軽く色っぽい話。

第三章 錦絵の誕生
春信登場。彼の追随者たちと北尾まで。

春信 見立為朝 強弓を弾く達人為朝の見立て。波柄屏風の前で弓を持って立つ男と遊女二人。明和二年のカレンダーでもある。それを見つけ出すのも楽しみになる絵。
男はきりっとしているが、やっぱり春信らしくなよやか。

春信 雪中相合傘 大英博物館蔵のが来ている。人気の絵。男は黒の頭巾をすっぽり、女は白をすっぽりかぶる。寒さしのぎもさることながらこのスタイルがかっこいい。
白と黒はやはりかっこいい。クールジャパンはこの時代から続いているのかもしれない。
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春信 百人一首 蝉丸 むろん見立て絵である。江戸人の教養は「これやこの」くらいササッと頭に出るのだ。茶屋女が男を引き留める。犬もいる図。

一筆斎文調 墨水八景 綾瀬の夕照 黄緑色の目立つ絵。春信風な様子。川が流れるのは綾瀬川か。望遠鏡で覗く男がいる。

一筆斎文調 三世松本幸四郎の曽我五郎 この五郎は竹と刀とを持つ。夜、今から出るのかそれともまだか。

勝川春章 仲蔵の髯の意休・松助のかんぺら門兵衛・里好の三浦屋揚巻・五世團十郎の助六・三世宗十郎の白酒売新兵衛  うまいこと5分割されている。この五世團十郎は上記の三世幸四郎。助六は今も人気の芝居。

勝川春好 三世瀬川菊之丞 大首絵。唇が開き、舌がのぞく。なかなか色っぽい。

勝川春章・北尾重政 青楼美人合姿鏡 ゆたかなムードがある。扇屋の女たちのいる一室。

磯田湖龍斎 東扇 扇屋花扇 女と禿。扇面に面白い構図で描かれている。

北尾政美 江戸両国橋夕涼之景 花火が上がる。下の茶屋には客はちらほら。

第四章 浮世絵の黄金期
清長、歌麿、写楽、豊国まで美人画オンパレード。

清長 風俗東之錦 萩の庭 武家のご婦人方のいる風景。

清長 当世遊里美人合 叉江 なかず、と読ませるらしい。川の下流西岸の埋め立て地にある遊里。遊女たち。

清長 美南見十二候 六月 品川である。舟も見える。沖の暗いのに白帆がみえる~ではないが、その品川。気持ちよさそうな妓楼のベランダ(!)。宴席にはまだ染付はない。
品川といえば「土蔵相模」が有名。

清長 大川端夕涼 いろんな女たち。両国橋もみえる。竪川の木場もある。対岸の景色。大川端といえば「御宿かわせみ」があるが、清長の時代はまだなかったか。
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清長 吾妻橋下の涼船 鰹をさばく人もいる。行き合う船たち。

清長 三世八百蔵の古手屋八郎兵衛と里好の丹波屋お妻 天明五年。二階に遊女としてのお妻がいる。庭には頬かむりの八郎兵衛が刀に手をかけて立っている。
悲劇はすぐそこに近づいている。

勝山春潮 田圃道の遊山 奥では小さい人々がよく働く姿が見える。

歌麿 画本虫撰 下 野菜が描かれている。茗荷、南瓜、茄子、そしてカタツムリにバッタ。

歌麿 鮑取り 海で働く女と見る女と。

歌麿 北国五色墨 てつぽう 最下層の女郎を言う「てつぽう」は鉄砲、つまり「当たると死ぬ」。当たるのはxx。
胸をはだけて、口で紙をくわえている。
北国は吉原。たぶんこの女のいるところは羅生門河岸だろう。別名「鉄砲河岸」とも呼ばれたところ。

歌麿 錦織歌麿形新模様 白打掛 線なし。色で表現された着物。

歌麿 難波屋おきた これにはびっくりした。表裏一枚に難波屋おきたの全身像が描かれている。表から裏へ突き抜けてそちらには後ろ姿が描かれている。
こんな絵は初めて見た。

勝川春英 二世中村野塩の腰元お軽 変な顔つき。ハイ?なんですかこれ、なポーズ。

写楽 三世市川高麗蔵の志賀大七 これは例の鼻高幸四郎の前名時代。見慣れているはずの、髪のほつれた男の顔もこうして考えると、ほくろを探したくなる。

歌川豊国 役者舞台之姿絵 やまとや こういうのをもっと見てみたいのだが。
 
歌川豊広 豊国・豊広 両画十二侯 二月 三枚続 子供らも楽しそうにしている。

長くなるのでここまでで一旦終わる。
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