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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

五島美術館所蔵「中国陶磁器」展

五島美術館で所蔵の中国陶磁器展が開催されている。
基本的なやきものと聴けば見に行かずにいられないので、いそいそと出かけた。
出かけた前の週には大阪の東洋陶磁美術館で「定窯」の白磁を愛でてきたが、ここでは戦国時代から清朝中期までのカラフルな名品を主に眺めた。

瓦胎黒漆量/勺 戦国時代 どちらもモダン!先のは大カップで長沙出土。次のは丸くコボッとしたしゃもじスプーン。カレーなどをよそうのに良さそう。
正直な話、今はやりの北欧デザインぽい。かっこいい。2300~2400年ほど前のデザイン。

灰陶加彩雲気文鍾 前漢時代 地獄の炎のよう。これは好きなデザインなのだが、雲気が炎に見えるのが面白い。

灰釉獣耳壺 前漢末~後漢初 胴の釉垂れがゾウさんたちの群れのように見える。

灰釉刻文獣耳壺 後漢時代 へら彫りで怪獣を拵える。神獣への畏怖というより、ファンが喜んで怪獣マーク入れました的な絵。

青磁洗 西晋 これはもう完全にボウル。英語で翻訳してもボウル。納得。

白磁弁口水注 唐時代初 取っ手の上に人首。たぶん小僧。これは可愛げがないというか怖いな。米色に近い。

三彩貼花文鍑 唐時代 三足が獅子足で茶色い。全体は首なしの獅子に見える。
この三彩がペルシャ、渤海、遼に広まったのだが、やがて変容し、法花や交趾にも化していったそうだ。

三彩万年壺 唐時代 上部が丸く張って下へすぼまる形を「万年壺」という。
出光美術館に兄弟がいる。白地に青と緑の細めの線が連なる。なかなか素敵。

緑釉牡丹文鳳首瓶 乾瓦窯 遼時代 濃い濃い緑で首の部分に縊れ線がたくさん。多条痕とでもいうのか、そんな感じ。

白磁蓮弁文水注 定窯 北宋時代 白い。先日見たばかりだから嬉しい。やや青みがかっているから還元焼成かな、と勝手に想像する。それも楽しい。
なお東洋陶磁美術館で見た展覧会の感想はこちら

月白釉水盤 鈞窯 北宋~金時代 確かに色は薄く「月白釉」だと呼ばれるのもわかる。
徽宗末期「花石鋼」で集めた奇岩などを鈞窯の花盆に置いたりしたそうだ。
鈞窯の「天青釉」は濃い色のものを「天藍」淡いものを「月白」というのだ。
「花石鋼」は全土に及び、人民は使役されて、困ったらしい。
なにしろこの後から乱が勃発したりするのだし。
諸星大二郎「諸怪志異」 4巻「燕見鬼」はこの辺りの話を描いている。

黒釉金彩文字天目 南宋時代 金が黒に変わっている。黒に薄い黒で文字がある。「寿山福海」の四文字がある。

白釉鉄絵草花文四耳壷 元時代 グレーでピャッピャッピャッと花の絵が入る。花というより花びらで構成された抽象的な花。レトロモダンな文様だった。

青磁有蓋梅瓶 龍泉窯 綺麗なオリーブグリーン。こういうのを「天竜寺青磁」。

鉄絵牡丹文壷(絵高麗) 明時代 絵高麗と呼んでいるが本当は中国のもの。磁州のもの。ゴシックな絵柄。

青花樹鳥図大壷 景徳鎮窯 明代 柳に止まる鳥たち。

五彩牡丹文瓶(古赤絵) 景徳鎮窯 明時代 四種の花が描かれている。万暦以前の民窯の赤絵。牡丹はどこにあるかわからないが、椿が可愛い。
こうした絵を見ていると晩年の岸田劉生の日本画を思い出す。劉生の絵に古赤絵の趣が活きているというべきか。
形は愛らしい玉壷春。

青花蜜柑形水指(祥瑞) 景徳鎮窯 明時代 形は蜜柑、絵柄は木に登る猿たち。

青花花鳥捻文鉢(祥瑞) 景徳鎮窯 明時代 藤田家伝来。色がとても綺麗。

五彩龍文四方水指(南京赤絵) 景徳鎮窯 ファンキーな龍が五頭。カメラ目線の奴もいる。まつげが可愛い。見込みは獅子?!鴻池家伝来。

安政二年「形物香合相撲」番付に出てきた香合が五つ出てきた。
三彩石榴合子(交趾石榴香合) 東前頭11枚目。馬の絵。
青磁桃型合子(青磁桃香合) 西前頭筆頭。不昧公から姫路の酒井家へ。
青花蔦文合子(古染付辻堂香合) 大関。
五彩カキ文合子(呉州赤絵四方入角香合) 西前頭10枚目。
白磁牛文合子(白呉州台牛香合) 勧進元。

茶葉末瓶 大清乾隆年製銘 景徳鎮窯 ハンス・コパー風な瓶。

付属で中国の古鏡も展示されている。年月日の記された鏡を中心にしている。
そのなかで「丙午日」がやたらと多いのでびっくりする。
説明によるとその当日の暦を言うのではなく、鋳造したときの吉辰を閉めすためとある。
そうか、中国では「丙午」はめでたい方角なのか。

ほかにも鏡の図柄についても「重列式」「対置式」の違いなども説明があり、そのように並べられていた。
珍しいのは神ではなく仏をモチーフにした鏡のあること。

面白いもの・可愛いもの、とりどり見所の多い展覧会だった。
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