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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

京都ゆかりの美術家 前期

高島屋史料館で「京都ゆかりの美術家たち」展の前期を見た。
主に日本画の良いものを見て、随分機嫌がよくなった。

1. 京都に育まれた美
川島睦郎 緑日 きれいな青緑の空間に、青リンゴと鶺鴒がいる図。清々しい、きれいな青で、こちらの肺まで青が染み込むようだった。

小野竹喬 春 季節が移って、ぼんやり青い空に白い雲がぷかりぷかりと浮く。桃も咲き出していて、空に向かって梢を伸ばす。

堂本印象 陶額皿原画 皿そのものに洋ナシやアジやポットを置いている、だまし絵のような皿、その原画。だいぶ抽象的なタッチなので晩年のものだろうが、明るい。

山口華楊 玄花 黒に近い深紅色の大きな花弁の牡丹が三つ。妖艶な花たち。
蕾はまだ固いが、これも開けば姉たちのように艶やかに笑うだろう。

池田遙邨 月光富岳 薄い三日月が山頂に雪を頂く富士山を明るく照らす。もう春も深まったか、近くには高山植物も萌えているらしい。そんなところに素知らぬ顔で月。

大野藤三郎 牡丹の園 全体がうすぼんやりした靄で覆われたような画面。そこに白牡丹が優しく咲く。白い花と薄緑の葉と。茎の薄緑も優雅。モンシロチョウと黄蝶とがふわふわと飛ぶ。清楚な絵。

田島周吾 文月駅とローズ堂 去年の高島屋外商のチラシ原画らしいが、骨董品屋風な趣の店と猫と駅とが描かれている。昭和レトロな風情がある一方で、現代と過去とを綯交ぜにする手法がここにも来ているのを感じる。現代のムーヴメントのありようか。

上原卓 蒜山早春 遠景に白い蒜山の連山、手前に辛夷らしき白い木花の群れ。白と緑の静かな美。中景は特に強く描かず、遠景と近景とを際立たせている。

松村景文 鹿 元は襖絵なのを屏風に仕立て直したもの。大きな引手が絵の中の月のようにも見える。三匹の鹿それぞれの様子。

山本春挙 富岳之図 これは右1扇目からからゆっくりと上がり始める線が…ついに5扇目で隆起し、6扇目でババーンッッッと富士山が聳える~~~という形になっている。わたしはこの絵を見るたびに「ツァラトゥストラはかく語りき」を思い出すのだった。脳内再生は止まらない。

樋口富麻呂 挿花 ふんわりパーマを当てた若い女が、紅鮭色の着物で秋草を生けている姿。

上村松篁 孔雀鳩 ぽよんとした白鳩が2羽。背景は薄いリンゴ色。

沢弘靭 柿 熟したおいしそうな柿と、葉にシミが浮き出すほどの赤い葉たち。

勝田哲 夜長 元禄時代の武家の婦人らしき女が、ふと読んでいた本から目を挙げて、なにか物思いにふける様子。打掛は白地にさまざまな紅葉柄。

富岡鉄斎 贈君百扇 本当に百あるかどうかは知らないが、とりあえず、歌仙図、琵琶湖、一休の烏、群盲模索(象をなでる)などなど。

神坂雪佳 四季草花図文庫 素の上に色塗りして花を描く。桔梗が可愛らしい。

如月会・重陽会 記念図譜 如月会のほうには池田遙邨が描いた雪にまみれた大文字山が描かれている。重陽会には今回は、左から不矩の梅花一輪、中に河井健二の林、右に梶原緋佐子の茶の湯の舞妓。

魯山人の花入れもあった。信楽だがよく焼けていそう。肩に∞が四つ。∞ ∞ ∞まるでリボンのようだった。

ほかにも永楽善五郎や樂覚入のいいのが出ていた。

2. 京都と洋画:関西美術院
足立嘉一郎 初夏の乗鞍岳 ああ、気持ちよさそう。

梅原龍三郎 薔薇図 森永マリービスケットを枕にしたように、たくさんの薔薇が寝かされていた。風呂敷の原画だったとか。

宮本三郎 薔薇 1953年のカレンダー原画。白と黄色の薔薇がメインで赤は一輪だけ。

山下摩起 ばら ピンクや薄黄色が大量。枠からはみ出しそうな勢い。パラがわんさと押しかけている。

3. 京を描く
竹喬 洛西の山 墨絵でのんびりと。雲のわくのんびり山。

遙邨 保津薫風 筏師たちが次次に働く姿。ああ、気持ちいい。

中野嘉之 神護寺 長い石段の先の本堂と、両脇からの紅葉。

室井東志生 富貴 鼻筋の通った目元の涼しい舞妓。このひとは「都おどり」のパンフレット表紙絵を描いていたとか。そして玉三郎を30年にわたって描いたそうだ。

神坂松濤 秋の大原女 雪佳の弟。レトロ美人。明治から大正にかけて描かれたビールのポスターのような美人。

緋佐子 春の装い きりりとした芸妓さんがきちんと端座する。

鬼頭鍋三郎 舞妓舞扇 金塗地に横向きの舞妓。手には舞扇。

心が落ち着くような優しいラインナップだった。前期は4/15まで。後期は4/17~5/27まで。
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