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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

モネ、風景をみる眼


国立西洋美術館×ポーラ美術館
モネ展はこの二つのコレクションで構成されている。

事前情報を入れずに展覧会に行くので、ついてから知った。
 
わたしの西洋絵画鑑賞修行の始まりは、大原美術館とこの西洋美術館とブリヂストン美術館からだった。
特にブリヂストンと西洋美術館にはお世話になった。
そこで見たものが今日の基礎になり、自分の眼になった。
つまり、石橋正二郎・松方コレクションがわたしの師匠になったのである。無論、向こうはこんな不肖の弟子など知るまいが。
そしてどちらも印象派の名品を持つ。
わたしが受けた授業の主たるものは印象派を味わうことだった。

93年か、ブリヂストン美術館で大きなモネ展を見た。図録を入れた紙袋は今も手元にある。
それが今のところ、わたしの「モネ」展ベストだと思う。

西洋美術館のコレクションと、ポーラ美術館のコレクションとがいい距離感で並ぶ。
始まりはセザンヌ、シスレー、ピサロなどの作品が、まるで友情出演のように出ているのだが、それらはこの西洋美術館の住人なので、見るわたしにとっても親しい感じがある。

1.現代風景のフレーミング

アルマン・ギヨマン ロバンソンの散歩 以前にポーラ美術館展で見た。ロバがいるからロバンソンなのか、とそのとき思ったが、今もやはりそう思っていた。

モネ 花咲く堤、アルジャントゥイユ これもポーラ美術館展で見た、好きな絵。手前に花、向こうに港と煤煙。二つの風景。

ゴッホ ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋 刺繍したような風景。明るい配色。洗濯女たちがいる。

マルケ ポルト・ヴェルサイユの雪景色 いかにもマルケ的な色彩。それがこの章の中でいちばんモダンで、素敵だった。

2.光のマティエール

ゴッホ ばら 西洋美術館の。やっぱり好きな絵。色が好き。

ボナール ミモザのある階段 明るい。色がいい具合にまざり、気持ちが明るくなる。
これは実物やないと、味わえない喜び。

ルノワール ムール貝採り ハキハキした塗りわけの頃、子供らが可愛い。

3.反映と反復

モネ グラジオラス デュエル邸の飾り扉のための作品。どちらも火襷の出る壺にいけられている。

シダネル 三本のばら 庭に置かれたテーブル、それだけで物語を感じる。詩情豊かな空間にときめく。

ルドン ヴィーナスの誕生 巻き貝から出てくる女、これは美神の生誕というより、諸星大二郎描く「うつろ舟の女」または「卵から現れる女」、そうにしか見えない!

4.空間の深みへ

睡蓮の池がようやく現れた。
絵の向こうにガレのガラスがある。
これもまた「反映と反復」だと思う。
いや、増殖かもしれない。
憩えるほどの数ではないが、睡蓮の咲く池と、その周囲に咲き乱れるようなガレの花たちに囲まれた気分を味わえた。

カリエール クレマンソー フランスの宰相。モネとは大の仲良しさん。彼は幕末日本の香合をたくさを所持していた。
以前そのコレクションを見ている。

5.石と水の幻影

モネの描いた建造物が集まる。
ルーアン大聖堂、国会議事堂、ウォータールー橋、チャリング・クロス橋、サルーテ運河。
宮沢賢治の詩った言葉を思う。「風景は涙にゆすれ」本当には違う意味だろうが、眼をしばたきながら眺めると、そんな言葉が現れる。

ホイッスラー セカンド・ベニス・セット このシリーズは初めて見た。全体を見たい。

フェリックス・ビュオ ウェストミンスター・ブリッジ 周囲にもコマ絵が色々あり、當麻曼荼羅のようだ。

展覧会のタイトルは「モネ 風景をみる眼」で、副題に「19世紀フランス風景画の革新」とある。
モネを第一におかなくてもよかったと思う。モネモネと探すより、なんとなく楽しくフランスの風景を見て歩いた気がする、これで充分だった。

3/ 9まで。


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