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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

東大寺展 あべのハルカス美術館開館記念

あべのハルカスがオープンし、16階に美術館も開館した。
アクセスには多少手間取る。二種の行き方があり、それが機能していないからだ。
この美術館は大和文華館の館長浅野さんが館長を勤めておられる。
ここは他のデパートミュージアムと異なり、法令に定められた美術館機能を有するとかで、国宝・重文も展示可能なのである。

近鉄がまず最初に人々に贈る展覧会は「東大寺」展である。
東大寺は近鉄奈良から行くのが近い。
わたしはこれまで東大寺関連の展覧会を多く楽しませてきてもらった。
秋の楽しみの一つ正倉院展を筆頭に、近年で言えば以下の展覧会を見てきた。


「頼朝と重源 東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆」展 奈良国立博物館 感想
「東大寺の近現代の名品」展 日本橋高島屋 感想
「東大寺大仏展」 東博 感想

今回は国立博物館たる東京、奈良それぞれの展覧会にも出ていた名品を見る機会でもあった。
展示替えが色々あるが、わたしは2期目にみている。
以下、感想を少しずつ挙げる。

誕生釈迦仏立像・灌仏盤 これが今回の主役である。チケットもチラシもこちら。
「天上天下唯我独尊」ポーズで本来は幼児のはずが、すっかり福徳円満な仏陀としての姿で立っておられる。尤も、親しみやすさというものがここにはあり、両腕のポーズも見ようによっては「やぁ」と挨拶をしてくれているような趣がある。
一応赤ん坊ということなので腕の辺りに赤ん坊らしいムニムニした線が刻まれてはいる。
イメージ (8)

東大寺大仏縁起絵巻 副本 3巻の内下巻 室町時代 僧兵も外に立ち並ぶ。いよいよ開眼供養である。大仏殿には貴い身分の方々が詰めかけている。巨大な大仏の膝だけが見える。
わたしが見たのはここの図だった。まことにめでたい。

八幡縁起絵巻 宗軒:絵 公順:詞 天文四年 香椎宮で住吉明神が舞う。控える楽人・舞楽の人々。顔に布をした磯童(これは磯良のことでしょうね)が鞨鼓を打ちながら舞うと、亀も元気よく。場面替り、潮満珠・潮干珠とを使って敵国を倒す人々。敵は鬼面の楯を持っているが、その鬼面楯が妙に可愛い。こちらの船には指南車のような「常に北を指す」人形つきのアンテナのようなものが船の帆の先に取り付けられている。
こういうのを船の装備で描かれているのを見るのは初めて。
鬼面楯の敵、全滅。この珠は昔々は山幸彦がトヨタマヒメからもろて、兄の海幸彦を攻めたててたなあ。

執金剛神縁起絵巻 室町時代 聖武天皇が良弁僧正に東大寺創建や法華堂を建立させたりしてた頃の話とか。
画面は聖武天皇の四十の賀の法要で瑞雲がたなびくところ。
そして道場では立派な僧たちが次々と現れたとかなんとか。

大仏蓮弁拓本 まぁやはり巨大ですわね。

奈良時代の鏡が二枚。いずれも元は法華堂の天蓋につけられていたものらしい。
海獣葡萄鏡と飛天十二支円鏡。小さいものだが可愛い造形がくっきり。葡萄も動物たちも。

弥勒仏座像 平安時代 やや猫背なのがぬっと現れる。
目も据わっていて、なんだか「奥さん、あきまへんで、そんなん買うたら」とか言い出しそうである。

実忠和尚座像 働き者。合掌している。

行基菩薩座像 手に蓮型の如意を持つ。険しい面立ちである。行基菩薩は各地に奇跡の痕を残している。民衆を助けた方ということで、古代日本仏教界の三大スーパースターの一人。

二月堂縁起絵巻 亮順:絵 天文14年 桜咲く中でお水取りの行法中。例の白黒の鵜が飛び出すシーン。
それからカラス天狗たちが行法を盗もうとやってきたシーン。門の前でうろうろするカラス天狗たち。
このシーンは今回の奈良博での「お水取り」展のときにもでていた。

十一面観音像 ピカーッと光りながら一人でキターーー

二月堂修中過去帳 わたしが見たときには朱雀天皇、永観、鳥羽天皇、近衛天皇、美福門院らの名前がでていた。
(崇徳院の名はない)

鑑真和上座像 唐招堤寺のでない像はあまり見ていないので、なんだか不思議な感じ。目を閉じて朱衣姿。

釈迦如来・多宝如来座像 仲良しさん。奈良時代からずっと仲良しさん。

金亀舎利塔 応永18年 普通の亀ではなくスッポンな亀。塔の中には水晶。

東大寺は華厳宗である。
華厳経には善財童子の旅が描かれている。
その関連の作品が出ている。

華厳海会善知識曼陀羅図(永仁本) 頼円 永仁二年 54人の善知識を訪ねる善財童子の旅がコマ割で描かれている。
毘留遮那をおおきく描く。
この形式は北宋に成立し、それを明恵上人が広めたとか。
イメージ (7)
明代のものもあり、前者のと区別がつかないくらい。

そして善知識たちの肖像画もある。
善財坊やの像もある。
かなり可愛い。青い髪に赤いヒレやリボンに裳裾。顔立ちがまたなかなか艶めかしくもある。
イメージ (6)

弘法大師像もあるが、それはこの展覧会を見る直前にみた「山の神仏」展でもたくさん見たものによく似ている。
そしてわたしにとって、若い頃の佐伯真魚のイメージは飯田耕一郎「沙の悪霊」の彼なのでした。

黒漆塗舎利厨子 公慶所有。きれいな石がいくつか入る。

五獅子如意 平安時代 カバーのところに五頭の獅子。ゴライオンてのが昔あったなあ、タツノコアニメ。

不動明王像 鎌倉時代 これがまた大きな目をカッッッと見開いていて、さらに大きく口を開けて歯を噛みしめていて、というお顔で、思わずサラサラとメモってしまったよ。いいねえ、なんだか。台座はウンゲンベリを何重にも積み重ねたもの。

十二神将立像 三体がおいでになっておる。平安時代
丑神立像 ヘルメットに牛がのんびり乗っている。
卯神立像 ヘルメットのウサギ、耳を後ろにしている。
辰神立像 逆立つ髪に竜がアクセサリーになり、がおー
ほかの二つはメットの上でまったりしているのに、こちらはやっぱりまったり出来かねますのさ。でもそれのせいでか、却って本体の神様はちょっと困り顔だったりする。

仏涅槃図 鎌倉~南北朝時代 摩耶夫人も泣きながらくる。白象なんか泣きすぎてか転げ回りすぎでか、赤くなっている。猿は悲しく花を持ってきている。フクロウとミミズクが並ぶ。
…で、お釈迦様の枕元に何のか誰のか、赤い風呂敷包みが置かれている。あれはなに???

重源上人座像 久しぶり。やっぱり来られましたか。

五劫思惟阿弥陀如来座像 でたー。私は勝手に「ブツコちゃん」と呼んでます。螺髪が延びすぎてアタマが巨大化しているブツコちゃん。

隣にはこれまたすっきりしすぎのスキンヘッドのお地蔵さんの像も並ぶ。

大仏螺髪 一見したところそんなものとは思わず、有元利夫の絵に出てくる、謎の小山みたいだと思った。

最後に江戸中期すぎに刊行された版本の「ならめい志よゑづ」数点がとても楽しい。
奈良名所図。大仏殿を中心に周辺を鹿つきで描く。
黒いシルエットの小さい鹿たちがアクセントになり、とても可愛い。

5/18まで。

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