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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

江戸絵画の19世紀 後期

今年のGWを振り返ると、関西で仏教展示、東京で江戸絵画、と大まかだがそう言えると思う。
関西の仏教展覧会はみんな感想をきちんと挙げたが、お江戸の絵画はほぼ全滅なままである。ヒトエにわたしの怠慢としか言いようがない。
府中市美術館の恒例・春の江戸絵画祭は前期は真面目に書けたが、後期は閉幕寸前に行ったので、もう終了してしまった。
とはいえなんにも書かないではおれないので、まとめという形でここに挙げたい。

まず終了済みの府中から。
なお前期の感想はこちら


全期間展示作品は前期と違う感想を持ったもののみ挙げる。というか、書きたいものだけ書く。

守住貫魚 袋田滝図 これはいわゆる「真景図」。なかなか気合が入っている。どこにあるのかは知らないが、なにやら実際にもこんな風にゴォゴォしていそうである。
なおタイトル通りにキーを打つとこんな風に変換される。「袋叩き図」。

森狙仙 狸図 三匹いるがどいつもこいつもモコモコでまん丸の目で口がキュッと長くて、可愛くて可愛くて。みんなそれぞれ違う方向を見ているが、本当に愛くるしい。
毛並みのファサファサするのが筆でよく描けている。

椿椿山 水野忠啓 烏帽子姿でこれもリアル。この殿様は新宮の殿さま。ここの何代目家の殿さまの姫が怖い伝説を持つ人。

原在中 富士三保松原図 山はリアルだとはいえ、なにやら富士が妙な存在感を見せている。洋風というのではないのだが、妙。

岡本秋暉 花鳥図 南蘋風な絵。色が濃く、薔薇・水仙・紫陽花などが咲き乱れる中に、トンボや小鳥たちが舞う。

岸駒 白蓮翡翠図 葉の上に一羽。白い花が一つ咲く。あとは葉のみ。敗荷ばかり。

国芳 水滸伝の好漢から三人。朱武、凌震、樊瑞。前期メンバーは刺青がかっこよかったが、後期メンバーは衣裳が派手でいい。わたしはやっぱり国芳の武者絵好きだなあ。
朱武 長髪で裸足。鬼も逃げ出してた。
凌震 砲術の人で手に火縄。兜は鉄血宰相のビスマルクが被ってるのとよく似てる。
樊瑞 オバケはセピア色、こちらは派手派手。馬が竿立ちする。踏ん張る混世魔王。

狩野芳崖 月夜山水図 旧幕時代の絵。ぽつんと月。亭に人、舟も浮かぶ。しかし凍れる夜なのだ。

渡辺南岳 芸者と若衆図(芸者と箱持ち図) 黒目がちの芸者は赤地に孔雀柄の帯。どうも暑いらしく箱持ち(中は三味線である)の男は裾をまくりあげている。
芸者は踊るなり、三味線や笛を演奏するなり、話術がよいなりすれば価値も高いのだが、箱なしの不見転では…
それにしても敦賀市立博物館は江戸時代のいい絵画をたくさん持っているなあ。

小田海僊 少年行之図 「少年行」は「若者の遊びぶりを詠う」詩歌であるという解説があるが、例えば李白、王維などにそのタイトルの詩がある。
日本では南条範夫「城下の少年」が当初は「鷹と氷壁」後に「少年行」とタイトルの変遷があった。
ここにある絵は解説にあるように、若者が遊里に遊びに行く姿を描いている。
左幅では乗馬しつつ柳の下を行き、右幅では郭についたところ。二階からは妓たちがのぞいてる。
何ともいえずいい心持ちになる。やはりこれは春から初夏まででないといけない、とも。

原在中 養老滝真景図 どーーーーっっ 二色の緑が滝のそばにある。松と杉の緑の違い。81歳の在中。ああ、これも敦賀のか。

岡田米山人 蘭亭曲水図 色鉛筆の彩色を思わせる。縦の画面の中に奇岩もあり、くねる流れもあり、イキイキしている。

安田田騏 異国風景図 湾を眺める人。ゾウに乗っている。ゾウは頭を下げているのか、背後からの眺めでは耳も鼻も見えず、大きなお尻しかわからない。

国芳「山海名産尽」シリーズがある。
紀州鯨 すごい潮吹き。浜へ走る家族。この絵はサントリーにもでていた。

加賀ノ雪 なかなか怖いようなところがある。雪山の卒塔婆、庚申塚、観音堂それらが染付のように描かれている。そして手前では女の鼻緒を直す男と丁稚と犬の親子がいる。前景と後景の落差が面白い。

広重「五十三次」がある。
丸子 名物茶屋 とろろ汁ですな。「膝栗毛」の世界。この茶店は現存。昭和五年、清方もこの店でとろろ汁を食べたかったのだが、その直前に安倍川餅を食べていたので食べ損ねる、という話を「続 こしかたの記」に書いている。

小倉柳村 湯島之景 なんとこれ!!洋画風に見せかけるためにニスが塗られているーーーっ
わたしはこの絵は普通に版画で見ているが、こんなのは初めて。

山本梅逸 下記草虫図 セミ、トンボ、カブトムシ、アブ、バッタ、カマキリ、カエル。百花とともに。

木米 山水図(化け物山水) 山も岩も木もどこかオバケ風。文政12年の作。
これは青木木米のことなのかな。

岸駒・岸岱 獅子・虎図屏風 金屏風。左の虎は川渡りの親子図。これは子虎たちのうちに一匹だけ兄弟殺しの豹がいて、目を離すとほかの兄弟を殺してしまう。そこで川を渡るときのやり方は、というものを前提にした絵。
獅子は谷からジャンプする子を見守るパパ獅子図。

面白い作品が多かった。さすが府中市美術館。来年の企画も楽しみ。

 
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